清涼飲料水メーカー「キリンビバレッジ」(東京都千代田区)製の缶
入りトマトジュース1缶に、ハエの成虫が入っていた問題で、同社は8日、製造工程の一部でベルトコンベアのカバーがずれ、そのすき間からハエが缶
に入った可能性が高い、と発表した。またトマトジュースを買った主婦に「公にしないでほしい」と持ち掛けたとされる点について、佐室瑞穂社長は「保健所の検査結果
が出ておらず、店側と相談して告示しなかった」などと釈明した。
同社によると、問題の缶ジュースは同社の関係会社「ナガノトマト」松本工場で昨年9月1日に製造されている。「チェックシート」を点検したところ、工場内の一室で、缶
の洗浄機とジュースの充てん機をつなぐベルトコンベア(長さ約3メートル)のカバーがずれて数十センチのすき間ができ、はめ直した記録があった。この部屋の入口にはエアカーテンがあり、ハエがどのように室内に入ったかは分からないという。
また、主婦の自宅に謝罪に訪れた同社幹部が「公にしないでほしい」などと持ち掛けたとされる点について、佐室社長は「(主婦からは)ハエ混入の事実とジュースを飲む時に注意を呼び掛ける張り紙を、スーパーの店先に張るよう求められた」と話したうえ、「保健所の検査結果
が出ておらず、消費者の不安につながるため、店と相談して告示しなかった」などと釈明した。
同社は「ハエ混入」の知らせを受けた7月31日中に、主婦が購入したスーパーの系列店から同一製造日の商品を撤収したが、一切公表しなかった。佐室社長は「製造段階でハエが混入した可能性はゼロに近いと考えていた。結果
として、お客様にご不快の念を与えてしまったことをおわび申し上げます」と謝罪した。
同社は8日、昨年9月1日に製造した61万本の自主回収を決めたが、このうち出荷されているのは約46万本で、7月中旬から全国の店頭に並んでいたという。
[毎日新聞8月8日]