県は28日、鳥取の夏を代表する県産岩ガキから、嘔吐や下痢などの食中毒を引き起こす「ノロウイルス」が検出されたと発表した。これを受けて、県内の全5漁協は5月1日に予定していた初出荷を当面、自主規制することを決めた。 県衛生研究所(湯梨浜町南谷)が26日までに▽網代▽青谷▽赤碕▽米子――の沖合の岩ガキを調べ、米子でとれた3個のうち2個から陽性反応が出た。県は、2週連続でノロウイルスが検出されなくなるまで週1回の検査を続ける。 調査は01年から始まり、昨年4月下旬に初めて検出。漁協は同5月24日まで出荷を自主規制したが、以降は検出されなかった。【松本杏】(毎日新聞)
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県健康福祉部に27日入った連絡によると、一志町田尻の料理店「A」の食事を22日夜に食べた32人が、下痢や吐き気などの症状を訴え、食中毒と診断された。県は29日、同店を営業禁止処分とした。全員快方に向かっている。 食べたのは、一志郡内の男性会社員(42)らいずれも県内に住む計44人。うち32人が、23日午前11時から26日午前7時にかけ、下痢や吐き気、腹痛などを訴えた。患者の検便からはノロウイルスが検出された。【鈴木顕】(毎日新聞)
◇外部搬入OK、コストも減−−特区認定 新見市が国に構造改革特区の申請をしていた「地産で安心、新見の楽しい給食特区」が、このほど認定された。規制が緩和されたのは「公立保育所における給食の外部搬入容認」。対象は市内9保育所で、給食の外部搬入ができるようになった。 年齢に応じたメニューが必要な2〜3歳児や乳児に関しては従来通り保育所の調理室で作るが、4〜5歳児と職員には市の学校給食センターの料理が提供され、市内小中学生とほぼ同じ給食を味わえるようになる予定。センターでは、米や野菜など地元食材を取り入れており、保育園児にまで拡大することで更に地産地消の推進を図る。 同市(旧・新見市)は待機児童の増加を受け、05年度に合併特例債を活用した保育所の増築を計画。それに伴って調理室も拡張する必要が出てきたが、弁当を持参させれば保護者の負担が増えることなどから、1月に児童福祉法では認められていない保育所への給食の外部搬入を国に申請。3月に認定されていた。一括調理によってコスト削減にもなるという。(毎日新聞)
あなたにとって「おふくろの味」は何?――。読売新聞社が行った「家庭の食卓」に関する全国世論調査(面接方式)で、「おふくろの味」と聞かれて、最も多かったのは「肉じゃが」(19%)。以下、「みそ汁」16%、「煮物」15%、「カレーライス」4%、「芋の煮っ転がし」3%など、飽きのこない素朴なものが上位を占めた。 調査は9、10の両日に実施。家族そろって食事をとることが「大事」と思っている人は96%に達したが、実際、家族が集まって夕食をとっている人は45%と半数に満たなかった。 このためか、食生活への不満では、「家族そろって食卓を囲む機会が少ない」20%、「手間をかけた料理が少ない」16%などが目立ち、家族とのだんらんや手料理が少なくなっていることに多くの人が不満を抱いていることが浮き彫りになっている。 また、共働き家庭の増加を反映してか、調理済み食品などを家庭で利用することに「抵抗はない」人は61%で、1991年の調査と比べ12ポイントも増加、手料理離れもうかがわせている。 (読売新聞)
鳴門市の小鳴門海峡で取れた天然カキから出荷自主規制値を超える貝毒が検出された問題で、県は26日、「検出後に実施していた検査が、3週連続で規制値以下となった」として、安全を宣言した。カキなど二枚貝を扱う鳴門市内の漁協に要請していた出荷自粛についても、解除した。【植松晃一】(毎日新聞)
道は27日、噴火湾湾口海域で取られたホタテから国の規制値を約2倍上回るまひ性貝毒が検出された、と発表した。出荷元の鹿部漁協は出荷を自主規制した。この海域では、南かやべ、椴法華、えさんの3漁協も漁業活動をしているがホタテは出荷していない。 同海域では昨年5月7日〜11月13日も、まひ性貝毒が原因でホタテ出荷が自主規制されている。【田中泰義】(毎日新聞)
県生活衛生課は27日、県立農業経営高拓心寮の寮生60人(男50人、女10人)が食中毒症状を訴えたと発表した。4人が入院したが、全員快方に向かっているという。 同課によると、寮生数人が、23日午前から発熱や下痢、腹痛の症状を訴え、他にも数十人が同様の症状を訴えため、36人が受診したという。共通する食事は寮内で調理された食事のみで、中讃保健所は寮食堂を原因施設と断定、検便や調理器具のふき取りをするなど調査を続けている。寮食堂は26日から調理を自粛している。【内田達也】(毎日新聞)
◇生命守る文化次世代に−−「寺小屋」で食育を普及 「スープは母乳のようなものなのです。一椀(わん)の中にいろいろなものが含まれておりますし、人間の命をはぐくむものだと思います」 世田谷区の旧区立池尻中学校(池尻2、04年4月に廃校)を利用した「世田谷ものづくり学校」の一角に25日、「食材の寺小屋」が開校した。開校式で料理研究家、辰巳芳子さん(80)は、ヒエやアワの入った「命のスープ」を約100人の参加者に振る舞った。 寺小屋を運営するのは、NPO(非営利組織)「良い食材を伝える会」。辰巳さんが「食文化とは、あらゆる文化の母体である。必ず生命を守りうる食材を次の世代に贈っていきたい」と呼びかけて96年4月に発足。辰巳さんが会長を務めている。同会の考える「良い食材」とは▽品質が優れている▽おいしい▽安全で、地域としっかりとしたつながりを持つ−−ことを前提とした農畜産物、もしくは加工食品を指すという。 会は98年、都道府県別に特徴的な約500品目の食材の生産状況や、価格の目安、問い合せ先をまとめた報告書「日本の地域食材」を発行した。改訂を重ね、現在は約1400品目を収録した「日本の地域食材Vol・3」(496ページ、3300円)が書店でも販売されている。 寺小屋を作ったのは、会の発足時から参加する東京農大客員教授で会代表幹事の中村靖彦さん(69)が、活動拠点となる場を作ることを提案したことがきっかけ。中村さんはかつて、宮城県で廃校を利用したグリーンツーリズムの施設を訪れたことがあり、都内で廃校を利用した施設を探していたところ、世田谷ものづくり学校を見つけた。 中村さんは「日本の食や農がどうなっているのかを、展示や講演などを通じて情報提供し、交換できる場にしたい」と意気込みを話す。また、名前を一般的な「寺子(・)屋」ではなく、「寺小(・)屋」としたのは「ささやかな場」という意味合いを込めた。 寺小屋は今後、食の安全や地域の食文化について学ぶ「食育」の考え方を広める活動と、都市と農村の共生を目指した料理教室や、食に関する講演会を行う予定。また、地域の農畜産物の展示即売や、食育に関する催しを行う団体に場所を提供する考えだ。【高島博之】 …………………………………………………………………………………………………………………… ◇良い食材を伝える会 会員は約530人。寺小屋のほか、千葉県山武町で有機野菜畑を運営し、季刊のニュースレターの発行、講師の派遣も行っている。事務所は港区赤坂9の6の28の307(03・3423・6080)、月曜と水曜の午後1時から午後4時はスタッフが常駐。ホームページはhttp://www.yoishoku.com (毎日新聞)
<うまい!> 道立食品加工研究センター(食加研、江別市文京台緑町)の阿部茂研究員らの研究グループが、魚介類や野菜の加工に「過熱水蒸気」を利用すると、うま味成分を残したまま調理時間の短縮も図れるとする研究成果をまとめた。冷凍食品の解凍や調理にも活用出来るとあって道内の大手水産加工メーカーなどが既に導入している注目の技術で、27日に札幌市内で開かれる研究成果発表会で披露される。 過熱水蒸気は、蒸気タービンや金属機械工業の分野では90年以前から実用化されている。食品加工での研究は90年代に始まり、道内では00年ごろから研究がスタートした。 食加研は「道内でつくられる多種多様な農水畜産物の加工への利用」をテーマに02年度から研究に着手。水蒸気を450度まで加熱出来るスーパーヒーターを備えた蒸気ボイラーを導入して本格的な研究を続けてきた。野菜や魚介類を使った実験では、加熱処理が短時間で出来ることを確認。ホタテの加工では、煮たり蒸したりした時に比べ数%うま味成分が上回っていることが数値的にも証明された。 また、温野菜に活用した場合には、野菜の色落ちがなく、栄養価も保たれたままであることも判明。冷凍食品を使った実験では解凍だけでなく、加熱による調理もでき、食べ物の表面殺菌効果や酸化抑制作用があることも分かった。 阿部研究員は「熱を効率よく伝えるための技術的課題、装置のコストが高いことなどが問題だが、注目度が高く今後は普及が進むと確信している」と話している。【吉田競】 ……………………………………………………………………………………………………………………… ■ことば ◇過熱水蒸気 沸騰で発生した水蒸気を、さらに加熱して100度を超える高温状態にした無色透明の気体。170度を超えると、乾燥効果が高くなる。大手家電メーカー「シャープ」が昨年秋、「水で焼く」をキャッチフレーズに過熱水蒸気の原理を応用した調理器を発売、人気を集めている。(毎日新聞)
石巻市魚町2の魚介類販売店Aで17日、岩カキを食べた新潟県阿賀町の男性社員4人(18〜46歳)が下痢などの食中毒症状を起こしたと25日発表。ノロウイルスが検出され、石巻保健所は同店を2日間の営業停止処分に。4人は社員旅行で同店を訪れ発症。全員快方に向かっているという。(県食と暮らしの安全推進課など)(毎日新聞)
富山市保健所は25日、同市桜町の飲食店Aで22日に食事をした38人が下痢や吐き気、発熱などの食中毒症状を訴えたと発表した。患者は20〜50歳代の男女で、うち1人が入院中だが、いずれも症状は軽く全員快方に向かっているという。同保健所は25日から3日間、同店を営業停止処分とした。 同保健所によると、22日に同店で富山県内の2グループの54人が、刺し身や岩ガキ、鶏のみそ漬け焼きなどを食べ、うち38人が23〜24日に発症した。 今年に入って富山県内で発生した食中毒は、6件目。【青山郁子】(毎日新聞)
【平良】平良市内の鉄工所で、数年前から鉄製品ではなく黒糖が製造されている。その変わった工場の名は「宮里鉄工所」で、製糖期の1月から3月ごろの週末には「製糖工場」へと早変わりし、販売先の菓子店などで好評の濃厚な味わいの黒糖を製造する。 社長の宮里昌行さん(70)は「黒糖は健康食品として注目されている。勉強を重ねてもっとおいしい黒糖を作りたい」と意欲を見せている。 これまで鉄工所一筋だった宮里さんだが、不況で仕事が減ったため一念発起し、友人たちとともに黒糖作りを始めることを決意。まったくの素人だったが、製糖技術を持つ地域の古老の手ほどきを受けて5年ほど前からサトウキビ作りを始め、今年の1月からは本格的に黒糖を製造できるまでになった。 おいしい黒糖作りの秘けつについて宮里さんは、「糖度の高すぎるキビも、低すぎるキビも駄目。中間ぐらいの糖度のキビで作ると味わい深い甘みが出てくる」と語る。実際に宮里さんたちの作る黒糖は濃厚で、口に含むとゆっくり溶けていくような味わいが楽しめる。 市内の道路に面した工場からは作業中、白い煙と甘い香りが漂い続ける。熱気のこもる工場内では、数人の作業員がサトウキビの圧搾や搾り汁の煮込み、こん包作業を黙々と進めていた。 宮里さんは「味には自信がある。今後は年間に1トンは製造できる体制を整えたい。多くの人に健康に良いおいしい黒糖を食べてほしい」と熱く語っていた。(琉球新報)
子ども生活文化研究会(代表、斎藤哲瑯川村学園女子大教授)は、女子大生の「食」に関する調査結果をまとめた。首都圏の5女子大計808人から回答を得た。 「朝食を毎日食べる」は67%で、朝食をとらない理由は、「起きるのが遅く時間がない」が51%、「食欲がない」23%、「理由はないが習慣化している」16%と続いた。ビタミン類などサプリメントの摂取の状況では、全体の約3割が摂取していることがわかった。回数は「ほぼ毎日」12%、「週に2〜5日」7%、「週1日」9%など。理由は、「栄養補給」が76%と最多で、「持病予防」「ダイエット」がともに18%だった。(毎日新聞)
県は22日、平時から食の安全に対する危機管理体制を整えるため「食の安全危機管理チーム」を県食品安全会議の直結組織として設置した。 県食品安全課によると、同チームは食の安全にかかわる保健福祉課、農政課、食品監視課など主要11課のグループリーダー17人で構成。平時から、危機対応事例を検証したり、他県での危機状況などの情報を収集、共有化することなどで、食品の安全への危機意識を高めるのが狙い。緊急時には、これらの積み重ねを生かして、担当課を側面的に支援し、万全の初動対応が実施できるようにするという。 食品安全課は「危機管理は実際に動かなければ意味がない。チームを設置することで危機管理が的確にできるようになる」と説明している。【山田泰蔵】
◇道、毎週検査を指示−−プランクトン監視、全海域に まひ性貝毒の検出のため、4日から出荷が停止されている釧路管内厚岸町産カキ。国の定める規制値を3週連続で下回れば出荷停止が解けるため、27日にも市場に出回る見通しだ。だが、肝心の汚染原因については、海流循環の異変説、外部からの持ち込み説など憶測が飛び交うばかりで、今なお特定されていない。道は今後の監視態勢を強化するが、北海道ブランドを象徴する厚岸産カキだけに、食に対する安全と安心をどう確保するのかが問われている。【丸山博、鈴木勝一】 「なぜ貝毒が発生したのか分からない」 道立中央水産試験場の嶋田宏・環境生物科長は、現地の海水を分析しながら首をかしげた。 貝毒の原因は「アレキサンドリウム・タマレンセ」という植物プランクトンをカキが食べたためと考えられている。しかし、4日以降は一度も検出されず、同じ海域で採られるアサリからは貝毒が出ていない。 このプランクトンは以前から厚岸湾に存在しており、その毒はカキやホタテなど二枚貝の体内に蓄積する。今回、検体50個から検出した毒量は1グラム当たり平均14・3MU(マウスユニット)で、十数個食べると致死量に達するほどの高濃度だった。道水産林務部は検出翌日の5日に海水を緊急採取して調べたが、プランクトンは見つからなかった。その後も確認されないままだ。 プランクトン増殖の適温は、海水温9〜10度とされ、水温が低い時期は海底の泥の中に休眠状態で潜んでいる。3〜4月上旬の海域の表面の水温は平年並みの0〜1度。海底近くの水温は3〜4度だったと推測される。道水産振興課は「何かの弾みでプランクトンが出現したか、泥の中にいた休眠プランクトンが海流の変化で巻き上げられ、それをカキが食べた可能性もある」とみる。 ◆ ◆ ◆ 厚岸町内では「他県の汚染カキが持ち込まれたのではないか」と指摘する声も上がっている。 厚岸の養殖カキには「シングルシード」「丸カキ」「長カキ」の3種類ある。シングルシードは厚岸の天然カキから稚貝を取って育てられ、「カキえもん」の名称で消費者の人気も高い。これに対し、丸カキは稚貝を宮城県から移入し、厚岸で3〜5年かけて育てる。長カキは、ある程度大きくなった宮城県産の若いカキを厚岸の海で更に大きく育てて水揚げする。 実は、宮城県では3月、県東部や石巻湾中央部など4海域のカキから最高で1グラム当たり34MUもの貝毒が検出された。今月12日までに出荷停止はすべて解除されたが、持ち込み説が流布する背景には、こうした事実がある。しかし、貝毒に詳しい大島泰克・東北大大学院教授(天然物有機化学)は「貝毒に汚染されたカキがあったとしても、1〜2週間あれば毒が抜ける。周辺に原因プランクトンがないと高濃度にならないのではないか」と話し、持ち込み説には懐疑的だ。 ◆ ◆ ◆ 道の基準は、各漁協に対し、貝毒検査を週1回、自主的に行うよう求めている。だが、厚岸漁協は貝毒発生の危険性が低い冬季は月に1度の頻度でしか実施しておらず、貝毒検出の前の検査は3月13日だった。今回、数キロ離れた隣の漁場を管理する昆布森漁協(釧路管内釧路町)が3月29日に実施した検査では、貝毒は検出されなかった。このため、道は「厚岸を含め、この海域は3月29日以前は安全だった」とみている。 道は今月8日、道内の各漁協に対し、基準通りに毎週の検査を行うよう指示。検査をしない場合には出荷を自粛するよう指導した。 また、プランクトン監視地域の見直しにも着手した。現在、監視しているのは、道内19海域のうち、カキの100倍の水揚げ量を誇るホタテが生産される10海域のみだったが、5月以降は全海域で行うことを決めた。 大島教授は「プランクトンは少量でも貝は毒化する。貝毒は防ぐことはできないという立場で、検査地点や検査の頻度を工夫し、毒化した二枚貝が市場に出回らないようにすることが重要だ」と提言している。 ……………………………………………………………………………………………………………………… ◇地元経済に打撃−−風評、ブランドに傷 釧路管内厚岸町では、貝毒発生による出荷停止で、経済的影響が少なくない。今後、傷ついたブランドイメージを回復できるのか。関係者は不安を募らせている。【鈴木勝一】 水揚げされたばかりの地元産水産物を扱う厚岸漁協直売店。カキ出荷停止を知らせる紙が張られ、中央の水槽にはカキの代わりにツブ貝が並ぶ。 加藤大将(だいすけ)店長は「カキの売り上げは全体の20%しかないのに、(他の海産物の売り上げにも影響があり)落ち込みはそれどころではない」と表情を曇らせた。 飲食店の損害は、さらに深刻だ。厚岸産カキを看板にする道の駅「厚岸味覚ターミナル・コンキリエ」は、7日から広島産カキを出しているが、「少なくても1日に10人以上来る炭焼きコーナーに、1人しか来ない日があった」(小寺勉支配人)と嘆く。 今月は出荷停止に伴う回収・廃棄コストが約300万円。さらに、仲買、加工、運送、販売、飲食店などの損害を加えると、「町内全体の経済的損失は6000万円を超える」(町)と予測される。 ◆カキえもん 厚岸の地名は、アイヌ語で「カキのあるところ」を意味する。真水と海水が混じり合う厚岸湖は、カキが育つのに最適な環境だ。 厚岸湖で養殖が始まったのは1930年。20年ほど前、稚貝を岩礁にまく「地まき式」から「垂下式」に切り替え、厚岸湖と厚岸湾の水温差を利用して産卵時期をコントロールすることで、1年中出荷できる体制を整えた。養殖場も広がり、生産量は10年前から飛躍的に増加。町内のカキ養殖業者は148軒に達し、昨年の水揚げ量は559トン、金額ベースで4億6088万円まで伸びた。 また、自前で稚貝を育てようと、99年からは厚岸湖の天然カキから種苗を採取して育てる「シングルシードカキ」の生産に乗り出した。04年秋に「カキえもん」のブランド名で本格的に売り出すと、人気が沸騰。札幌や東京のレストラン、ホテルなどに販路が拡大し、もはや一地方の名産品という域を超えた存在になっている。 同漁協養殖部会の笹原明美部会長は「東京は世界各地のカキを出すオイスターバーが増え、カキえもんが一番人気という店もある。厚岸のカキはおいしいという話が広まってきたところだったのに」と、今後の影響を心配する。 ◆悪い印象 「貝毒は時間がたてば消えるが、悪い印象は消えない」。養殖業者の男性は、悲痛な思いと怒りをあらわにした。 町産業振興課の大崎広也課長は「道外ではカキ貝毒は珍しくないのに、反響が大きすぎる。厚岸カキが全国的に有名になっていた証拠だが、これからブランドイメージを回復させないと損害はさらに広がり、町の税収にも影響する」と懸念する。 町は5月中旬、「あっけし桜まつり」を開く。毎年1万人以上の観光客が訪れ、カキに舌鼓を打つ人気イベントだ。町商工会の広田明男・事務局長は「厚岸のカキは産卵前に身を太らせて栄養を蓄える5月が一番おいしくなる。桜まつりにたくさんの人が来てくれれば、イメージ回復につながる」と期待している。 ……………………………………………………………………………………………………………………… ■ことば ◇MU(マウスユニット) 毒量を示す単位の一つ。1MUは体重20グラムのマウスを15分で致死させる量に相当する。人間の致死量は3000〜4000MU。国の基準によると、生産・出荷が許可されるのは二枚貝1グラム当たり4MU未満。これを超えた二枚貝が見つかった場合、その海域の当該二枚貝を販売すると食品衛生法違反となる。むき身のカキの重さは約15グラム。(毎日新聞)
県食品安全・衛生課は22日、別府市の児童福祉施設に入っている3〜14歳の児童・生徒ら15人が発熱や下痢など食中毒に似た症状を訴え、医療機関の診察を受けたと発表した。入院患者はおらず、全員ほぼ回復したという。食中毒と見られる集団発症は県内で今年初めて。 15人は18〜20日にかけて高熱や下痢などを訴え、うち7人からカンピロバクター菌を検出した。この菌は、食肉からまな板などを介して食品を汚染するケースが多いという。児童らはこの施設で調理された料理を食べていたが、原因となった食品はまだ特定されていない。別府県民保健福祉センターは20日、施設側に当面調理を行わないよう指導した。【藤原弘】(毎日新聞)
肥満、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が増加する現在、油脂やエネルギーの過剰摂取がわが国でも問題になっています。でも、あぶらを一切つかわない食事はおいしくありません。脂溶性ビタミンの供給源としても油脂食品は大切です。生活習慣病の予防を目的とした新しい油脂食品の開発がすすめられているのもこのためです。 卵はだれでも知っているように、完全な栄養素を含む食品の王様です。親鳥が卵を温めている間、卵の中では、雛(ひな)が卵の栄養素を使って成長します。もし、一つでも必要な栄養素が欠けていたら、無事に卵から雛がかえることはないでしょう。雛にとって完全な栄養素を含む卵でも、私たちの食品としてみるとき、もっと適切な栄養成分を含む卵、私たちの生活習慣病を防ぎ、健康の増進に役立つ食材に改善できないだろうかと考えてしまうのが、私たち研究者です。私は脂質栄養学の研究者ですから、脂質栄養にかかわる卵の改善にも関心を持っています。現在、すでにビタミンEやビタミンDの強化卵、お魚に含まれるn−3系高度不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の強化卵が市販されています。また、コレステロール含有量の低い低コレステロール卵などもあります。 鶏卵は一般に100グラム当たり420ミリグラム程度のコレステロールを含みますが、EPAやDHAの強化卵は335ミリグラム程度で、低コレステロール卵です。最近では300ミリグラムを切ることも可能です。EPAやDHAを多く含み、コレステロール含有量の低い卵は、動脈硬化や虚血性心疾患の発症を抑制する機能性食品と言うことができるでしょう。食品は人を病気にすることはありませんが、人は食品の摂(と)り方で病気になることがあります。極端に偏った食事をすることなく、家族や仲間たちと笑顔で、楽しい食事をとるように心がけてください。(毎日新聞)
トラフグの肝を養殖方法の工夫で無毒化し、食べることができる「フグ肝特区」を佐賀県と同県嬉野町が申請している問題で、フグ肝の安全性を検討する食品安全委員会のかび毒・自然毒等専門調査会が20日開かれ、安全性評価のためのデータが現時点では不十分として、特区を事実上認めない報告案をまとめることでほぼ合意した。 これまでの議論で委員から「フグの毒化のメカニズムが明確でない」などの疑問の声が相次いだのに対し、佐賀県側が追加資料を提出。しかし、データが十分でないとする意見が大勢を占めた。 佐賀県側はフグ毒は海底の細菌類で作られ、食物連鎖を通じ最終的にフグの肝臓に蓄積するため、食物連鎖を断てば無毒のフグが育つと主張。(共同通信)
長泉町の小中学校5校で19日、あしたか牛を使った給食が初めて出された。この日のメニューは「すき焼き煮」で約3500食が用意された。 同町給食センターによると、牛肉を使ったメニューは高価なため、14年前から出されておらず、BSE問題もあって給食に使うことは難しかった。しかし、地元産のあしたか牛は02年6月から、生産者が確認できるトレーサビリティーを県内で初めて確立するなど、安全性が高く「地元のおいしいものを子供に食べてもらいたい」との考えから、今回の給食となった。 同町下土狩の長泉中学校(西山誠蔵校長、生徒数594人)でも、生徒たちがあしたか牛を味わった。同中1年、稲葉絢さん(12)は「給食とは思えないくらい」と笑顔だった。【鈴木英世】(毎日新聞)
千葉市保健福祉局は18日、千葉市稲毛区園生町の飲食店Aで食事をした6人が食中毒を起こし、この6人からノロウイルスが検出されたと発表した。同局は同店を18日から3日間の営業停止処分にした。 同局によると、6人は今月7日夜、同店で飲食。翌日には全員がおう吐や下痢などを訴えていた。男児1人(2)が入院したものの、いずれも快方に向かっているという。料理として出された「しじみの醤油漬け」が原因とみられる。【山縣章子】(毎日新聞)
仙台市は18日、同市青葉区の50代の女性が山菜と有毒植物「コバイケイソウ」を間違えて食べ、食中毒になったと発表した。吐き気や脱力などの症状を訴え入院しているが、快方に向かっているという。 女性は17日、大和町周辺の七ツ森で採取した山菜をてんぷらやおひたしにして食べたところ、食中毒の症状を訴え、救急車で同区内の病院に搬送された。 保健所で山菜を調べたところ、猛毒のコバイケイソウが原因と断定した。食用の「オオバギボウシ(ウルイ)」と外観が似ているため、間違えて食べたとみられる。【山寺香】(毎日新聞)
厚労省は、高齢者や乳幼児、障害者らが集団で利用する社会福祉施設に対し、一定以上の感染症や食中毒の疑いが施設内で発生した場合、保健所と地元自治体への報告を義務付けることを決めた。今年度中にも各施設の運営基準を改正し、規定を盛り込む。社会福祉施設での集団発生増加を受け、早期対応を徹底するのが狙いだ。(毎日新聞)
県は15日、三沢市大町の飲食店Aで食事をした9人が食中毒にかかったと発表した。 9人は8日夜に同店で刺し身や豚のしゃぶしゃぶなど食べた後、下痢や腹痛を訴えた。患者の便から食中毒菌カンピロバクターが検出されたため、食中毒と断定した。9人の症状は快方に向かっているという。県は食品衛生法に基づき、15日から19日まで同店を営業停止処分にした。 県内で今年発生した食中毒は3件、患者は45人になった。(毎日新聞)
福島県会津本郷町の第三セクターの農業生産法人「米夢(まいむ)の郷」=社長・山田太藏町長=は、町内産コシヒカリを使った発芽胚芽米の開発・商品化に成功、今月下旬から販売する。健康食品として注目される発芽米の食味を、新潟産と並ぶブランド、会津産コシヒカリを用いることで大幅に向上させたのが特徴だ。 商品名は「白い発芽胚芽米」。発芽玄米から胚芽を残してぬかを取り除いた。ビタミンやミネラルなどの栄養分をほとんど損なわないまま、より白米に近い食味が得られ、消化吸収も良くなる。 胚芽に含まれるアミノ酸の一種「ギャバ」は、血圧降下や脳細胞の代謝促進、肥満防止などに効果があるとされる。発芽させることでギャバの量は増加するが、加工段階で米粒に割れが生じやすいという問題があり、割れを防ぎ、品質を一定にするのが課題だった。 米夢の郷は、天童市のメーカーが開発した機械を導入し、精米時のコメの水分含有量を発芽前と同じにするなどの工夫を重ね、この問題を解決。発芽胚芽米の量産も、全国で初めて可能にした。 本年度は、町の年間コシヒカリ生産量の4分の1に当たる720トンを、発芽胚芽米として売り出す計画。小売価格は1キロ当たり1000円程度になる見込みだが、既に関東や関西の外食チェーンから引き合いがある。米夢の郷は「高い付加価値のあるコメを売っていくことで、生産者により大きな利益を還元したい」と、期待を込めている。(河北新報)
埼玉県と神奈川県の野菜、果物卸売業者が、化学肥料や農薬を一定期間使わずに作った「有機農産物」にだけ付けることのできる「有機JASマーク」を、そうではないレモンやオレンジに付けて出荷していたことが14日、農林水産省の調査でわかった。 同省は、日本農林規格(JAS)法に違反するとして、これらの業者の、有機JASマーク表示業者としての認定を取り消す方針。 同省によると、A社は2003年4月〜04年8月の間、有機農産物ではないレモン90万個に有機JASマークを付けて出荷。B社は03年6月〜04年9月、同じようにしてオレンジやレモン、グレープフルーツ計25万個を出荷していた。 同省が実施した店頭調査で、有機農産物では使われるはずのない殺虫剤が微量ながら検出され、立ち入り検査で不正が発覚した。ただ、出荷された果物は、一般の農産物としての品質には問題がないという。 2社は、輸入業者などから仕入れた有機農産物の果物を小分けにして、有機JASマークを付けて出荷する「小分け業者」の認定を受けていた。(読売新聞)
◇無農薬、添加物なし 朝来市山東町の住民グループ「源菜倶楽部(げんさいくらぶ)加工部」(松本鋭治(まつもとえいじ)部会長、9人)の手作りこんにゃくが、県認証食品に選ばれた。農薬や添加物を使わない製法が、安全性の高い「健康食品」と認められたもので、部員らは「これからも安心して食べられるこんにゃくを作りたい」と張り切っている。 加工部は、旧山東町の「よふど温泉極楽湯」の入湯客増を目指し、00年12月から温泉隣接地で野菜などの販売を始めた源菜倶楽部内の組織。こんにゃく作りは03年から始めた。 製法は、地元産こんにゃく芋をミキサーで砕き、水と炭酸ナトリウムを加えるだけ。約2時間で作れるという。 もっちりした食感と、添加物などを使わない安心さが好評で、昨年は270グラム入りの「生こんにゃく」(250円)と、150グラム入りの「わさびこんにゃく」(150円)計3800袋を製造。袋に部会員の写真を付け、同温泉のほか、スーパーなどで販売した。また、4小・中学校の給食にも採用されている。 一方、県認証食品は、安全・安心な食環境づくりを推進する県の「ひょうご食品認証制度」に基づき、安全・安心のほか「個性・特長」などを考慮して選ぶという。 部会員の太田八千代(おおたやちよ)さん(71)は「より責任を感じるが、やりがいがあります」と喜ぶ。松本部会長も「但馬の特産品を目指すとともに、今後は新製品も開発したい」と意欲を見せている。【吉川昭夫】(毎日新聞)
◇テンペを日本の食卓に−−2種類の十勝産大豆使い インドネシアの伝統食品「テンペ」の普及に力を入れている。テンペは大豆を白カビのテンペ菌で発酵させ、豆が固まった白っぽい板状の食品。食感はチーズに近いが、納豆のような粘り気やにおいはない。大豆に含まれるイソフラボンが吸収されやすく、コレステロール値の低下のほか、骨粗しょう症や糖尿病の予防に効果がある健康食品だ。林敬貴工房長(42)は「日本にはみそや納豆など大豆発酵食品の文化があり、その仲間入りができればうれしい」と期待を寄せる。 同社は、神奈川県相模原市で国産大豆にこだわった豆腐作りをする影山治雄社長(56)と、知り合いの林さんの2人で設立。十勝産の無添加ニンジンジュースの製造からスタート。その後、大豆に手を広げ、「手作り」「無添加」をモットーに、十勝産大豆と島根県産の古式しょうゆを使った煮豆、甘納豆などを販売する。 「テンペという健康にいい大豆発酵食品があるので研究してほしい」。03年末、影山社長の一言で、研究が始まった。独立行政法人「北海道農業研究センター」(十勝管内芽室町)の助言を受けながら、製品化にこぎつけた。ゆでた大豆にテンペ菌をかけ、温度管理に気を配りながら22時間かけて発酵させる。テンペ菌は雑菌に弱いため、社員は納豆禁止。原料は、イソフラボンの含有量が多いとされる十勝産の「音更大袖」と「とよまさり」の2種類だけ。 テンペはほとんど味がなく、そのままではおいしくないが、くせがない分、どんな料理にも合う。林さんは「食材の一つとして、カレーやチャーハン、みそ汁などに入れてもいい」と話す。なじみの薄い食品だが、帯広市在住の料理研究家、村田ナホさんのレシピを紹介した本が4月末に出版される。 林さんは「これからも十勝産食材にこだわり、食べた人の体が喜ぶような製品を作っていきたい」と張り切っている。【立松敏幸】毎日新聞
理想の朝ごはんは友達と食べたい−−農水省などで組織する「朝ごはん実行委員会」が小学5、6年生を対象に、「理想」と「現実」の朝食風景を絵で描いてもらったところ、こんな結果が出た。今年2月に、首都圏の小学生計50人に実施した。 理想の朝食として描いた絵で最も多かったのは「友人」と一緒に食事する風景で28人(56%)と半数を上回った。次いで、14人(28%)が「家族」を描いた。「1人で」も5人(10%)いた。 アンケートでは7割が「家族一緒に」を理想に挙げ、描く絵と違う結果に。朝食時に会話が「よくある」のは14人(28%)、「ときどきある」が28人(56%)、「ほとんどない」が8人(16%)だった。 「よくある」と答えた子供は、理想と現実の絵に描いた人数が一致、「ほとんどない」子供は理想の人数が増える傾向がうかがえた。 調査した臨床心理士の室田洋子・聖徳大教授は「独りで食べる『個食』が一般化する一方、本音では、友達と食べる時のように楽しい、人とのかかわりを食卓に求めているのではないか」と話している。【大道寺峰子】毎日新聞
◇三ツ星シェフ参入、献立100通り 「まずい」「冷たい」とサービスの悪さを象徴してきた入院患者の食事。患者本位のサービスのために病院食の改善は欠かせないが、脇役だった「食」を手術や投薬と同じ治療の一環として位置づけ、成果を出す病院が現れ始めた。 ◇好物で心身活性化 聖隷(せいれい)佐倉市民病院(千葉県佐倉市)の病院食は、3食とも100通り以上の組み合わせから料理を選べる。系列の聖隷三方原病院(静岡県浜松市)の栄養管理が入院日数の減少など成果を出していたため、昨年3月から始めた。例えば、夕食の主食は「米飯、全かゆ、パン、おにぎり、めん」、昼食のおかずは「鶏もも酒蒸し、魚マスタード焼き、白身魚焼き」、昼食のデザートは「甘夏缶、キウイフルーツ、メロン、りんご、モモ缶」と選択肢は豊富。患者は前々日の夜に配られる献立リストから、好きな料理を注文する。病状など個人データを基に、必要なエネルギー量や塩分などを算出。かむ力や飲み込む力も考慮し、適量の食事を、その人に合った食べやすい状態で出す。 石井りいさん(92)は昨年12月、腰つい症などで入院した。初めは点滴で栄養を取っていたが、2月中旬から自分で食べられるようになった。二男勇さん(63)は「管理栄養士さんが毎日病室に来て、食べた量や希望を聞いてくれる。口から食べるようになって、口数が多くなり、床ずれもほぼ消えた」と喜ぶ。栄養科長の金谷節子さん(60)は「口で食べ、おいしいと感じることが心と体を活性化する。平均入院日数は9カ月間で36日から18日に半減しました」と話す。 ◇経費削減効果も この病院のように、管理栄養士と医師、看護師、薬剤師がチームをつくり、入院患者の栄養を管理する施設が増えている。NST(栄養サポートチーム)と呼ばれ、70年代に米国で始まり、日本では90年代後半以降に広まった。325施設(2月末現在)が導入している。 米国でNSTを学んだ藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の東口高志教授(48)=外科学・緩和ケア講座=は「栄養管理がおろそかだと、どんな治療法も効果が出ない」と指摘する。東口教授が00年に導入した尾鷲総合病院では、約2年後に床ずれ発生率は15%から3%に激減。平均在院日数も21日から16日に減った。点滴の乱用や無駄な食費が抑えられ1億4000万円の経費が削減できた。東口教授は「医療の質を上げ、経済効果も期待できる。もちろん患者サービスの向上にもなる」と話す。 ◇プロが素材厳選 “三ツ星フレンチシェフ”として知られる三國清三(きよみ)さん(50)は、5月9日に開業するクリニック「四谷メディカルキューブ」(東京都千代田区)で、病院食と院内レストラン「ミクニ マンスール」の食事を手がける。医師や栄養士ら7人とチームを組みメニューを検討中。三國さんは「病院食はおいしくない、という不満をよく聞く。でも病院での栄養管理こそ重視すべきだ。塩分や油の量など制約は多いが、素材を厳選し、プロの腕で、においや食感など五感に訴える新しい病院食を作りたい」と意欲的だ。【清水優子】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇年々進む「お任せ」傾向 NSTへの関心が高まる一方、病院食を外部委託する病院も増えている。患者の食事サービスへの姿勢は二極化している。 医療関連サービス振興会の03年度調査によると、全国714病院のうち、病院食を外注しているのは54%。初回調査の91年は20%で、外部への「お任せ」傾向は年々進んでいる。病院側は外注について、「満足」(12%)、「やや満足」(49%)と評価が6割を超え、外部委託は今後も増えそうだ。 一方、患者1539人に「病院食で重要なこと」(複数回答)を挙げてもらったところ、「食事の選択制度」が最も多く66%。次いで▽適切な温度59%▽カフェテリア方式の食事56%▽おやつの選択31%▽自宅と同じ食事時間27%▽食器の改善25%▽盛り付けの工夫23%−−などが続いた。毎日新聞
道民の死因ですい臓がんや大腸がんが全国平均に比べて突出して多いことが北海道健康づくり財団の調査で分かった。10年前の調査との比較では全国平均に近づく傾向はみられるが、同財団は「バランスの取れた食生活を心がけてほしい」と助言している。 死亡率は年齢によって違いがあり、年齢構成は地域ごとに異なる。このため、同財団は試験の偏差値と同じような指標を使い、市町村や道全体の死亡率を算出した。 その結果、全国平均を上回ったのは男女とも、がんと心疾患で3〜6%高いことが分かった。これに対し、脳血管疾患は男で7%、女で9%下回った。 がんを部位別にみると、すい臓がんは男が24%、女が23%も全国平均を上回り、大腸がんも男が9%、女が10%高かった。これに対し、胃がんは男で6%、女で9%全国平均を下回った。 一方、93〜02年に実施した調査と比較すると、全国平均との格差はすい臓がんで男が6ポイント、女が8ポイント縮小し、乳がんも1ポイント改善された。 すい臓がんや大腸がんは欧米人に多く、肉食を中心とした欧米型の食生活との関連が指摘されている。厚生労働省の国民栄養調査によると、道民1人当たりの動物性食品摂取量は、全国平均より約7%高い状態が続き、欧米型の食生活に近い。 調査を担当した西基・道医療大教授(公衆衛生学)は「北海道では欧米型の生活様式が開拓以来受け継がれ、京都のような和食の伝統がない。全国的に欧米型の食事になり格差は縮小しているが、地域に応じた保健政策に取り組むことが重要だ」と話す。【田中泰義】毎日新聞
10日、仙台市青葉区の69歳の女性が病原性大腸菌O157に感染したと発表。6日から発熱などの症状を訴え、7日に同区内の病院へ入院。症状は快方に向かっている。県内のO157感染者は今年度初めて。(仙台市保健医療課)(毎日新聞)
食の安全・安心を求める動きが北陸で具体化してきた。食品衛生法の改正以降、厳格な衛生管理法HACCP(ハサップ)で独自の認証制度を設ける自治体もあり、食品を扱う事業者も消費者も無関心でいられない。小規模事業者からは徹底した管理まで手が及ばないとの声も出ており、技術支援や人材育成が求められている。 食品衛生法の改正を受け、石川県や富山県は昨年度から、食品衛生監視指導計画を策定している。検査対象となる施設を重要度別で四ランクに分け、立ち入り検査の回数も設定。石川県では最上級のAで年六回、Bは三回、Cは一回、Dは三―五年に一回としている。 金沢市は今年度から、全国水準より厳格な自主衛生管理のガイドラインを設ける。ガイドラインに沿って事業者が独自にマニュアルをつくり、市が認証する仕組みだ。福井県は「食品衛生自主管理プログラム認証制度(HACCP認証制度)」としていち早く取り組み、今月から受け付けを開始した。 管理を徹底するには専門知識や技術も必要なため、事業者だけでは対応できないとの指摘もある。 アルプ食の安全研究所(金沢市)の横山理雄所長(石川県立大名誉教授)は「機械や設備、包装材料など関連業界も食の安全について学ぶことが重要」と話す。自治体、業界が動きだした今こそ、支援体制拡充の必要があるという。 HACCPの普及に産官学で取り組む「北陸HACCPシステム研究会」(理事長・矢野俊博石川県立大教授)は六年前から、HACCPの実務者養成講座を開催し、現在は東京や大阪でも同じカリキュラムで講座が開かれている。 アルプ食の安全研究所は、システム研究会と連携して講座の充実を図るほか、技術指導も強化して需要に応えていく方針だ。
仙台市は8日、仙台市泉区のサッカークラブに所属する男子中高生とスタッフ1人の計53人が食中毒になったと発表した。そのうち1人が入院、37人が通院し下痢や発熱の症状を訴えていたが、現在は全員快方に向かっているという。患者からは「カンピロバクター菌」が検出された。 同クラブは計88人で3月24〜31日にかけて、滋賀、京都、大阪、兵庫の各府県に遠征。53人が29日から今月2日にかけて相次いで発症した。遠征中の宿泊先やレストランでの食事が原因とみられる。【山寺香】(毎日新聞)
高松市保健所に7日入った連絡によると、同市西ハゼ町の「A店」で、1日の昼食にうどんなどを食べた2グループの男女25人(15〜54歳)が、同日午後7時から4日午前2時ごろにかけて、おう吐や下痢、発熱などの症状を訴えた。入院はしておらず、全員快方に向かっているという。同市保健所は、2グループに共通する食事は同店しかないため、同店を7日から11日までの5日間、営業停止処分にした。 食事は、野菜天うどん、天丼セット、牛丼セットなど多種にわたっており、原因食品の特定などを急いでいる。【内田達也】(毎日新聞)
「除草剤は使っていません。草が生えるままにしているから、栽培時期には最低4〜5回、草刈りをしなくてはならない。昨年は猛暑で特に大変だった」 山梨市牧丘町の中心街から西に6キロの北原地区。標高約800メートルの丘陵地に雨宮和彦さん(70)の巨峰畑がある。 ブドウを本格的に始めたのは11年前。それまではプラスチック加工業と養蚕を営んでいたが、仕事が少なくなり、切り替えた。 「食べる物を作るのであれば、健康を優先させたい。農薬や化学肥料はなるべく使いたくない」。農薬を減らすとブドウの出来に影響する可能性が大きい。だから決して無理をせず、「安心感」を第一に栽培方法を工夫してきた。 雨宮さんはまず、除草剤を使わず、雑草を生やしたままにする「草生(そうせい)栽培」を取り入れた。草が伸び放題になり、草刈りの手間がかかるが、土壌の流出を防ぎ、刈った後は土に返り肥料になる利点がある。このやり方は最近、牧丘でも増えてきた。 木に散布する農薬も回数を減らし、しかも効果を引き出す方法を模索している。「どうしても使わなくてはならないものは使う。その時期を逃さないことが大事」。適切な時に少ない回数で効果的に病害虫を防ぐ。一般的な使用量の3分の2に減らすのが目標だ。 化学肥料も極力控える。茶がらと鶏糞(ふん)を発酵させたたい肥や、有用微生物のEM菌に米ぬかなどを混ぜた「ぼかし」を作り、畑に入れている。 昨年は収穫した巨峰のうち8割を農協を通じて出荷。残りの2割は1キロ700円で、宅配便で販売した。 今年、新たに考えているのが、使った農薬や肥料の表示だ。宅配便で送る際に、農薬名や使用回数を書いた説明文を付けることで買ってもらう消費者にも分かりやすくする。 牧丘には雨宮さんのように減農薬、減化学肥料栽培に取り組む農家でつくる「牧丘町有機農業研究会」がある。雨宮さんも会員の一人だ。 「食の安全は農業の基本。安心できておいしいものを作ろうと頑張っている。そのことを理解してもらえる消費者がぼつぼつ増えてきた」と会長の樋田朝英さん(71)。会員たちは「安心」を目指す活動に手応えを感じ始めている。(毎日新聞)
県は6日、鳴門市の小鳴門海峡で採取した天然のカキから、下痢などの原因となる貝毒が検出されたと発表した。出荷自主規制の目安となる国の基準値の約2倍の量で、同市内の6漁協に二枚貝の出荷の自粛を要請した。付近は県のホームページで紹介されるなど、潮干狩りスポットとして人気が高く、県は潮干狩りを控えるよう呼びかけている。 貝毒の検査は県水産研究所が定期実施しており、小鳴門海峡や橘湾(阿南市)など沿岸3カ所で先月末に採取したカキを、食品環境検査協会神戸事業所(神戸市)で分析したところ、5日に、小鳴門海峡のカキから、1グラム中から0・1マウス・ユニットの下痢性貝毒を検出した。1マウス・ユニットの貝毒は、体重20グラムのマウスが24時間以内に死亡する量で、人間の死亡例はないという。 下痢性貝毒は毒を作るプランクトンを貝が食べて蓄積されるが、先月24日にウチノ海(鳴門市)で実施されたプランクトン調査では、1ミリリットル中0・01個体とほとんど発生しておらず、県水産課担当者も「原因不明で、驚いている」と話している。【植松晃一】(毎日新聞)
愛・地球博(愛知万博)や中部国際空港が話題になり、経済の活況が熱い視線を集める名古屋。以前はマイナスイメージで語られがちだった地域性も、最近は一気に好感度を上げているのだが、その習俗はやはりフシギに満ちている。【本橋由紀】 ◇金シャチは“信仰”の対象か? 名古屋といえば、名古屋城天守閣の屋根に輝く「金のシャチホコ」。高さ2・6メートル、重さ1・2トンの1対に、それぞれ約44キロの18金が張られている。シャチホコは一般には火よけのまじないとされる。「名古屋と金シャチ」(NTT出版)の著者、井上章一・国際日本文化研究センター教授によると、天守閣に置かれたのは織田信長の安土(あづち)城が最初。名古屋のシンボルキャラクターとして、Jリーグ・名古屋グランパスエイトはもちろん、土産物やさまざまなデザインに使われている。シャチホコはほかの城にもあるのに、一種の信仰ともいえる名古屋での人気ぶりは何に由来するのだろう。 名古屋市観光推進室の渡辺英一さんは「徳川家康の命で築城以来、財政難の時には鋳つぶされかけたり、戦災で焼失するなど受難の歴史もあっただけに、名古屋人には『特別な存在』という意識があります」と説明する。愛知万博に合わせて開催中の「新世紀・名古屋城博覧会」にももちろん登場。21年ぶりに地上に下りた1対の金シャチが展示され、入場者はじかに触れることができる。「名古屋の人たちは特別な存在に直接触れて、運がつくと思うのでしょう。愛すべき存在としてより身近になっています」と渡辺さん。 その一方で、権威の象徴でもあったシャチに敬意を表する自称「シャチスト」がいる。「シャチストの定義は難しいが『おもちゃ扱いしたらいかん』という古いタイプの人もいます」という井上教授。「84年に開かれた前回の名古屋城博で金シャチが展示された時、背筋を伸ばして拝む人やおさい銭をあげる人もいたそうです」。特に年配の人にとっては畏敬(いけい)の念を抱く、まさに信仰の対象なのかもしれない。 ◇なぜ、みそ味なのか? 名古屋の味の代表格は、みそ煮込みうどんやみそかつ、ドテ煮など。いずれも豆みそをベースにした濃厚な味で、その存在感や重量感は共通している。名古屋育ちで「名古屋人と日本人」(草思社)など、多くのナゴヤものの著書がある出版プロデューサー、岩中祥史(よしふみ)さん(54)は、こうした味の好みについて「名古屋は工業都市だから、と考えるのが一番わかりやすい。エネルギー消費の高いブルーカラーは濃い味でないと納得できないのでしょう。小倉トーストが喫茶店の定番メニューなのも、疲れると甘いものが欲しくなると考えられる」と解説する。さらに「名古屋人は通(つう)にしかわからない隠し味より、真っ黒なみそにみりんもいっぱい入れた味が好き。文字でいえばゴシック体です」と続けたが、「でも、なんでみそ味なんだろうね?」。 名古屋のみそといえば豆みその「八丁みそ」。老舗メーカーの「合資会社 八丁味噌(みそ)」(本社・愛知県岡崎市)によると、その歴史は江戸初期の創業以前、初代早川久右ヱ門勝久がみその仕込みを始めたことにさかのぼる。原料は豆こうじと大豆、塩と水だけで、米や麦を使う場合と違い、たんぱく質を分解しながら熟成する。同社広報担当の太田高司さん(48)は「うまみ成分が多く、加熱してもうまみが逃げない。徳川家康が江戸に広めなかったのは不思議ですが、中京圏の閉鎖的な土地柄も影響したのでは。なぜ名古屋でみそ味が好まれるのか? よく聞かれるんですが、明確な答えは……」。 創業80年のみそ煮込みうどんの老舗「山本屋総本家」(名古屋市中区)の飲食店部門代表、小松原克典さん(47)にも聞いてみると「どこの地方にも独特の食文化がある。名古屋の人間も、豆みそのコクと香りに小さい時から慣れ親しんだのでしょう。DNAですかね」と笑った。わかったような気もするが……。 ◇嫁入り道具をレンタル? 名古屋は冠婚葬祭が派手なことでも知られる。堅実な暮らしぶりの半面、特に「嫁入り」に金をかけることは全国的にも有名だ。財産分与の一環という考え方もあるという。とはいえ、だれもがそんなに大金をかけられるはずはないと思うが「レンタルの嫁入り道具」があるらしい。家具などの実用品を一時的にレンタルする意味がよくわからないが、本当だろうか。 岩中さんは「あっても不思議ではありません。名古屋の人は世間のスタンダードに合わせたいという心理が強いから、ご近所がやるように自分もやりたいと考える。見えを張るんです」と説明する。 松坂屋名古屋本店の宣伝広報担当に聞くと「少なくなってはいますが、伝統的な家柄ではお嫁さんのご実家で親類や近所の人に嫁入り道具を見せます。まずご実家でお披露目し、改めて吉日に新居に運び直すのです」という。だから、見せるだけのレンタル道具も成り立つのか。 担当者はさらに「鏡台から運び入れます。女性にとって命の次に大事なもの、魂のこもったものとして考えられているからです。これは絶対に守ります。作り付けの家具が増え、お道具の選び方はまちまちですが、鏡台はほとんどの方がそろえます」。魂がこもった鏡台……。鏡台のない我が家には計り知れない奥の深さを感じる。 創業60年の「服部家具店」(名古屋市中村区)の企画担当、内藤章文(あきふみ)さん(43)も「20年ほど前は約半数のお客様が嫁と婿の実家両方で嫁入り道具をお披露目しましたが、今は1割もないかもしれません。最近の住宅事情と若い方の価値観の変化に伴い減ったのでしょう。家具を配送する際、お嫁さんの服などを家具に入れて新居に運ぶサービスはしていますが、レンタルは聞いたことがありませんねえ」と言う。いくつかのレンタル業者にも聞いたが同様の答えだった。 「レンタルの嫁入り道具がある、といううわさがあっても不思議じゃない」と語られるところに、この街のフシギを一層感じる。(毎日新聞)
家庭や学校などから出る食品廃棄物は、年間約2000万トンに上る。子どもたちの偏食や食べ残しを減らそうと、学校現場でさまざまな試みが始まった。「食べ物の命をいただく」もったいなさは、21世紀の子どもたちに伝わるだろうか。【斉藤希史子】 ◇作り手の顔が見える関係を 「いただきます!」。窓外に田園風景が広がるランチルームで、給食の時間が始まった。栃木県芳賀(はが)町の芳賀北小学校のランチルームと調理室の間には仕切りがなく、「給食のおばさん」たちの働く様子が見渡せる。壁には、野菜など食材の提供者の笑顔の写真が張られていた。 新6年生の大森万乃(まの)さんはニンジンが苦手だったが、「作る人の顔や苦労を知ってからは、頑張って食べています」と話す。 同町は04年度、文部科学省の指定を受け、食育推進事業に取り組んだ。給食のコメはすべて、野菜や果物も30品目以上が地場産だ。協力農家は“農家の先生”として学校を訪れ、子どもたちと一緒に給食を食べたり農園で指導したりする。 ある子どもは昨夏、畑へ見学に行きトマトを1個もらった。それまでトマトが食べられなかったその子は、宝物のように持ち帰り、初めて丸かじりしたという。子どもたちが自ら「ニンジンゼリー」をはじめとする「苦手克服メニュー」を考案するなど、積極的な動きも出てきた。 同小でアンケート調査したところ、04年5月時点で「給食をいつも残さない」と答えた子どもは37%だったが、12月には62%に。小林和男校長は「食べ残しはもったいないし、偏食で健康を損ねたら、体ももったいない。子ども時代に食べ方の基本を身につけることは、生き方をも決定する」と食育の重要性を語る。 ◇自分も自然の環の中の一員 食育活動の背景には、「環(わ)の町はが」をうたい文句に同町が取り組む「循環型社会の形成事業」がある。町内の生ごみを集めてたい肥を作り、それで育てた野菜を学校給食に提供し、再び残飯を回収するサイクルが出来上がっている。 中心になったのは、ナシ園経営の小久保行雄さん(41)。有機肥料を作り始めたのがきっかけで、農家や栄養士らと循環システム研究会を結成し、官民がつながった事業に結びついた。「ヒトは動植物の命をいただいて生かされている。自分も環の一員なのだという意識を子どもたちに伝えたい」と話す。 * * * 東京都港区は昨年度、区立の小、中学校6校に生ごみ処理機を設置した。食べ残しを乾燥させて肥料を作り、業者を通じて農家へ送る。「都会ではスーパーに並ぶ野菜しか見られないが、『土』への想像力を刺激したい」と同区学務課。 山形県の県青果物基金は、都市部の学校へ出向いて農作業の実態や流通の仕組みを教えている。「リンゴは嫌い」という子どもも授業の後には、競って丸かじりをするという。(毎日新聞)
道は、北海道の魅力を発信する二つの新しいホームページ(HP)の運用を始めた。道内の郷土料理など「食」に関する情報を集めた「しょくたん〜北の食文化データボックス」(http://www.marugoto.pref.hokkaido.jp/shokubunka/)と、自然や歴史、文化を紹介する「北海道デジタル図鑑」(http://www.hokkaido‐jin.jp/zukan/)で、道は「北海道の魅力を知ってもらうきっかけにしてほしい」と期待している。 「しょくたん」は「北海道食の探検」を縮めた造語で、地産地消とスローフード運動を広げるのが狙い。コラム「味のおもしろ発見」では、戦後に「炊く」「煮る」など9種類もあったジャガイモの調理法が、60年ごろからは「カレーの使用」にシフトしたことを紹介している。 一方、「デジタル図鑑」はアイヌ文化や開拓期の風景、釧路湿原など歴史や文化、自然の約1600項目を豊富な写真と文章で解説している。【丸山博】毎日新聞
湯田町の湯田産業公社(社長、湯沢正・湯田町助役)が、町内で栽培される古代米を練りこんだ「古代米冷麺(れいめん)」を開発し発売を始めた。麺が青みがかった灰色をしているが、動脈硬化を予防するアントシアニンなどが含まれ、健康に配慮した冷麺になったという。 公社は昨年6月に「古代米うどん」を発売しており第2弾。古代米にはアントシアニンのほか、血液中のコレステロールを減らすナイアシンや、貧血・白内障の予防効果があるビタミンEなどが含まれており、栄養効果に着目し栽培する農家が町内にいる。 粉砕した古代米を5%の割合で麺に混ぜた。「混ぜ過ぎると黒くなる。少なすぎると中途半端に色がつく。その割合に苦労した」と担当した高橋昌幸・生産課係長(32)は話す。混ぜる割合を決めるまで10回は試食を繰り返したという。味や歯ごたえは普通の冷麺と同じ。 1個2食入りで500円。道の駅錦秋湖など公社直営4店舗で発売を始めたほか、旅館などに販売協力を呼びかけるという。販売目標は年間5000個。問い合わせは同公社(電話0197・82・2211)へ。【石川宏】毎日新聞
大阪市生活衛生課は4日、天王寺区のイタリア料理店「A」で食事した23人が食中毒を発症し、うち9人からノロウイルスが検出されたと発表した。同課は同店を4日から4日間の営業停止処分にした。患者はいずれも軽症。同課によると、先月29日に同店で宴会を開いた住吉区の病院職員約50人のうちの23人が、同30〜31日にかけて腹痛などを起こした。29日に同店で食事した他の客からは、食中毒の報告はないという。【麻生幸次郎】(毎日新聞)
北海道太平洋東部で水揚げされた厚岸産カキから、食品衛生法で定める規制値を上回るまひ性貝毒が検出されたとして、北海道漁業協同組合連合会は4日、出荷を停止するとともに出荷済みカキの自主回収を始めた。健康被害を及ぼす恐れがあるとして、道は消費者に摂取しないよう呼びかけている。(毎日新聞)
県生活衛生課は3日、周南市福川南町の飲食店「A」が調理した仕出し料理を食べた36人のうち、16人が下痢や発熱などの食中毒症状を訴えたと発表した。入院患者はなく、全員快方に向かっている。県は、Aを3日から3日間、営業停止にした。 県によると、患者は25〜58歳の男性15人と女性1人で、周南市にある会社の同僚。30日に同社福利厚生施設内で催した送別会で、刺し身や鶏の空揚げなどを食べた。(毎日新聞)
神奈川県は1日、東海大湘南キャンパスの学生食堂を利用した同大ラグビー部員や付属高校の生徒ら76人が、下痢や腹痛などの食中毒症状を訴えたと発表した。いずれも症状は軽く、快方に向かっているという。県は学生食堂を営業するAに、1日から営業禁止措置をとった。(毎日新聞)
韓国産カキをめぐる産地偽装疑惑に関連し、カキのエラの部分に含まれる微量元素を分析することで、産地を識別できることを、石巻専修大の大越健嗣教授(水産増殖学)が突き止めた。31日に東京都港区の東京海洋大で開かれた日本水産学会のシンポジウムで発表した。カキの採取海域によってDNAに特徴があることも既に明らかになっており、大越教授らはこうした手法と組み合わせ、本年度中に産地識別法を実用化させる方針だ。 大越教授によると、生ガキのうち、汚染の可能性が小さいエラの部分を重視。サンプルを傷つけない「蛍光X線分析法」など2つの手法を用い、2002―04年度に宮城県牡鹿半島の北側と南側、韓国南部の2つの海域の計4地域で採取されたカキのエラに含まれるニッケルやコバルトなどの微量元素を分析した。 その結果、各海域のカキには採取された年度別に元素組成に特徴があることが判明した。数種類の元素の組み合わせから、宮城産と韓国産の採取海域を具体的に見分けることが可能になった。同じ宮城産でも牡鹿半島北側と南側でも元素組成に違いがみられるという。 大越教授は「毎年、特定海域のカキの元素濃度を測定し、データを蓄積すれば、組成パターンから外れたサンプルは、産地偽装の疑いが強いと言える」と強調した。 カキの産地偽装を抑止するため、02年3月に宮城県で表面化した韓国産の宮城産への偽装を教訓に、各研究機関が産地識別研究を進めている。 今年に入って、DNAの塩基配列の特徴から産地識別に応用できることを、独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所(塩釜市)が明らかにした。宮城県水産研究開発センター(石巻市)もカキに含まれる3種類の脂肪酸の割合が、宮城産と韓国産では大きく異なるという研究成果を発表している。(河北新報)