【韓国】ファストフード低迷続く、健康ブームで
(8/1)
健康で快適な生活を重視する「ウエルビーイング」ブームが続き、外食産業、とりわけジャンクなイメージの強いファストフード業界が打撃を受けている。国内ファストフード各店の店舗数・売上高はともに下落の一途。業界では店舗の統廃合などスリム化を進める一方、メニューの見直しでてこ入れを図っているが、決定打はない状況だ。【韓国編集部・安藤久史】
ファストフード各店の売上高は、2002年の1兆4,000億ウォンをピークに04年には1兆ウォン、昨年は9,000億ウォン台に落ち込んだ。不況のあおりもあるが、最大の要因はウエルビーイングブーム。業界では食材の“ウエルビーイング化”やセットメニューの値下げで巻き返しを図った。
しかし、結果は思わしくない。国内トップのロッテリアは健康ブームに合わせ「ライスバーガー」や「ライ麦パン」などを相次ぎ投入したものの、成果を上げられず、店舗数は03年の884店舗から現在は781店舗に減少。昨年の売り上げは2,207億ウォンで前年に比べ6%、純利益は21億ウォンで同40%それぞれ減った。今年上半期(1〜6月)も昨年並みの実績にとどまりそうだ。
1988年に韓国に進出したマクドナルドは、若者の絶大な支持を背景に急成長を遂げた。しかし店舗数は02年の350店舗をピークに昨年は328店舗に減少。現在は300店舗を切っている。首都圏と江原道、忠清道の店舗は、昨年は合計350億ウォンの赤字を計上。ほかの地域も300億ウォンの赤字となった。
マクドナルドは04年末から合計40億ウォンを投入して店舗のイメージチェンジに着手。「ホットチキンホルダー」や「ベーコントマトデラックス」など現地ニーズに応えたメニューを開発している。昨年はコーヒーをイタリアの高級コーヒーブランド「Lavazza」に変え、コーラなど炭酸飲料に代わるドリンクとして売り出す方針を打ち出した。一方で、3,000ウォンのランチメニューなど格安セットも発売した。
ケンタッキー・フライド・チキンとバーガーキングを運営するSRSコリアも、昨年の赤字幅は181億ウォンに上っている。
■健康食品市場は絶好調
ウエルビーイングブームは、2000年ごろから米国で始まった。韓国では02年に女性雑誌が紹介し、「ファストフードより野菜や穀物を、外食よりも家庭で食べよう」との合い言葉で一気に流行。外食産業は打撃を受けた。
ブームを受けて急成長しているのが健康食品市場。昨年の市場規模は2兆3,000億ウォンと初めて2兆ウォンを超えた。特に人気があるのは健康補助食品だ。90年代は6億ウォン規模だった「スピルリナ」の売り上げは昨年には400億ウォンに拡大。今年は倍の800億ウォンに達すると予想される。「クロレラ」も前年比40%増の800億ウォン規模に成長。国内で02年に発売された「グリコール酸」は、原料の輸入額が04年の400億ウォンから昨年は800億ウォンに拡大した。
子ども向け健康食品市場も01年の150億ウォン規模から03年は600億ウォン、昨年は1,200億ウォンと急成長している。
健康食品産業は、国内景気の回復も手伝って今後も成長を続けていく見通しだ。ファストフード各社はこの流れに沿って「ウエルビーイング」路線を追求するのか、あるいは格安路線で売り上げ増を狙うのか、試行錯誤を続けている。
(NNA)
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