郷土の味 継承に期待/しもつかれ(栃木)
(2/14)
読者のみなさん、先週十日の初午(はつうま)に下野の誇る郷土料理「しもつかれ」は食べられましたか? 仕込みや調理に手間がかかることなどから、若い世帯では作りも食べもしないという家庭も増えているそうです。郷土の味は次世代に伝わるのでしょうか。先月十九−二十一日に三回にわたってまとめた「しもつかれ」連載企画の番外編として、子どもの食育を担う、県内の学校給食でのしもつかれ事情を調べてみました。 (川口 晋介)
■ほとんど初体験
藤岡町では十日、町内すべての小中学校と保育所の給食にしもつかれが出された。メニューは赤飯、牛乳、鶏肉の空揚げ、みそけんちん汁、そしてしもつかれだった。
同町立赤麻(あかま)小学校(癸生川(けぶかわ)廣子校長、児童数二百二十人)一年二組の児童二十人のうち、家でしもつかれを食べたことがあるのは、わずかに五人。ほとんどがこの日初体験ということで、興味津々で盛り付けを見守った。食べやすいようにと工夫してあるため、独特のべちゃべちゃした感じはなく、見た目は上品な煮物のよう。ためらいもなくはしが伸びた。
意外にもあっという間に平らげる子も続出。食後に感想を尋ねると十五人が「おいしかった」と答えてくれた。一方、「お酒が入ってる」と表情をゆがめて嫌がる子も。酒かすの量は、大人には分からないくらい少なめにしてあるというが、子どもの舌は敏感なのだ。
同町学校給食センターの管理栄養士、大畠昌枝さんは「『嫌がって食べないから』『残すから』と出さない学校もあるようですが、作らない家庭もありますし、郷土の食べ物を知る機会と思って出しています」と話す。
■6割が提供
県内の各市町村教委に、今シーズンの小学校の給食献立にしもつかれがあるか聞いてみた。結果は、回答のあった三十五自治体・四百九十校のうち、二十七自治体・三百八校、約63%で実施していることが分かった。
実施しないと答えた学校・給食センターが、理由として真っ先に挙げたのは児童の好み。「家庭で食べ慣れていない」(那須塩原市)ことや、見た目、先入観、以前出したら「食べ残しが多かった」(足利市と上三川町)ことも。子どもたちへのアンケートで嫌いな食べ物の上位に入ったこともあったという。「手間をかけて作っても、残す子が多い」(那須烏山市)など切ない回答も。
また、給食は「当日調理」が大原則のため、「手間や時間がかかる」(さくら市)、「長時間煮込めない」(那須塩原市)と給食ゆえの制約を挙げた自治体も多い