◇好みが異なる関東と関西 おかゆと言えば、あつあつの上に赤紫の梅干しをのせて、梅干しの酸っぱさしょっぱさと一緒に口に運ぶものと思っていたら、今や街中には「中華粥(がゆ)」のチェーン店も目立ち、さまざまなおかゆが登場している。【本橋由紀】 東京・銀座4丁目の交差点から歩いて5分ほど、全国農業協同組合中央会(JA全中)が運営している「お米ギャラリー銀座」の店頭には、「五穀米」「玄米かぼちゃ」「とりがら」など8種のレトルトがゆが並んでいる。客の8割が若い女性で、今年の七草がゆには800個売れたという。 おかゆには缶詰もある。秋田県山本町の「こまち食品工業」が87年に売り出した「こまちがゆ」。米が過剰だった当時、消費拡大のためにとあきたこまちと天然水でおかゆを作って缶詰にすることを思いついた、と高橋隆社長(70)。95年の阪神大震災以降は防災用としてもニーズが増え、全国の倉庫に備蓄されている。「高齢者はもちろん、消化がいいのでダイエットや今の時期は大学受験生の夜食にも利用されています」と言う。 ●薬膳の効能 便利でお手軽なおかゆもいいが、料亭にもおかゆはある。 江戸時代後期の天保8(1837)年にのれんをかかげた京都の懐石料亭「瓢亭(ひょうてい)」では、7〜8月の2カ月間、朝8時から10時まで品書きに「朝がゆ」が載る。お店の名物として知られ、70年の大阪万博の時は毎朝約200人が訪れ、今も祇園祭や大文字焼きの時期には毎日100人前後でにぎわう。 京都らしい逸話が残る。14代目当主、〓橋英一さんは「昔、京都のお旦那(だんな)衆が祇園の町で遊んだ帰りに、芸者さんと連れ立ってまだ閉まっている雨戸をたたいたそうです。お得意さんをお断りするわけにはいかず、おいしいおだしの葛(くず)あんをかけた朝がゆをお出ししたところ、口伝えで評判になり、明治初年から、朝がゆの看板をあげました。わがままなお客さんがあったさかいにできました」と話す。もちろん炊き立てを供する。炊いて10分もすると団子状になるからだという。 おかゆはいつごろから食べられていたのだろうか。北京中医薬大学日本校薬膳(やくぜん)講師の岡本清孝さん(70)は「米文化の先輩である中国では記録が残っているだけでも2000年ほど前に書かれた『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』『黄帝内経(こうていだいけい)』などに記され、6000〜7000年前から食べられていたという説もある」と語る。「老衰を防止し、疾病を治す」「薬を飲んだ後にかゆを食べる」といったことが史料や古代の医学書に見られるという。 その効能は薬膳の観点だが、米は精力がついてエネルギーが蓄えられる食材で、味で言えば「甘(かん)」。栄養補給の力があり、しびれをとったり、痛みをやわらげる。体を温めたり、冷やしたりする食品ではなく、たくさん食べても大きな影響のない穏やかな食品に分類される。これをおかゆにすると体に素直に浸透し、消化する。白いおかゆをベースにゴマや小豆、野菜など、体調に応じた食材を加えると薬膳の効果はアップする。 「朝食がご飯とおかゆではおかゆの方が目覚めが早いという実験結果を見たこともある」と岡本さん。米が崩れるまでふたをあけて炊く「中国粥」は南方系で、大陸の多くでは米のパワー=「氣」を逃さないために、密閉した鍋でおかゆを炊くそうだ。 ●強飯と姫飯 日本ではどうか。 「米の文化史」(社会思想社)などによると、古代日本では米は蒸して食べられていたが、平安時代に陶器が用いられ、米を煮るようになった。蒸して硬い「強飯(こわめし)」に対して煮飯は「姫飯(ひめいい)」(略して「ひめ」)と呼ばれ、これがおかゆに当たる。貴族や僧侶は朝食をおかゆにする習俗を持ち、一般化したという。ただ、平安中期に書かれた「源氏物語」ではおかゆをさして「湯」と呼んでいるが、院政時代の讃岐典侍日記(さぬきのすけのにっき)(1107年)では「粥」の言葉が使われている。さらに室町時代以後、水分の少ない硬めのかゆを「飯(いい)」「ひめ」と呼び、おかゆと呼ぶのは汁がゆをさすようになった。 「かゆ」の語源にはさまざまあり、炊湯(かしぎゆ)、濃湯(こゆ)、食湯(けゆ)、加湯(かゆ)、形緩(かたゆる)などから転じたという。また、かつては地域によって「カイ」(岩手、千葉、大阪、愛媛、鹿児島など)「カエ」(千葉、福井、熊本など)「キャ」(青森、熊本)などと発音された。 ●関西では倹約の象徴 おかゆというと病人食というイメージが強いが、関西では日常食として食べてきた歴史がある。前出の「米の文化史」には、「明治末から大正中ごろまでは京都の町家では必ず朝粥だった」とある。また奈良県農政課によると、熱い茶がゆは胃を荒らすとして、1954年に茶がゆを食べないように呼びかけが行われたこともあるという。 その違いについて食通でもある作家の嵐山光三郎さんは著書「ごはん通」(平凡社)の中で、「江戸時代に入ると、粥は関東で病人や妊婦の食用となり、関西では倹約の象徴となった」と書いている。さらに、「飲食事典」(同)から「関東人は粥を好まず、京阪人が毎朝の常食にするのを吝嗇(りんしょく)として笑った。(中略)聖武天皇が南都の大仏殿を建立された時、大和の民は粥をすすって米を食い延ばし、造営のお手伝いをしたのが奈良茶の起源だといい、豊臣秀吉は微賤(びせん)の昔を忘れず死ぬまで割粥を好んだともいわれる」と引用する。 おかゆをメーンのメニューにしている「かゆや」(東京都国立市)を訪ねた。小林恵美子店長(36)は「健康な時に食べるおかゆの店を作りたいと、母が18年前に始めました」と話す。白がゆをベースに、だしと卵や野菜、肉などを入れたおかゆを出している。単身赴任の男性、大学生、赤ちゃん連れの主婦などがやってくる。 新潟のコシヒカリを使っているという白がゆは、米の甘みとうまみがふんわり生きていた。疲れて癒やしを求めている胃と心には、確かに効きそうだ。(毎日新聞)
このページの先頭に戻る
カキが採取された海域によって、DNAに特徴があることを、独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所(宮城県塩釜市)が30日までに突き止めた。特に国内産と韓国産では大きな違いが見られ、産地識別への応用が期待できる。韓国産をめぐる産地偽装疑惑が再燃し、農林水産省が流通面から実態解明を進めているが、カキ生産者ら関係者は「科学的に産地を識別できれば、産地偽装は不可能になる」と研究成果の実用化を待望している。 研究所は2002年4月―03年2月に、韓国産カキの主産地、釜山周辺の3地点と、宮城、広島、高知、和歌山の国内4地点で採取された生ガキを、それぞれ31―107サンプル収集。DNAの塩基配列に同じ構造が繰り返し並ぶ「マイクロサテライト」と呼ばれる部分を分析し、DNAの集団内でのアリル(遺伝子のタイプ)の割合を比較した。 その結果、アリルAの割合が、国内産は高知0%―宮城14%と小さかったのに対し、韓国産は27―41%と大きいことが確認された。国内の主産地でも宮城14%、広島1.8%と開きがあった。 同研究所海区水産業研究部の関野正志さんは「一定期間の傾向だが、国内産と韓国産には、はっきりとした違いがあった。今後、複数年のデータを積み重ね、産地識別の一つの手法として確立させたい」と話している。 カキの産地識別に向けた研究は、韓国産カキの宮城産への偽装が発覚したことを受け、再発防止を目指して02年度に始まった。同研究所のほか宮城県水産研究開発センター(石巻市)、石巻専修大(同)などがそれぞれ3カ年事業で、微量成分や殻に付着した生物などの分析を進めている。今春に各機関が研究成果を突き合わせ、産地識別技術の実用化を目指す。 今回の研究成果について、宮城県漁連の木村稔会長は「科学的に産地識別が可能になれば、消費者に間違いなく安心なカキを提供できるようなる」と受け止め、広島県かき出荷組合の谷口富雄組合長も「偽装の抑止力になる。早期の実用化を目指してほしい」と期待を寄せている。 カキをめぐっては、水産総合研究センター(横浜市)が03年夏、薫製などに加工されたカキでも種類の判別ができるDNA分析技術を開発している。(河北新報)
節分の日に、巻きずしを無言で一気に食べる−。大阪限定だった風習「丸かぶりずし」が急速に全国に広まっている。起源ははっきりしないが、コンビニエンスストアのヒット商品に成長するなど、少なくとも業界側には御利益があるようだ。 丸かぶりずしは「恵方巻」とも呼ばれ、江戸末期〜明治時代の大阪が発祥地とされる。干支(えと)で毎年変わる神様「歳徳神」の方角「恵方」を向き、かぶりつくのが特徴。約18センチの巻きずしには、縁を切らないため包丁を入れず、無言で食べて福を逃がさないのが作法という。 食品メーカー「ミツカン」(愛知県半田市)が昨年2月、全国の20〜50代の男女約2800人を対象に実施した調査によると、3年前の調査で53%だった風習の認知度は、昨年は77%に上り、39%が「食べたことがある」と回答した。 地域別に見ると、近畿が認知度88%、食べた人も64%と最高だったが、北海道の女性の認知度も80%を突破。九州の若年層にも広がりを見せている。(時事通信)
大津市の通所リハビリテーション事業所「ひかり病院デイケア」を利用していた男性(72)がノロウイルスによる胃腸炎に感染して死亡した問題で、滋賀県は30日、まん延防止のため、うがいや手洗いの徹底をあらためて呼び掛けた。 県によると、死亡した男性が24日朝に事業所を訪れた際、発熱と下痢の症状があった。男性がその前に事業所を利用したのは19日のため県は事業所以外で感染したとみているが、「感染経路は不明」としている。 全国各地でノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生が高齢者施設で相次ぎ、県は11日、「抵抗力の弱い高齢者が感染すると重度化するおそれがあり、万全の対応を」との文書を県内すべての通所リハビリテーション事業所や老人ホームに送っていた。 ひかり病院事務局の高橋裕次長は「ノロウイルスは常在菌で誰に潜んでいるか分からない。考えられる予防対策を行っていた」と話している。 県内のノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒の発生は、2003年は10件、04年は13件で、今年に入ってからは7件目となった。県健康対策課は「ノロウイルスの症状は通常では軽い。家族で下痢や嘔吐をした人がいたら、ウイルスが含まれる疑いもあるので、片づけ後の手洗いやうがいを徹底してほしい」としている。(京都新聞)
出雲市の県立高校で、28日までに生徒28人が腹痛や下痢、頭痛などの症状を訴え、うち男子生徒1人が入院した。 県によると、症状を訴えているのは2年生の同一クラスの男子5人、女子23人。症状を訴えたのは今月20日からで、24日には10人に上り、うち7人が欠席。クラスは20日に調理実習で親子丼を作って食べており、出雲保健所は施設のふき取りなどを行って食中毒と感染症の両面で調査している。(毎日新聞)
◇郷土料理レシピ、食材図鑑「見やすい」−−栄養士研修会などで活用 岡山県農政企画課が地産地消の啓発を目的に発行した情報誌「とれたて倶楽部」が、栄養士の研修会などで活用されるなど順調な滑り出しを見せている。 昨年10月に創刊号を発刊。「ベイカの木の芽あえ」「たたきごぼう」「ワラビの煮びたし」といった郷土料理のレシピのほか、県内各地の直売所を紹介。黒豆、カキ、レンコン、ピオーネなどの旬の時期と主な産地を紹介した秋冬版の食材図鑑も掲載し、「見やすい」と評判上々という。同課は「今年は岡山国体もあるので、他県の方にも岡山の食材を知る材料としてぜひ読んでほしい」と話している。年2回発行で、第2号は2月末に完成する予定。 「地産地消おかやまファンクラブ」の会員になれば、「とれたて倶楽部」の無料配布が受けられる。会費は無料で、郷土料理の試食会や会員限定イベントの紹介といった特典もついてくる。問い合わせは県農政企画課(086・226・7408)。【毎日新聞】
県生活衛生課は27日、西彼町の社会福祉施設(入所者18人、職員7人)の入所者11人(26〜54歳)と男性職員(57)が22〜26日、下痢や発熱などの症状を訴えたと発表した。入所者5人が病院で診察を受けたが、入院者はなく、全員が快方に向かっている。食中毒と感染症両面から調べている。(毎日新聞)
コープさっぽろ(札幌市)は28日、生産地や農薬の有無などの情報を消費者に伝えようと、野菜や肉など4品目を対象としたトレーサビリティー(生産履歴)システムの実験を札幌市内の2店舗で始める。 農水省によると、牛肉や野菜などそれぞれの品目ごとのシステムはあるが、複数の品目を管理するシステムは全国で初めてという。 対象商品は、小松菜、ホウレン草、ニンジン、鶏肉、ブリ、イワシの缶詰の4品目6商品。 商品につけた通常のバーコードより大容量の情報を持つ「QRコード」を、店に設置した専用の機械が読み取る。買い物客は生産地、農薬の種類や流通経路などの情報を画面で確認できる。携帯電話でも履歴情報を読み取ることができるシステムも開発する予定。(共同通信)
◇県立中央病院の医師ら15人、食中毒症状 県は26日、上板町内の飲食店で今月20日に開かれた新年会で飲食した県立中央病院の医師ら職員15人が、下痢やおう吐など食中毒症状を訴え、うち5人からノロウイルスが検出されたと発表した。症状は軽く、いずれも回復している。新年会以降、勤務に就いた職員もいるが、患者らへの2次感染は現時点でないという。 新年会には、医師や看護師ら23人(23〜53歳)が参加し、魚介類の炭火焼きなどを食べた。このうち15人が22日朝ごろから発症し、9人の便を調べたところ、25日夜になってウイルスを検出した。県は同ウイルスによる集団食中毒と断定し、新年会が開かれた同町七條の飲食店「おおにし」(大西米治さん経営)を、食品衛生法に基づき30日まで営業停止処分とした。同店は24日から自主休業している。 同病院は、23日ごろから体調不調を訴える職員が続出して異変に気付き、24日以降は症状の残る職員を休ませたほか、手洗いの徹底など対策の周知を職員に図ったという。【植松晃一】(毎日新聞)
全国学校給食週間(24〜30日)に合わせ、川辺町内4小中学校の児童・生徒が給食で「すいとん汁」を味わい、戦後日本の食糧難時代の食事を体験した。 同町4小中学校用の1160食分をつくる同町学校給食センター(横田和久センター長)が、給食週間にちなんで考えた特別献立。同町比久見の川辺東小学校(井上孝校長、児童数192人)では、戦後日本の一般家庭で食べられていたうどん粉をモチのようにしたすいとん汁と、イカの照り焼きが出された。児童らは「昔に食べていたとは知らなかった」「おいしい」などと話しながら特別メニューを楽しんだ。【宮田正和】毎日新聞
北海道は26日、許可なく遺伝子組み換え(GM)作物を実施した場合、懲役を含めた罰則を科す方針を固めた。無許可で栽培した生産者には1年以下の懲役または50万円以下の罰金になる。道は罰則を盛り込んだ条例案を定例道議会に提案し、来年1月の施行を目指す。GM作物の規制に関する条例化は全国で初めてとなる。(毎日新聞)
高知市保健所は25日、高知市の50歳代の男性が自家調理のフグによる食中毒を発症したと発表した。男性は回復している。市保健所は「フグの素人調理は危険。絶対にやめてほしい」と注意を呼びかけている。 保健所によると、男性は今月23日、桂浜付近でフグ4匹などを釣り、自宅で煮付けや刺身などにして家族5人で食べた。食事が終わった約30分後、男性が手足や口のしびれなどを訴え、病院に入院したという。 保健所の残った煮汁などの検査で、フグの毒のテトロドトキシンを検出した。【内田幸一】 (毎日新聞)
全国農業協同組合連合会(全農)の子会社・組合貿易が仕入れた輸入黒豚が鹿屋市の業者によって鹿児島産に偽装されていた問題で、農水省は25日、新たに全農自らが1999年度以降、都内の商社から米国産黒豚肉を仕入れて販売していたことを明らかにした。全農も同日、同省に提出した業務改善報告でその事実を認めた。同省は国内農業の振興を目的とした農協法の趣旨に沿わないとして、全農に対し輸入事業の在り方を見直すよう異例の指示をした。偽装について、農水省は「全農が関与した事実は確認できなかった」とした。 同省によると、全農の米国産黒豚肉の仕入れ、販売量は2003年度までの5年間で5254トン。これは鹿児島県の年間黒豚生産量2万トンの4分の1に当たる。8割以上が特定の加工業者向けに販売され、取り扱いは現在も続いている。 また、組合貿易が99年度から4年間に輸入した米国産黒豚1445トンのうち、354トンが全農を通じて販売されていたことも判明した。 全農本体の黒豚輸入について田林聡理事長は「国産から輸入品までの取引先の品ぞろえの要請にこたえ、国産畜産物の販売を補完するため。輸入自体に問題はない」との考えを述べた。今後、国産品と競合しないよう指針を策定した上で、一定量の輸入を続ける方針を示した。 これに対し、農水省は「今回調査したところで、全農に輸入品の品ぞろえを要請しているところはなかった」として、全農の主張に疑問を投げ掛けた。 全農は同日、道義的責任を理由に、田林理事長を1カ月50%の減給にするなど関係者18人の減給処分を発表。再発防止のために、第三者相談・通報窓口を1月中に設置する、などとした。 全農の業務改善報告は当初、昨年11月末に提出予定だったが、衆院農林水産委員会で全農の偽装への直接関与が疑われる事例が報告されたため、農水省が全農に再調査を求めるとともに、自らも事実確認に乗り出していた。 島村宜伸農相は同日の閣議後の記者会見で「不祥事が重なると組織が壊れかねない」と全農の体質を批判した。
鯨肉の竜田揚げに脱脂粉乳。団塊の世代には、どうにも苦手で、涙交じりでのみ込んだ人もいるだろう。思い出の詰まった鯨肉が、和歌山県の学校給食に、約20年ぶりに復活した。子供たちに珍しがられ、お代わりを取り合う人気というから、隔世の感がある▲もっとも、硬い筋を手作業で取り除き、味も食感もすっかり現代っ子向きになっている。そもそもの狙いは、鯨漁で栄えた紀州の食文化の伝承だ。南極海で調査のため捕獲されたミンク鯨肉を年間約60トン入手し、月2回程度メニューに入れたいという▲給食時間は食を通じて知識を深める「食育」の場でもある。郷土料理や地元の食材利用が多くなった。会食室を作ったり、バイキング形式を採用した学校もある。大阪府豊中市は今月、豚汁や乾パンの防災食の日を設けた。阪神大震災の体験を伝えるためだ▲日本の学校給食は明治中期に、欠食児童対策として山形県で始まり、全国に広まった。太平洋戦争で中断後、食糧危機から学童を守ろうと、海外の援助物資で給食が復活した。乏しい献立が貴重な栄養源だった時代は、遠い話ではない▲国連世界食糧計画(WFP)は飢餓対策として、64カ国で学校給食を提供している。東京で開かれたインド洋大津波の緊急シンポでも、給食支援の必要性が強くアピールされた。学校に行けば空腹がしのげる。幼い弟妹に与えることもできる。貧しかった日本の姿と重なり、胸がふさがる▲24日から全国学校給食週間が始まった。「子供たちのうれしそうな歓声を聞くと、汗も疲れも吹き飛ぶ」。給食調理歴25年の女性が、毎日新聞「女の気持ち」(大阪本社版)に寄せた文だ。さまざまな人々の思いをかみしめて、今日の給食を味わってほしい。(毎日新聞)
「全国学校給食週間」初日の24日、山城地域の学校給食に、卑弥呼の食事を再現したり、地元の食材を使うなど工夫を凝らした献立が登場し、子どもたちが舌鼓を打った。 卑弥呼の食事が振る舞われたのは、京都府城陽市の小中学校。文献などを参考に、赤米のごはんやアサリのすまし汁、サトイモの煮付けなどが再現された。 今池小では、浅田和成校長が「当時は何を使って食べたでしょう」など放送でクイズを出した。子どもたちは「手づかみ」などと答えながら、薄くピンクに色づいた赤米をほおばった。同小2年の久保直大君(8つ)は「赤米を初めて食べた。少し味が付いていておいしい」とおかわりしていた。 同市学校給食センターは期間中、「昔の人の食事」をテーマに源頼朝や徳川家康など、各時代の代表的な人物の食事を再現する予定。市で給食が始まった1967年当初のメニューも作る。 ■京田辺の小学校では「地産地消給食」登場 京田辺市の小学校では9校全校で、地元産の新鮮な野菜を使った「地産地消給食」が登場した。 献立は、みず菜ごはん、ゴボウのきんぴら、ズイキの酢の物などで、いずれも地元で取れた食材を使った。薪小では、全校児童が「いただきます」とあいさつした後、地元の農家が丹精込めて作った野菜を味わった。1年生の教室では、食物の種類別の役割も学んだ。 6年生が数人ずつ校長室で食事する「お別れ給食」もこの日始まり、4人が井戸野佐知子校長と将来の夢を話し合いながら給食をともにした。(京都新聞)
宮城、広島産の生ガキに韓国産が混入されている産地偽装疑惑が再燃している問題で、宮城産の主力の生食用カキが入札で例年にない高値を呼んだにもかかわらず、昨年10月以降、関東の一部スーパーなどで一貫して格安で販売されている。販売元の関東の水産加工業者が、採取海域として表示しているのが「宮城県中部海域」で、今年に入ってさらに値を下げている。粒ぞろいで実入りもいいだけに、業界関係者は「粗悪品でもないのに、特売に近い価格で売り続けるのは無理だ」として、仕入れ値の安い韓国産が混入されている疑いを強めている。 宮城県漁連によると、宮城県中部海域産(県漁連石巻支所扱い)の落札価格(10キロ)は、出荷が本格化した昨年10月、20日に最高値の2万5983円を付けるなど高騰。2万5000円を超えた日が3日もあるなど、10月の平均は1万6050円と例年にない高値だった。広島産が品不足で、宮城産の引き合いが多かったためだ。 関東の業者の販売価格を見ると、一貫して宮城県内の業者の販売価格より一様に1パック100円前後安い。石巻市の業者の宮城産と併売しているスーパーもあるが、関東の業者の商品は内容量が多いにもかかわらず、200円前後も安く売られている。 宮城産のスーパーへの納入価格は大半が、出荷シーズンを通して定額で、落札価格(業者の仕入れ値)が高騰しても納入価格に反映されない。このため、業者側は、仕入れ値が下がる1月以降に帳尻を合わせるのが一般的だ。 しかし、関東の業者の場合、今年に入ってから一部のスーパーで、さらに数十円安く販売しており、「なぜ価格を下げられるのか。業界の常識では理解できない」(業者の関係者)と疑問の声が上がっている。 こうした価格動向について、関東の業者より納入価格を高く設定している石巻市の業者でも「10月の高値のため、仕入れ値の平均が損益の分かれ目となる1万3000円を上回ったまま。11月以降、下がってきたが、10月の赤字をまだ挽回(ばんかい)できない」と泣かされているのが実情だ。 関東のこの業者をめぐっては、宮城産カキの仲買業者でつくる宮城県かき出荷協同組合連合会(石巻市)が昨年12月、加盟31社を対象に調べた結果、11月初旬以降、「業者には宮城産が直接供給されていない」ことが判明している。 [採取海域]JAS(日本農林規格)法に基づき、生鮮食品は原産地の表示を義務付けられている。宮城産生食用カキの採取海域は(1)宮城県(2)県北部(唐桑町―志津川町)県中部(北上町―矢本町)県南部(鳴瀬町―塩釜市)(3)気仙沼湾、小泉湾、志津川湾、追波湾、雄勝湾、女川湾、牡鹿湾、荻浜湾、石巻湾中央部、石巻湾西部、松島湾―の大・中・小の3分類の表示方法があり、複数の湾で採取したカキをパック詰めする場合は、中分類か大分類で表示される。(河北新報)
食糧難の時代に、北海道の多くの家庭で天ぷらやかまぼこを具にした珍しいカレーライスが愛食されていたことが14日、道のアンケート調査で分かった。沿岸部では地の利を生かし、高級食材「あわび」も入れていた。道は3月末までに、主食や郷土料理、雑煮の具とあわせ最終結果をまとめ、道内で誕生した食文化の継承に役立てていく。【横田愛】 アンケートは、終戦後の「食糧難の時代(54年以前)」「高度経済成長期(55〜64年)」「インスタント・加工食品登場(65〜74年)」「飽食の時代(75年〜現在)」の4期に分け、道民がどのような食材を使って何を好んで食べていたかなどを質問した。 この結果、74年以前に49市町村で、現在ほとんど使われていない「天ぷら・長天・丸天」をカレーに入れていたほか、16市町村で「かまぼこ」をカレーの具にしていたことが分かった。「飽食の時代」に入ってからほとんど使われなくなったようだ。 一方、礼文町など沿岸部を中心とした46市町村では「あわび」や「ホッキ貝」を入れるシーフードカレーが好まれ、現在まで主流になっている。 いずれの時代も、カレーライスが最もよく食べた料理だったことも分かった。 道道産食品安全室は「食材は地域の文化を把握する格好の材料。世代を越えた話題として、子供から大人まで北海道の『食』に親しんでもらえればうれしい」と期待している。 調査は昨年9〜11月、食文化の推移を探るため、道内に住む20〜70代の約9000人にアンケートを行い、164市町村の約3000人から回答を得た。 北海道の食文化に詳しい村元直人・函館短期大名誉教授(72)の話 食糧が不足していた当時、カレーライスは最高のごちそうで、ありったけのものを入れていたと考えられる。魚介類が手に入る漁村は農村に比べて豊かな食文化だったのだろう。当時の生活の工夫がうかがえて、非常に興味深い。(毎日新聞)
木桶(おけ)を使った昔ながらの日本酒の仕込みが、清酒「春鹿」で知られる奈良市福智院町の今西清兵衛商店(今西清悟社長)で19日、始まった。 半世紀前までは当たり前だったという木桶も、ほうろうタンクが普及するにつれ、「干す手間が大変」「雑菌が心配」などと使われなくなって久しい。しかし、今西清隆専務らは「『ファストフードからスローフードへ』など、食の世界は原点を見直そうという動きが大きくなっており、酒造りも原点を見詰めてみたい」と考え、今年初めて挑戦することにした。 木桶は大阪府堺市のメーカーが、約30年間乾燥させたという貴重な杉材を用いて製作。高さと直径は約1・3メートル。原酒を発酵させる間の貯蔵用に使われ、今回約800本分が搾られるという。 この朝行ったのは、三段仕込みの最初の工程。磨き洗米した有機農法のヒノヒカリの蒸し米計55キロを、木桶に次々と入れて、蔵人らが櫂(かい)でかき混ぜながら酒母などとなじませた。 杜氏(とうじ)らは「木桶の香りが酒にどう影響するのか、仕上がりが楽しみ」と話していた。今月22日ごろまで仕込みが続き、約3週間発酵させて、もろみを搾ると新酒になる。【幾島健太郎】(毎日新聞)
朝食抜きや偏食など児童生徒の食生活の乱れが深刻化する中、道教委は05年度から、学校給食の管理と食に関する児童生徒の指導を一体的に担う「栄養教諭」制度を導入する。一部栄養職員を対象とした講習会を今夏に実施し、免許を交付する。授業内容など条件整備が必要なため、実際に配置するかどうかは各市町村教委と協議したうえで判断する。栄養教諭が教壇に立つのは、早くても今秋以降の見込みだ。 道教委はこれまでも、栄養職員に特別非常勤講師として、授業に参加してもらい、学級や教科担任と連携して、食生活の改善などに取り組んできた。こうした中、道は05年度から、食育の推進を掲げた「食の安全・安心条例」を施行する方針で、地産地消などへの関心が高まっていることから「食の一大産地として教育現場も取り組みを強化する必要がある」(白髭俊穂・スポーツ健康教育課参事)と判断した。 札幌市教委は「他の政令市の動向をにらみながら、(配置を)前向きに検討したい」(管理課)としている。しかし、現時点では職員から教諭への移行のため、制度導入に伴う定数増はない。また、市町村によっては給食の調理室が自校方式やセンター方式など形態がさまざま。ゆとり教育の影響で授業時間の減少が問題にもなっており、各教委が一律に制度を受け入れられる状況にはない。 このため、道教委は家庭科や養護教諭など教員免許をすでに持つ栄養職員のうち、講習を修了した希望者から段階的に移行して制度の定着を目指している。白髭参事は「各教委と学校が実態に合った授業のあり方と教諭の活用方法を検討し、条件が整ったところから導入してほしい」と話している。【筑井直樹】 ……………………………………………………………………………………………………… ■ことば ◇栄養教諭 昨年5月の学校教育法改正で新設された。給食の献立づくりや食材・衛生管理に加え、健全な食習慣についての授業を行うなど「食の専門家」としての役割が期待されている。配置は義務ではなく、都道府県が判断する。道内の栄養系大学も養成課程設置に向けた準備を進めている。毎日新聞
韓国産カキを「広島産」とするなど、カキやアサリの産地が偽装されて販売されている可能性があるとして、農林水産省が日本農林規格(JAS)法に基づき、各地の業者を調査していることが20日、分かった。 農水省表示・規格課などによると、各地の漁協や関係者から、産地表示を偽装して売っているという複数の情報が寄せられたため、実態調査を開始した。偽装が判明した場合、業者名公表などの措置をとる。 関係者によると、広島産のカキは昨年の台風被害などで出荷が遅れたが、販売価格は高騰せずに逆に低迷。仲買業者でつくる「広島県カキ出荷組合」が昨年12月、「広島産の一部に韓国産を混入したり、全量を広島産と偽ったりする方法で、複数の業者が販売した疑いがある」として、農水省に調査を要請した。(共同通信)
熊本県水産研究センター(熊本県上天草市)は19日、海水の栄養塩不足で黒くならなかった「色落ちノリ」に多く含まれる糖質が、整腸作用を持つビフィズス菌の増殖を促進することが分かったと発表した。 色落ちノリは商品価値がないため大半が廃棄されているが、同センターは「ノリの有効利用につながる研究成果だ。民間と共同で健康食品の開発などを進めたい」と意気込んでいる。 同センターによると、この糖質は「グリセロールガラクトシド」で、通常のノリには1%前後しか含まれていないが、色落ちノリには15%ほど含まれている。 ビフィズス菌はもともと人間の腸内にあり、便秘を防いだり、免疫力を高めたりする効果があるが、年齢とともに減少する。グリセロールガラクトシドの摂取により、腸内のビフィズス菌の増加が期待できるという。(共同通信)
県は18日、八幡浜市松柏の飲食店「サンショップしんせ」が13日に調理した昼食弁当を食べた同市内の高校の生徒・教職員ら39人(16〜81歳)がおう吐や下痢などの食中毒症状を訴えた、と発表した。県は同店の弁当による食中毒と断定し、18日から5日間の営業停止処分にした。発症者はいずれもほぼ回復している。 県によると、同店は13日に同市内29カ所の学校や会社に弁当を配達し、うち計10カ所で食中毒症状を訴えた人がいたことが判明。県では原因菌の特定を急いでいる。【新井隆一】(毎日新聞)
県は十八日、小林市南西方の結婚式場「天守閣」であった新年会に参加した二十一―六十五歳の男女六十四人が、下痢や嘔吐(おうと)を訴え、うち七人の便からノロウイルスが検出されたと発表した。ノロウイルスによる集団食中毒とみて、同式場を同日から二日間の営業停止処分にした。 県福祉保健部によると、新年会は同市内の会社が四日に開き、社員百十六人が参加。食事したサーモンマリネやエビの揚げ物などの料理は参加しなかった二人の社員にも土産として持ち帰った。この二人を含めた六十四人に四日夜から症状が表れ始め、十日までに全員が回復したという。 調理従事者の便からノロウイルスは検出されず、もともと食品が汚染されていたり、加熱が不十分だった可能性などが考えられるという。(西日本新聞)
東京都は18日、「ハスの葉加工食品」として販売されていた健康食品「貴麗菜(コーリー)」から、医薬品成分である「シブトラミン」と「甲状腺末」を検出したと発表した。この食品との因果関係が疑われる甲状腺機能高進症の患者が長野県内で確認されており、都は無承認・無許可での輸入・販売が薬事法違反にあたるとして販売中止と回収を指示するとともに、消費者に服用を中止するよう呼びかけている。 シブトラミンと甲状腺末は、過去に「やせ薬」として乱用されたこともある医薬品。都福祉保健局によると、貴麗菜は新宿区内の業者が中国からの輸入品として販売し、03年秋ごろから少なくとも月100箱程度が全国に出回っていたとみられる。服用を続けると、狭心症や心不全、肝機能障害などの重大な健康被害の恐れがあるという。【奥村隆】(毎日新聞)
牛/BSEで輸入激減、国産は微増 豚/代替需要、輸入急増 鶏/鳥インフルエンザ響く BSE(牛海綿状脳症)問題による米国産牛肉の輸入停止後の昨年(一−十一月)の牛肉消費(供給)量が前年に比べて15%減少したことが十六日、農水省の調査で分かった。鳥インフルエンザの影響で鶏肉も8%減った。代替需要から豚肉が7%増え、豚肉、鶏肉、牛肉を合わせた食肉全体では3%の落ち込みだった。食卓のメニューから牛肉、鶏肉が減ったことが数字の面でも裏付けられた。(有川貞治) ◆◇◆ 国内の牛肉の供給量と消費量はほぼ同じで、平成十五年の八十四万四千トンから十六年の七十一万四千トンと15%減少。国産牛が三十一万二千トンから三十二万四千トンに4%増産したが、輸入量は五十三万二千トンから三十九万トンと27%激減した。 BSE発生で一昨年十二月から米国からの輸入が禁止され、十六年の海外調達先は豪州牛が35%増えるなど米国以外の畜産国が対日輸出を増やした。 十六年は十一月時点で豪州は三十五万四千トン。農水省では十二月分を含めると豪州牛は四十万トンに迫り、十万トン以上の輸入増となると予測。豪州以外にもニュージーランドが倍増のほか、メキシコが十五年の〇・二トンから、十六年は千四百トンと急増。これにブラジル、チリ、バヌアツ、中国が続く。前年輸入がなかったニカラグア、コスタリカ、アルゼンチン、パナマからも輸入された。 一方、国産牛は一万二千トンの微増。霜降りをつくる和牛は、生後三十カ月の飼育期間がかかり、短期増産が難しいうえ、肉用子牛(黒毛和種)の一頭当たりの価格が十四年度の二十九万円から直近は四十六万円まで上昇した。高い子牛を購入しても、飼育中に輸入再開となる見通しで、畜産農家は増産に慎重だ。 だが、食肉処理までの飼育期間は鶏は五十日、豚は七カ月と牛に比べて短期増産が可能。ただ、鶏肉は鳥インフルエンザの内外発生、タイ、中国の非加熱鶏肉の輸入停止で、十五年の百十一万四千トンから百二万七千トンと8%も落ち込んだ。 牛肉、鶏肉に代わったのが豚肉で、百四十九万五千トンから百六十万五千トンと7%増えた。国産豚肉の1・2%増に対し、輸入豚肉が14・3%と急増し、こちらも畜産農家は増産に慎重だ。 豚肉の消費増で食肉全体では十五年の三百四十五万三千トンから十六年が三百三十四万六千トンと3%ほどの減少だった。 農水省では、「いま牛丼が必ずしも正常な販売の状況ではなく、コメの消費にも大きく響いている」と米国牛禁輸長期化が主食のコメの消費低迷にもつながることを懸念している。(産経新聞)
三村申吾知事は十七日、弘前市の弘果弘前中央青果やつがる弘前農協を訪れ、昨年の台風で落果などに見舞われたリンゴ関係者を激励した。二〇〇五年度から二カ年の新規事業として、品質管理対策の予算化を検討していることを明らかにした。 新たな品質管理対策は「青森りんご高品質維持追跡調査事業」で、最終的な予算額などは今後固まる。 内部褐変などの要因とされる流通段階の温度変化を追跡調査し、産地から消費者に至る流通過程の問題点を探るために、〇六年二−五月に、温度センサー付きの記録装置を入れた県産リンゴ百五十箱をサンプル出荷する。 三村知事は、約百五十人の関係者を前に「台風被害にもかかわらず皆さんには品質、味の優れたリンゴを生産していただいた。県も日本一の青森リンゴを売りまくる努力を続けたい」と述べた。
京都府丹後保健所は17日、管内の高齢者施設で集団胃腸炎が発生した、と発表した。施設は京丹後市峰山町長岡の特別養護老人ホーム「はごろも苑」で、入所者ら26人が下痢や嘔吐(おうと)などを発症、うち3人からノロウイルスを検出した。全員が快方に向かっているという。 同保健所によると、9日から入所者18人と職員8人が下痢や嘔吐、発熱などの症状を訴えた。うち3人が経過観察のため入院した。 同じ給食を食べたにもかかわらず発病が散発的なことから、同保健所は集団食中毒の可能性は低く、人を介して感染した可能性が高いとみている。(京都新聞)
滋賀県は15日、大津市唐橋町の料理旅館「あみ定」(礒田陽子社長)で食事をした21人が下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えたと発表した。大津保健所は食中毒と断定し、同旅館の調理場を15日から3日間の営業停止とした。 21人は、12日に昼食と夕食を取った二グループで、大津、湖南両市の36−75歳の男女。13日朝から14日朝に症状を訴えた。全員が軽症で快方に向かっているという。 また県は15日、大津市茶が崎の「旅亭紅葉」で8日から10日にかけて発生した食中毒で、患者4人の便からノロウイルスを検出するとともに、食中毒の発症者が新たに32人増え、計56人になったと発表した。(京都新聞)
ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎が全国で続発しているが、福井県でも14日、下痢や嘔吐(おうと)、発熱などノロウイルスが疑われる集団感染が明らかになった。病院など3施設で計38人が発症、うち1人の死亡が確認され、事態を重くみた県は感染の拡大防止と衛生管理の徹底を呼び掛けている。【田辺一城】 ノロウイルスは食中毒を起こす代表的な病原体の一つで、ピークは冬場。感染から24〜48時間でおう吐や下痢などの急性胃腸炎症状を起こす。生ガキなどを食べたり、患者の便や吐しゃ物を処理した人を介して感染する場合が多い。抵抗力が弱い乳幼児や高齢者は重症に至ることもある。 県は感染症胃腸炎の問題が全国的に広がりを見せたため、11日に関係機関へ予防の徹底と異常の報告をするよう通知。11〜13日に福井、敦賀両市の計3施設から発症の報告があった。20人が発症し、うち女性1人が死亡した敦賀市の「泉ケ丘病院」では、▽8日1人▽10日3人▽11日3人▽12日11人▽13日1人▽14日1人――と相次いで発症者が確認された。 死亡者が出たことから、県は14日から、県内133の高齢者施設に健康福祉センターの職員らを派遣。▽ウイルスの発生しやすいカキは十分加熱する▽下痢などの症状が出たら早めに受診する▽おむつ交換や吐しゃ物処理の際は手洗いと消毒に努める――などを改めて呼び掛けている。(毎日新聞)
ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の集団感染の報告が東北でも相次ぎ、14日までに各県のまとめで患者数が1200人を超えた。多発する高齢者施設で医療スタッフが整っているところは数少なく、衛生管理が十分言えないのが実情。専門家は「2次感染などを防ぐ措置や、職員の健康管理にも目を向けるべきだ」と施設での感染拡大防止を訴えている。 昨年末から14日までに、集団感染とみられるケースとして、東北各県に報告があったのは別表の通り。秋田県が414人で最も多く、山形県では300人を数えた。 ノロウイルスの症状は下痢や嘔吐(おうと)、発熱などが特徴で、風邪と似ている。通常は1、2日で回復するが、感染力は非常に強い。食中毒では最も患者数の多いウイルスで、2003年は全国で約1万人が報告された。 ただ、検査法の進歩で数年前から検出が容易になったことで、それまで原因不明だったり、風邪とされたりしていたケースがノロウイルス感染と分かり、患者数が増加した経緯もあるという。 東北大大学院医学系研究科の賀来満夫教授(感染症対策)は「高齢者施設や病院で患者が出た場合は、すぐに個室に移すなど2次感染を防ぐ処置が必要。職員から入所者に感染する可能性もあり、職員の管理にも注意すべきだ」と指摘する。 今冬は広島県福山市の高齢者施設で集団発生し7人が死亡したことから注目されたが、「例年と比べると、現時点で爆発的に多いという印象はない」(賀来教授)という。 賀来教授は「日ごろから手洗いやうがいを心掛けていれば、過剰に心配する必要はない」と、冷静な対処も呼び掛けている。 心配なのは新型肺炎のSARSや鳥インフルエンザのようなウイルスの突然変異。今後も集団感染が続く場合は「ウイルスの変異や、ウイルスが生育しやすい環境がなんらかの理由で生じたことも考えられる。ほかのウイルスによる感染の可能性も含め、検討が必要」(賀来教授)という。 ◎秋田の3施設73人集団発症 ノロウイルスか 秋田市保健所に14日までに入った連絡によると、同市内の高齢者施設や社会福祉施設の計3カ所で、入所者や職員ら計73人が下痢や嘔吐(おうと)の症状を訴えた。ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団発生とみて調べている。 各施設では、昨年12月28日から患者が相次いで発生。入所者、職員計33人を検査したところ、15人からノロウイルスを検出した。 ◎秋田の施設 死亡の2人は因果関係なし ノロウイルスによる感染性胃腸炎が集団発生したとみられる秋田市の高齢者施設で、死亡した入所者2人の死因にはノロウイルスと関連性がないことが14日、秋田市保健所の調べで分かった。 同保健所は2人を診断した医師から調査。レントゲン画像などから、2人が嘔吐(おうと)したのは既往症のためだったことが分かった。 ◎ノロウイルス26人から検出 福島県内の5施設 いわき、郡山両市の5つの福祉施設で、入所者と職員が感染性胃腸炎とみられる症状を訴えていた問題で、両市保健所は14日、合わせて26人からノロウイルスが検出されたと発表した。 いわき市では、特別養護老人ホームや病院など4施設の計143人が症状を訴え、計21人からノロウイルスを検出。郡山市では、症状を訴えた老人福祉施設の入所者と職員30人のうち、5人からウイルスを検出した。26人は、いずれもすでに回復したか、快方に向かっている。 ◎岩手・前沢の施設 ノロウイルスの集団感染と断定 岩手県前沢町の特別養護老人ホーム「まえさわ苑」で今月初旬、入所者らに下痢やおう吐の症状が出ていた問題で、岩手県は14日、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の集団感染と断定した。患者は入所者22人、デイサービスと事務職員各1人の計24人。全員がほぼ回復している。(河北新報)
◇食べ物は健康の入り口と「食育」推進 「食育は、日々の生活の中で親が子供と食べ物に対して愛情を持って接していれば自然とできるものなんです。壁に張った標語のように『バランスよく食べましょう』と大上段に構えて指導してもうまくはいきません」 管理栄養士の免許を持ち、子供料理教室などで食育を推進する川畑さんは、遠くを見据えた目でこう話す。教育の「知育・体育・徳育」という流れから、食べ物を通して生活の基本や健康を守る方法を学ぶことを「食育」と呼ぶ。 川畑さんは食育を「ナスの漬け物」に例える。庭などにナスの鉢植えを置いて育てることが「栽培・生産」の学習に、それをぬか床に入れて漬け物を作ることで「調理や科学」を学び、1日目に浅漬かりのナスを食べるとき「しょうゆをたらすとおいしくなるよ」とアドバイスすることが「味覚教育」に。そして2日目に「今日はもうしょっぱいからしょうゆをかけるのをやめなさい」と注意を促すことが「栄養指導」となる。この生活の場面、場面での愛情あふれる声掛けが「食育」なんだ、という信念がある。 川畑さんは、もともと栄養学にそう興味があったわけではなく、高校3年の時に交通事故に遭って3カ月の入院生活をしたことなどが原因で、夢だった獣医の道を断念した。「好きな生物学を生かせるだろう」という周囲の勧めで女子栄養大に入学。そんないきさつだったため1、2年次の栄養計算の基礎を机上で学ぶ授業が楽しいはずはなく、逃げるようにイギリスに語学留学した。そこで英語は身に付いたが、現地で「あなたは何者?」と聞かれ、返事に詰まった。「言葉を使えるようになっても伝えることがなければ何の役にも立たない……」。自分の専門とする分野や職業がないことに気づき帰国後、栄養大に復学した。3年次に編入すると授業は現場実習などが中心となり、物を作ったり、人とふれあうことが好きな川畑さんには、たまらなく楽しい授業となった。 4年生の時に歯科医師である夫と知り合い、その関係で卒業後、歯科医院に就職。「口腔は食べ物の入り口、食べ物は健康の入り口」という考えに触れ、健康を保つために食育の重要性を感じ始める。 その後、自らが母親となり、子育て中の同世代の親たちと付き合う中で、彼らが「牛乳を早くから飲ませるとアトピーになるから飲ませない」などの食べ物に関して間違った情報に振り回されたり、「早く断乳しないと成長が止まる」など歪曲された情報で悩んだりしている姿を目の当たりにして、「私は管理栄養士です。みなさんの栄養相談に乗ります」と公言し、児童センターなどで活動することにした。 食べ物をバリバリと食べるバッタのイメージと名字をもじって、自ら主宰するたべもの教室を「バッタクラブ」と名付け、3年前から本格的に活動を開始した。現在、バッタクラブでは地元の児童センターでの子供料理教室、民間の子育てサークルや児童館でのパネルシアターや紙芝居などを媒体とした食育活動を進めるほか、季刊の情報誌の発行やメール相談なども行っている。 03年から年1回、子供たちと「田んぼ体験」を実施。田植えや草むしり、稲刈りなどを実際に体験し、お米を収穫した。また、手作りソーセージ体験、山菜採りなど「体験」を大切にした活動を今後の進めていく予定だ。これによって、子供たちが「食べ物はスーパーの倉庫からわき出てくる物ではない」とわかり、「自分に必要な食べ物を選び、調理し、食べることができるようになる」ことが大きな目標だ。【細田尚子】
養殖方法を工夫して無毒化した佐賀県嬉野町産のトラフグの肝について厚生労働省は13日、安全性のリスク評価を食品安全委員会に依頼した。同県と同町が申請した「ふぐ肝特区」をめぐり同省と県などの見解が対立したための措置。今後、同委員会の「かび毒・自然毒等専門調査会」で、この無毒化手法の科学的評価や人への健康リスクなどについて審議する。 トラフグの肝には、1グラムで約500人の致死量の猛毒テトロドトキシン(TTX)が含まれており、食品衛生法で食用が禁じられている。 一方、フグ毒は食物連鎖で自然界の餌を通して蓄積されるとの仮説がある。長崎大などは昨年5月、「囲い養殖」などの手法で、全国8カ所で約5000匹を養殖した結果、すべての肝の無毒化に成功したと発表した。これを受けて同県と同町は6月、養殖でフグの肝を無毒化し、同町の嬉野温泉で提供、町おこしにつなげようと国に特区申請していた。 厚労省は「科学的に安全性が確立されたとは言いがたい」として、特区を認めない方針だった。だが、これに納得しない同県が、食品安全委での中立的なリスク評価を強く要請していた。【江口一】(毎日新聞)
◇「ヘルシー、味にも自信」−−道の駅で試験販売 和田山町筒江の「鍋倉金属工業」(鍋倉武弘社長)は、ダチョウの肉やキノコの一種、エリンギを使った「特製ころっけ」=写真(下)=を開発。高たんぱく、低脂肪のダチョウ肉に、ダイエットなどに効果があるとされるエリンギを使った健康食品という。既に04年末から南但馬地方の道の駅などで試験販売している。 同社は、パソコン関連機器の製造が主力だが、エリンギの人工栽培のほか、栽培で不要になったオガクズなどを餌にダチョウの飼育もしている。「特製ころっけ」は、ジャガイモにダチョウ肉、さらに昨年夏に栽培に成功した高級エリンギ「シルクマッシュ」などを加えた。 同社は「より良い品質を目指す」ため、シルクマッシュ栽培場ではベートーベンの「田園」、ダチョウ飼育場ではモーツァルトの「ジュピター」などをスピーカーで流しているという。鍋倉社長は「地元産の素材で安心できる上、味にも自信がある」と話している。 ころっけは6個1050円(冷凍)。朝来町の道の駅「フレッシュあさご」などで販売中。問い合わせは同社食品事業部(079・674・2110)。【〓川昭夫】 〔但馬版〕(毎日新聞)
インターフェロンなどの治療薬が効きにくいC型肝炎患者に、母乳や牛乳に含まれるたんぱく質「ラクトフェリン」の錠剤を投与したところ、患者の4人に1人はウイルスが消える効果のあることが、横浜市立大学市民総合医療センターの田中克明教授らの臨床試験でわかった。 ラクトフェリンは、食品としては粉ミルクなどに加えられている物質。田中教授らは、インターフェロンが効きにくいウイルス(1b型)に感染したC型慢性肝炎患者40人の協力を得て、臨床試験を行った。1つのグループには、治療薬のインターフェロンと抗ウイルス薬リバビリンに加えて、ラクトフェリン錠剤を投与、残りの患者には2つの治療薬と、ラクトフェリンの入らない偽薬を投与した。 半年後に治療薬の投与をやめ、さらに半年経過した時点で効果を調べたところ、ラクトフェリン錠剤をのんだ患者の26%はウイルスが消失し、偽薬をのんだ患者のウイルス消失率(約15%)より1・7倍高かった。また肝機能改善にも大きな効果が見られたという。 ◆ラクトフェリン=母乳100ミリ・リットル中に約0・1グラム、初乳には同1グラム含まれる。感染防御物質として注目され、最近は抗がん作用も報告されている。(読売新聞)
東京都は十三日、日本テレビ放送網(港区)が正月に放映した「箱根駅伝」で、朝食用サンドイッチと昼食の弁当を食べた社員ら中継スタッフ九十六人が三日から六日にかけて下痢などの食中毒症状を訴え、うち、男性一人が一時入院したと発表した。患者の便からはノロウイルスが検出された。弁当などは、港区の「やまと家フードサービス」の営業所が作ったもので、港区みなと保健所は同営業所を十三日から一週間の営業停止処分とした。(産経新聞)
京都府は13日、鶏卵の生産・流通履歴管理(トレーサビリティー)システムを府内の生産者や流通、消費者団体、行政など関係機関が連携して新年度から始めることを発表した。サルモネラ対策など品質管理や偽装表示の防止を図るとともに、消費者の信頼を確保するのが目的だ。都道府県レベルの運用は全国で初めてといい、将来的には府内の養鶏農家全体への普及を目指す。 箱やパッケージに、採卵日時や農場、賞味期限、こん包・販売会社などの情報を表示する。同時に、正方形のモザイク模様の二次元コードを印刷する。これを消費者が読み取り機能内蔵のカメラ付き携帯電話で撮影すると、鶏の種類やサルモネラ検査結果、飼料や各種検査成績、消毒・配送情報などのデータが確認できる。鶏卵にコード番号を印字するシステムに比べて、生産者側の設備コストが格段に安いという。 昨年2月の鳥インフルエンザの発生や2003年暮れの賞味期限の偽装表示問題を踏まえ、府と関係者による研究会がサルモネラ対策を主体とする143項目の衛生管理基準と組み合わせた独自システムを検討し、導入の手引きをまとめた。 府は19日午後1時から、園部町の園部国際交流会館で関係者を対象に説明会を開き、システム導入のための協議会を発足させる。年度内にも有志が試行を始めるが、府内の生産者に広く参加を呼びかけ、順次増やしていく。 府農林水産部は「府内産の鶏卵の信頼性を高め、食の安心・安全に対する府民の要望に応えたい」としている。(京都新聞)
【石川県】米由来の機能性食品を開発、販売する石川県小松市のベンチャー企業は農林水産省の研究機関と共同で、米ぬかの油に含まれる肌の保湿成分を壊さずに、無添加で抽出することに成功した。植物素材の化粧品原料として需要を見込んでいる。(瀬戸勝之) ライスクリエイトで、米農家の長田竜太社長(40)が1996年に設立。農業・生産系特定産業技術研究機構(広島県福山市)と協力し、これまでに玄米の胚芽(はいが)に含まれるガンマ・アミノ酸(ギャバ)や米ぬかの健康食品を開発した。 米ぬかからの油分抽出には従来、人体に有害な有機溶剤を使う方法しかなかったが、米特有の保湿成分のガンマオリザノールを破壊してしまう。 ライス社は特殊な環境下で米ぬかを絞り、ガンマオリザノールや抗酸化性の高いビタミンEの含有量をほぼ100%残したまま油を抽出。また長期保存に必要な成分の安定性も確認した。 化粧品の植物原料にはオリーブやアボカドの油もあるが、米ぬかの油はより保湿効果が高いという。 今後の課題は従来の抽出方法に比べ約5倍というコストの低減。メーカーに提供して2005年内の商品化を目指す。(中日新聞)
札幌市保健所は12日、中央区南5西3、三ツ星レストランシステムズ(谷川富成社長)の経営する居酒屋「食然美源 有き家」で、食事をした5団体43人にノロウイルスによる食中毒が発生したと発表した。同保健所は同店を11日から3日間の営業停止処分にした。同店は9日から営業を自粛している。 同保健所によると、患者43人は男性33人、女性10人で、1人が入院したが、全員快方に向かっているという。昨年12月28日に出された宴会料理を食べた翌日から、客が吐き気や下痢、腹痛を訴えた。 今月4日に連絡を受けた同保健所が患者の便を調べたところ、ノロウイルスが検出され、食中毒と分かった。 これで、同市内の昨年1年間のノロウイルスによる食中毒は8件で患者数は297人となり、1昨年の2件108人を大幅に上回った。同保健所は飲食店などに対し、▽調理器具などの消毒▽調理従事者の手洗い、衛生管理の徹底――などを呼びかけている。(毎日新聞)
九州を含めた各地の高齢者施設で、ノロウイルスによるとみられる集団感染が猛威を振るっている。生ガキによる食あたりを引き起こす冬を代表する食中毒ウイルスが、おむつ交換時の衛生面の不注意などによって入所者に次々と感染、寒さで体力が衰えたお年寄りが命をおとす「史上最悪の院内感染」(福岡市の感染症専門医)ともいえる事態になった。専門家によると患者はさらに増える勢いで、現場の衛生対策が急務といえる。 ■「汚物処理慎重に」 専門家指摘 施設側の対策急務 ノロウイルスは感染力が強いが、健康な人なら嘔吐(おうと)や下痢などの症状が出ても一―二日で治まり、後遺症もない。ところが、寝たきりの高齢者などは、抵抗力が落ちているため肺炎などを起こし、最悪の場合は死に至る。 福岡和仁会病院(福岡市西区)の向野賢治医師(感染制御医)は「抗ウイルス薬がなく点滴などで対処するしか手の打ちようがない。下痢便と嘔吐物を処理する時に、マスクと手袋の着用を徹底し、手を洗うことが最も大事だ。汚物がついた衣類も放置しないように」と指摘する。 厚生労働省によると、二〇〇三年に報告された食中毒患者のうち、ノロウイルスが原因だったのは約三分の一の約一万六百人。しかし、国立感染症研究所の宮村達男ウイルス第二部長によると、感染者のうち生ガキを食べていた人は10―20%程度で「調理人や、乳幼児や高齢者の便を処理する人から感染が広がっている」のが特徴だ。 今回の集団感染も「施設のお年寄りが生ガキを食べるなど考えられず、そもそもの感染源はスタッフでは」(老人施設関係者)との受けとめが強い。常勤医が不在な特別養護老人ホームなどでの感染例が多く報告されているが「病院での感染もあるはずだ」とみる人もいる。 高齢者医療や介護に詳しい「市民の立場からのオムツ減らし研究学会」の田中とも江代表は「トイレに誘導した方が、お年寄りもスタッフも手を洗うことができ、感染リスクは格段に下がる」と訴え、一律におむつを着けさせがちなケアのあり方にも問題提起する。(西日本新聞)
本島南部の老人ホームの入所者、職員から昨年12月中旬以降、食中毒や感染症の原因となるノロウイルス(小型球形ウイルス)が検出された問題で、県長寿社会対策室は11日、特別養護老人ホームなど県内の高齢者施設163か所に対する実態調査に乗り出した。下痢、発熱などの有症者の有無や入院状況などを問う調査票を送り、早ければ12日ごろまでに全体の状況を把握する方針。一方、ノロウイルスが検出された老人ホームに併設する保育園の園児2人からも同時期にウイルスが検出されたことが11日、明らかになった。園児は昨年末時点で、すでに回復しているという。 南部福祉保健所によると、南部の老人ホームなどで発熱、嘔吐(おうと)、下痢などの症状を訴えたのは12月8日から19日にかけて、入所者27人、職員5人、保育園児16人の合わせて48人に上った。同保健所が検便した結果、入所者9人、園児2人、職員4人の合わせて15人からウイルスが検出された。15人は昨年末までに、全員回復している。 同保健所は保育園児が感染したことについて、「職員の子どもを預かっている園なので、親から感染した可能性が高い」と説明している。同ホームに対しては、手洗いの徹底、調理場の消毒、おむつ交換後の手袋交換などを指導した。 保健所は「先月20日以降は下痢、発熱を訴える人は出ていない。施設を通して感染する可能性はない」と話している。 事態を重く見た県長寿社会対策室は11日、高齢者が集団で生活する特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設、グループホームの合わせて163か所に対して、下痢、発熱などの有症者の有無、入院状況などを問う、調査票を送り、回答を求めた。早ければ12日にも状況を把握する方針だ。また、これらの施設に加え通所介護、通所リハビリテーション施設に対して11日、手洗い、うがいの励行、衛生管理の徹底を呼び掛ける文書を送った。(琉球新報)
広島県福山市の特別養護老人ホームで7人の死者を出したノロウイルスの集団感染で、今冬は38都道府県で約8280人が感染(疑いも含む)し、うち男女14人が死亡していることが11日、毎日新聞の調べで分かった。国内では例年12月から2月にかけて流行のピークを迎えるため、厚生労働省は高齢者や乳幼児への衛生管理を徹底するよう呼びかけている。 毎日新聞が11日午後5時現在で各地の自治体に問い合わせたところ、昨年11月以降、ノロウイルスが原因と疑われる死者が出たのは、特別養護老人ホームで7人が死亡した広島県のほか、秋田県が2人、山形、千葉、神奈川、石川、愛媛の各県が1人ずつ。 このうち、秋田市の特別養護老人ホーム「河辺荘」では今月初め、入所者の女性(95)と男性(81)の2人がおう吐物の逆流が原因の誤嚥性(ごえんせい)肺炎で死亡。同施設では昨年末から入所者や職員ら48人がノロウイルスに集団感染したことから秋田県は2人の死亡との因果関係もあると見て調べている。 山形市の国立病院機構山形病院でも、今月4〜10日に入院患者ら27人が下痢や吐き気などを訴え、9日に女性(51)が死亡。患者5人からウイルスが検出された。山梨県富士吉田市の介護老人保健施設では、先月から入所者ら78人が下痢や吐き気などの症状を訴え、女性(87)が死亡。職員が入所者のおむつを取り換える際の消毒など、2次感染対策を徹底していなかったという。 石川県辰口町の介護老人保健施設では、今月5日以降、入所者32人が吐き気や下痢を訴え、90代の男性が死亡した。(毎日新聞)
特定の方法で養殖したトラフグの肝臓は無毒という研究結果を受け、佐賀県などが政府に提案していた構造改革特区「ふぐ肝特区」について、厚生労働省は11日、食品安全委員会にリスク評価を諮問した。厚労省は昨年7月、安全性が確立されていないとして提案を却下する考えを示したが、佐賀県側の要望を受け、改めて第三者の専門家に判断を委ねることを決めた。 フグの肝臓に含まれるフグ毒(テトロドトキシン)は毒性が強く、死亡事故が後を絶たないため、厚労省は1983年から有毒種、無毒種を問わず、食用にすることを禁じている。 しかし、長崎大水産学部の研究チームが、フグ毒は海中の細菌が生み出し、プランクトンやカニ、マキガイなどを経てトラフグの体内に蓄積するため、こうした餌を食べさせない方法で養殖することで、肝臓を無毒化できるという研究結果を発表。 これを受け、佐賀県と同県嬉野町は昨年6月、特定の方法で養殖、無毒化したトラフグの肝臓を食用として提供する構造改革特区を国に提案した。(時事通信)
美容効果があるとされる健康食品、ローズヒップの実を加えた飼料でニワトリを育てたところ、黄身のうま味が増した卵ができた。開発に成功した山田鶏卵(山形県米沢市)は、親鶏に活力を与えることで卵にも良い影響が表れたと分析しており、今春の販売開始を目指している。 同社は数年前に、配合飼料に山形特産のベニバナの花びらを混ぜた卵を開発した。その時に協力した山形市在住の料理研究家のアドバイスを受け、昨年6月から南米アンデス産のローズヒップの実を一定量配合した飼料をニワトリに与え、「ローズヒップ卵」の研究を重ねてきた。 研究の結果、卵特有の生臭みが消えたほか、ローズヒップの色素の影響で多少赤みがかった黄身に、コクと甘みが増したという。 山田浩樹社長は「ローズヒップを与えたことで親鶏の毛につやが出てきた。親の活力が卵にも良い影響を与えている」と話す。 今後は、コスト面でさらに検討を重ねた上で、通販やローズヒップ愛好者に向けた販売などの可能性を探る。山田社長は「健康食の付加価値を付けた卵は消費者の人気が高い」と話し、販路開拓に期待を寄せている。 [ローズヒップ]主に南米チリのアンデス山ろくに群生する野バラ。その真っ赤な実には、ビタミンC、リコピンなど栄養成分が豊富に含まれる。美容効果があるとして、実の果肉を乾燥させて砕いたティーや、種から抽出したオイルがブームを呼んでいる。(河北新報)
広島県福山市の特別養護老人ホーム「福山福寿園」で入所者が下痢などを発症、7人が死亡した問題で10日、市が設置した調査委員会の初会合が開かれた。調査委は、食材との関連が見つかっていないとして、昨年末以来の集団発症は、食中毒ではなく、ノロウイルスが人から人へ感染したのが原因との見解を示した。 また、福山市保健所の調べで、昨年末以降、同園の職員20人に下痢などの症状が出ていたことが新たに判明。症状のあった人は入所者を含め62人となった。(時事通信)
特別養護老人ホームなどの高齢者施設で、感染症か食中毒が疑われる下痢や嘔吐(おうと)などの集団発生が全国各地で相次いでいる問題で、広島県福山市の「福山福寿園」のケースを除き、10日公表された分だけで症状を訴える人は、8府県の212人に上った。 これで8日夜から10日までに公表されたものだけで、発症者は12道府県の639人(福山福寿園の62人を除く)になった。 千葉県鋸南町の特別養護老人ホームでは、感染性胃腸炎が疑われた入所者の男性(82)が嘔吐物を詰まらせて死亡するなど、職員と入所者の合計50人が下痢や嘔吐を訴えた。(共同通信)
感染性胃腸炎とみられる症状を訴え、公表されただけで九道府県で四百六十人以上の発症者などが出ている問題で、入所者七人が死亡した特別養護老人ホーム「福山福寿園」(広島県福山市)が今月四日から実施した原因究明の検査項目にウイルス検査が入っていなかったことが九日、分かった。「(症状の重くなる可能性のある)細菌の有無についてまず考えたため」と同園は説明するが、保健所の場合は細菌、ウイルスを同時に検査。福山市の調べで、ウイルスによる感染症の可能性が強まっており、同園の判断の甘さが浮き彫りになった。 市によると、同園は昨年十二月三十日から入所者が次々に下痢や発熱などの症状を訴え、翌三十一日に一人が死亡。 その後も死亡者が相次ぐ異常事態の中、同園は一月三日の段階で食中毒を可能性の一つとして想定。同園を運営する社会福祉法人の岡田剛理事長が院長を務める医院で、採便するなど食中毒検査を実施した。 食中毒は大腸菌などの細菌だけでなく、ノロウイルスやロタウイルスといったウイルスも原因となりうる。このため、保健所は原因特定などの目的から細菌とウイルスの検査を同時に行うが、同園が行った検査項目は大腸菌やサルモネラ菌などの細菌だけだった。 冬場は細菌よりウイルスが原因の下痢などが多いため、ウイルス検査は食中毒に限らず感染症などの原因特定のためにも重要な作業という。 ある福祉施設の職員は「冬場は食中毒だけでなく、ウイルスにも気をつけるのは当然。窓を閉めきるような冬は換気が悪く蔓延(まんえん)しやすい」と指摘。 同園は細菌検査しか行わなかったことについて「施設の食事をとっている人もいない人も症状を訴えていたので(症状が重くなる可能性がある毒性の)強い細菌の方をまず考えた」という。 これに対し、市は「通報がなかったことが何より問題。原因のさまざまな可能性を探るため、細菌、ウイルスいずれの検査も必要だった」としている。 ◇ ◆ノロウイルス、ほとんど経口感染 厚生労働省のホームページ「ノロウイルス食中毒の予防に関するQ&A」(http://www.mhlw.go.jp/)から ノロウイルスはどうやって感染するのですか? ほとんどが経口感染で次のような感染様式があると考えられています。 (1)汚染されていた貝類を生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合 (2)食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者など)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合 (3)患者のふん便や吐ぶつから二次感染した場合 また、家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ直接感染するケースもあるといわれています。 感染するとどんな症状になるのですか? 潜伏期間(感染から発症までの時間)は24−48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度。通常、これら症状が1−2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。 発症した場合の治療法はありますか? 現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。通常、脱水症状がひどい場合に輸液を行うなどの対症療法が行われます。 生カキが食中毒の原因として多いと聞きましたが、本当ですか? このウイルスによる食中毒の原因食品として生カキ等の二枚貝あるいは、これらを使用した食品や献立にこれらを含む食事が大半を占めています。二枚貝は大量の海水を取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残し、出水管から排水していますが、海水中のウイルスも同様のメカニズムで取り込まれ体内で濃縮されます。(産経新聞)
全国の高齢者施設でノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎が相次いでいる問題で、厚生労働省は10日、発生やまん延防止策の徹底を求める通知を全国の自治体に出した。 通知では、▽職員や入所者の手洗い、うがいの励行▽施設内の消毒など衛生管理の徹底▽感染症や食中毒が起きた場合の行政への速やかな連絡――などを管内の高齢者施設に周知徹底するよう指示。同省老健局は「ノロウイルスは抵抗力の弱い高齢者が感染すると重症化する恐れがあり、十分気をつけてほしい」と呼びかけている。(読売新聞)
政府が、食品の生産・流通の履歴を追跡できる履歴管理(トレーサビリティー)システムを、2007年度までに、野菜や果物など主要生鮮食品の5割に普及させる方針を固めたことが7日、明らかになった。 履歴管理システムは、昨年12月から国産牛肉で導入されているが、他の食品についても2005年度から、一辺1ミリ以下の微細なIC(集積回路)チップを組み込んだICタグ(電子荷札)を使ったモデル実験や、システム導入の指針を作成、普及を促す。消費者の安心・安全に対する関心の高まりに対応する。 対象となるのは、野菜や果物のほか、鶏卵や肉類などで、2007年度に主要50品目の半分でシステムを利用可能とする方針だ。 スーパーなどの店頭の端末に、電子荷札やモザイク模様の「QRコード」がついた農産物をかざすと、生産地や使用農薬などの履歴などが細かく表示される仕組み。食品安全上の問題が発生した時に、関係者や流通経路を簡単に把握できる。 政府は、2005年度から、民間公募で、電子荷札などを活用した履歴管理システムを開発する。モデル地区を設けて、実証実験も行う。1つ数十円の電子荷札の生産コストも、5円程度に引き下げる。業界ごとに履歴管理の方法が異なると、普及の足かせとなる可能性があるため、農水省が品目ごとに導入指針を設ける。 履歴管理システムは、欧州連合(EU)では1990年代後半から導入が進んだ。日本ではBSE(牛海綿状脳症)の発生や食品の偽装表示問題で食品の安全・安心に対する不信感が高まり、国産牛肉で先行して導入された。(読売新聞)
県食品監視課は、県内卸売市場のすべての仲卸業者(63施設)を対象とした食品表示に関する実態調査を初めて行い、5日、結果をまとめた。調査した2586品目のうち339品目(13・1%)に不適正な表示があった。 調査は昨年7〜11月に実施。名称や産地など、JAS法、食品衛生法、景品表示法による食品表示を青果(29施設、1545品目)と水産(34施設、1041品目)の2部門で調べた。 品目別の適正表示率は、青果部門では93・5%と高かったが、水産部門は77・0%と低調で、水産仲卸しのうち、全商品の表示が適正だったのは3施設(8・8%)にとどまった。不適正表示は名称の誤記や表示項目の欠落が多く、実際と異なる原産地を偽装表示するなどの悪質な表示はなかったという。【山田泰蔵】(毎日新聞)
京都府丹後保健所は6日、管内の高齢者施設で集団胃腸炎が発生した、と発表した。施設は伊根町六万部の特別養護老人ホーム「長寿苑」で、入所者ら21人が発症。うち3人からノロウイルス(小型球形ウイルス)を検出した。感染症、食中毒の両面で調査している。 同保健所によると、2日から入所者19人と職員2人が軽い下痢や嘔吐(おうと)の症状を示した。現在は全員が快方に向かっているという。 ノロウイルスは生ガキなどに含まれ、患者の便などを介して2次感染する。今冬、高齢者施設での集団胃腸炎は府内で3施設目で、同保健所は手洗い励行などの予防を呼びかけている。(京都新聞)
先月30日に大津市雄琴1の旅館「びわ湖花街道」に泊まった客13人が、下痢やおう吐、発熱などの症状を訴えた。大津保健所は4日、集団食中毒と断定し、同旅館の主厨(ちゅう)房を5日から3日間、営業停止にした。発症者の症状は軽く、全員快方に向かっているという。 県生活衛生課によると、今月1日午後、宿泊客から食中毒症状の訴えが同保健所にあった。同保健所が調べたところ、先月30日に宿泊し、同日の夕食と翌31日の朝食を食べた複数のグループで、3〜84歳の男女計13人が発症したことがわかった。【服部正法】(毎日新聞)
昨年12月25日から28日にかけて、サッカー大会出場のため波崎町内の宿泊施設に泊まっていた男子高校生22人が下痢や吐き気などの症状を訴えた問題で、県は4日、ノロウイルスによる感染症の可能性が極めて高い、と発表した。 県保健予防課によると、検便の結果、発症者4人と調理従事者1人からノロウイルスが検出されたという。厨房(ちゅうぼう)施設や高校生に出された食事からは、食中毒菌は検出されなかった。【須田桃子】(毎日新聞)
秋田県横手市の駄菓子屋などで売られていた、目玉焼きを上に乗せ福神漬けをトッピングした独特の焼きそばが、“ご当地グルメブーム”の影響などで再発見され、焼きそば目当ての観光客が増加している。 市職員が手弁当で食べ歩いてデータを収集、店ごとの味、特徴を観光協会のホームページで公開したのが復活のきっかけ。当初、傍観していた横手市も「焼きそばの町」を目指し、同じく焼きそばで町おこしを進めるライバルの太田市(群馬)や富士宮市(静岡)と共同イベントを開催するなど庶民の食を縁にした連携を進めている。 「横手やきそば」は太く真っすぐなゆでめんを店ごとに違う甘口ソースでいため、仕上げに半熟の目玉焼きや福神漬けを添える。戦後、屋台や駄菓子屋で安く売られたが、家庭用焼きそばめんの普及などで衰退していた。(共同通信)
4日午後10時15分ごろ、茨城県水海道市坂手町、日本ハム食品の関東プラントで、食パン生地が入った容器にふたをして業務用オーブンに入れる作業をしていた日系ブラジル人の派遣社員ギボ・マルセロ・シゲアキさん(23)(水海道市豊岡町乙)が、オーブンの入り口部分で首を挟まれているのを警報で駆け付けた同僚が発見した。 ギボさんは病院に運ばれたが、約1時間半後に死亡した。死因は窒息死。 水海道署の調べでは、オーブンにはバーで容器を押し込む装置がついており、ギボさんは、バーに首を挟まれたらしい。同工場では社員約550人のほか、約600人の日系ブラジル人が勤務しているという。(読売新聞)
更年期障害や骨粗しょう症予防に効果があるとして人気の健康食品、大豆イソフラボンは、同じように摂取しても、個人の体質の違いによって骨粗しょう症予防の効果に大きな差があることが4日までに、国立健康・栄養研究所の石見佳子食品成分機能表示研究室長らの研究で分かった。 石見室長らは、女性ホルモンが低下して骨粗しょう症になりやすい年代の女性(平均年齢52歳)約30人に、毎日75ミリグラムのイソフラボンを摂取してもらった。 半年後に骨粗しょう症のバロメーターである骨密度を測ると、骨密度が大幅に低下した人と低下がある程度抑えられた人がほぼ半々だった。(共同通信)
京都府八幡市は、自然災害や事件事故を未然に防ぎ、発生時に被害を最小限にとどめるための行動指針「危機管理基本マニュアル」を作成、仕事始めの4日、庁内のパソコンネットワークを通じて全職員に周知徹底を図った。 危機管理基本マニュアルは、「総則」「平常時の危機管理」「緊急時の対応」「危機収束時の対応」「個別マニュアルの整備」の5章からなる。対象とする危機として、地震や風水害、重大事故をはじめ、テロ、集団食中毒などの健康被害、公共施設への不審者侵入事件などを掲げている。 内容は、緊急時の職員の初期対応、情報連絡体制、危機管理対策会議の設置や広報対応など基本事項を盛り込んでいるほか、平常時の点検活動など予防策、危機情報の発見・分析から再発防止策を講じるまでの一連の行動指針を示している。 今後、想定される危機パターンについて、各部署が個別の活動マニュアルを策定する方針。 同市は、昨年7月の機構改革で庁内に危機管理監を置き、危機管理に対応する事務局として市民自治・安全課を新設していた。(京都新聞)
滋賀県生活衛生課は4日、大津市雄琴1丁目の旅館「びわ湖花街道」(佐藤良治社長)で食事をした宿泊客13人が嘔吐(おうと)や腹痛などの食中毒症状を訴えたため、大津保健所が同旅館の主厨房を5日から3日間の営業停止とした、と発表した。 県によると、13人は県内外の3歳から84歳の男女。31日午後11時半ごろから2日午前零時ごろにかけて症状を訴えた。いずれも同旅館の12月30日の夕食と31日の朝食をとっており、同保健所はこれらの食事が原因の食中毒と断定した。全員が軽傷で、快方に向かっているという。(京都新聞)
岩手県陸前高田市の広田湾漁協は、アワビに識別用タグ(荷札)を装着して密漁や産地偽装を抑止するトレーサビリティー(生産履歴表示)システムを試験的に導入した。漁協は「産地イメージの向上やブランド化にもつながる」と期待している。 タグはプラスチック製で長さ約1.5センチ、幅約1センチ。ラベルに漁協の愛称「JFひろた湾」と6けたの管理番号が表示されている。強力なステンレス製クリップで貝殻の部分を挟んで取り付ける。 一度付けたタグは容易に外すことができず、無理に外すとラベルが破けるため、使用済みタグを再利用した産地偽装も防ぐことができる。 先月28日には市内の漁港3カ所で水揚げしたアワビ約1万4000個のうち、2000個にタグを取り付けて出荷した。購入者にはアンケートを実施し、「産地が分かり安心」「タグが邪魔」「アワビが弱る」などから感想を選んでもらう。 タグを提供した全国漁業協同組合連合会によると、タグの単価は20円程度だが、採用が広がればさらに下げることが可能という。 広田湾漁協は「普及すればタグのないアワビは正規の漁獲物でないと分かる。タグの管理方法やコストなど課題はあるが、今後さらに装着量を増やせれば」と意欲を見せる。 アワビへのタグは宮城県歌津町漁協が放流前の稚貝に取り付けることを始めたほか、宮城県漁連もIC(集積回路)付きタグで生産地や水揚げ日を追跡するシステムを検討している。(河北新報)