「ゴキブリ4:その嗜好 」
■ゴキブリの好きな餌とにおい
ゴキブリは雑食性で、人間が食べる植物性、動物性食品は大抵食べます。
好物としては、パン、ふかしたジャガイモ、米ぬか、ヒエ、バナナ、タマネギ、などが知られています。
このことは、ゴキブリが屋外では植物の種や果実、動植物の死体や乾燥物を主要な食物としていることをうかがわせます。
このほか、ヤマトゴキブリがクヌギの樹液を口にしているのが目撃されたり、クロゴキブリが温室のなかで、植物の苗を食害することもあります。
変わった記録では、ワモンゴキブリが人間の爪をかじったり、まつ毛を食いちぎった例や、生きているナンキンムシを食べた話もあります。
雑食性といっても、離れた所から香りによって誘引され、現物に触れてその味に反応して食べるのであって、何でも構わず食べているわけではありません。
この点では、単食性や寡食性の昆虫(カイコのように限られた餌しか食べない昆虫)と同じです。
ゴキブリの場合は、むしろ嫌いな香りや嫌いな味が少ないと考えるほうがよいと思われます。
食用油やその分解成分のなかにはゴキブリの好きな香りや味が含まれており、これはゴキブリが古来「油虫:アブラムシ」と呼ばれる理由の一つでしょう。
デンプンや糖類の味も好まれます。
化学成分で言えば、いろいろな脂肪酸やアルコール、両者の結合したエステルと称する化合物類などのうち適当に揮発性のあるものが誘引成分として有効です。
これらの中には、口の部分(口ひげも含む)で触れると摂食行動を起こさせるもの(味の成分)もあります。
よって市販の砂糖などは触れて感じる味の成分が主体なので、香りで誘引することはあまりありません。
対して、麦芽糖(マルトース)は香りの成分と味の成分を両方備えているので、ゴキブリの集まりと摂食が抜群に良いのです。(これ、ゴキブリダンゴを作る良いヒントになりますね!!)
■ゴキブリが必要とする栄養?
研究者によると空腹のゴキブリが物を食べるという行動は、食べ物の香りや味、さらに歯ごたえ、喉ごし(ゴキブリに喉ごし?本当ですかね?)などによって引き起こされ継続するのだそうです。
その結果、口から消化器に入った食べ物が消化吸収され、栄養としてゴキブリの活動、発育、そして繁殖に役立ちます。
しかし、香りや味が直接栄養になる訳ではありません。
香りや味の作用は、あくまでも食べ物の発見や食欲増進の作用であり、口から入った物のうち何が栄養になるかの問題はまったく別に調べなければなりません。
ゴキブリが自然界で好きな物を食べて元気でいるということは、好みの香りと味を示す物質が栄養になる物質と共存しているという結果なのです。
つまり、栄養の無い物質に人為的にゴキブリの好む香りと味をつけて与えれば、ゴキブリは一生懸命にそれを食べて栄養失調で死亡するのです。
ゴキブリの発育には、栄養としてタンパク質、炭水化物、ビタミン、無機塩の他に一般的昆虫と同じくコレステロールを食べる必要があります。
ただ、ゴキブリは体内や消化管の中にいろいろな微生物が住んでいて、いろいろな物質を変化させているので、本当の栄養の研究は極めて難しいのだそうです。
あまりテーマと関係ないので、省こうと思ったのですが、面白いので紹介しておくゴキブリの話を一つ。
ゴキブリは互いの存在(ゴキブリ同士)の確認を、触角による叩き合いのみで行うのだそうです。
ガラス越しに相手が見えても、網越しににおいが伝わっても、鏡を立てて自分の姿を見せてもダメ。
触角で互いに激しく叩き合うことが唯一の存在確認!。
人間にもいますよね、そういう人。
(参考文献:ゴキブリのはなし /安富和男編著/技報堂出版社)
(参考文献:害虫追い出し百科/西川勢津子、吉川翠 共著/近代文芸社)
YAMASA食品安全研究所
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