コレステロール対策に朗報? 味の素は三十日、悪玉コレステロールを下げる効果のあるマヨネーズタイプの新製品「ピュアセレクト サラリア」を九月十日に発売すると発表した。 大豆などから抽出した「植物ステロールエステル」という成分を含み、コレステロールの吸収を抑える働きがある。厚生労働省から特定保健用食品として認可され、国内で初の商品化。価格は同社レギュラー製品の二倍程度と高めだが、来年度に三十億円規模の売り上げを目指すという。 健康志向の高まりから家庭用マヨネーズ市場全体は年々縮小傾向にあり、昨年は前年比約6%減の約四百六十五億円規模。ただカロリーを抑えるなど健康面で付加価値の高い商品は、昨年は前年比6%成長し、全体の二割を超えた。(産経新聞)
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飯縄、黒姫、戸隠、妙高、斑尾。新潟県との県境にある北信5岳に囲まれた、すり鉢状の傾斜地にある長野県北部の牟礼村。スキー、温泉など豊富な観光資源に恵まれ、年間60万人が訪れる人口約7500人の村で、昨春から売り出されたのが「イタリアンジェラート飯綱の風」。中でも、「香ばしくて、おいしい」と好評なのがそばの実味のアイスクリームだ。 開発したのは、村と農協などで作る第三セクター「牟礼村ふるさと振興公社」。半数が農業に携わる村民の高齢化が進むなか、田畑の管理を支援するために設立された。その一方で、特産品を使った商品の開発も手がけてきた。「イタリアンジェラート飯綱の風」はそば焼酎、十割乾そばに続く牟礼村の特産品“飯綱の風シリーズ”の第3弾。 そばの実を、黒姫高原の濃厚なミルクで包み込んだアイスクリームは、口に含んだ瞬間、そばのまろやかな風味が口いっぱいに広がる。実をほどよい大きさにつぶした上で蒸し、さらにあぶることでナッツのような香ばしさを引き出すなど手がかかっており、1日200個ほどを作るのが限界。最近では長野市などから車で買いに来る人も多いという。 村は、その地形から1日の寒暖の差が激しく、昼の暖かい時間に成長したそばの実は夜の寒さで引き締まって甘味を増し、そばの産地である長野県の中でもその品質は折り紙つき。そば屋を経営し、開発にも携わった平塚慶吾さん(49)は「生で食べてもおいしい自慢のそばの実。ぜひ、その食感と口に広がる風味を味わってほしい」と話す。 ジェラートはそばの実味のほか、村の特産品であるりんご味などもあり、公社で販売されている。【北川仁士】毎日新聞
野菜、果物にもソムリエが登場、しかも若いOLや主婦らに受けている−−。ワインブームとともに定着したソムリエだが、日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が01年8月の設立とともに「野菜や果物に精通して楽しく食べよう」とマイスター資格制度を取り入れた。 ジュニアマイスター、マイスター、シニアマイスターの3コースがあり、ジュニアの場合、食べ物としての野菜、果物の性質、価値を知る▽野菜、果物の楽しさを個人として実感、日々の生活に役立てる−−などが習得課題。マイスターコースになるとジュニアマイスターで得た知識、考え方を基礎に、野菜、果物の生産、流通、マーケティングの専門知識を習得する▽業界の歴史を学び、現状を的確に認識する力などが課題。シニアになると野菜、果物の分野で個としてプロになれるなどさらに高度になる。 8月現在でジュニアは2813人、シニアで4人が同協会の講座を受講、ジュニア1976人、マイスター107人が同協会の認定試験を受験、ジュニア1726人、マイスター44人が合格した。同協会の話では、ジュニアの約8割が女性で「資格を得てよりよい就職をというより、野菜、果物の栄養、旬などを詳しく知って日常の食生活に生かしたい」という人が多かったという。 京漬物の老舗「大安」の取締役で生産部長の中村法文さん(42)もジュニアコースを受講、認定試験に合格した。中村さんは漬物に使う野菜鑑定の大ベテランだが、会社の勧めで営業部長とともに受講した。「栽培、栄養、カラーコーディネート、料理法、コミュニケーションの5科目があり、知っていることも多かったが、色の組み合わせなどは参考になった」と話している。今後、シニアに挑戦するかどうかは「個人としてはまだ考えてないが、資格がキャリアアップの手段として認められるようになれば、スーパーなどでの需要がありそうなので、このマイスター制度は普及していくかもしれない」と話していた。 毎日新聞
山梨県福祉保健部は二十七日、西八代郡上九一色村本栖の県立本栖湖青少年スポーツセンター(赤池克巳所長)に宿泊した静岡県立静岡東高(静岡市)の陸上部員ら計二十六人が食中毒症状を訴えたと発表した。 同センターの食事以外に共通食がないことや診察した医師の話から、県は同センターの食事が原因の集団食中毒と断定。調理業務を委託している河口湖ホテル(南都留郡富士河口湖町船津一九七、宮下幸雄社長)のセンターでの営業を同日から三日間停止処分とした。患者は全員、快方に向かっている。 県衛生薬務課によると、食中毒の原因となった食事が出された可能性が高い今月十六日の昼食は、宿泊者二百六人が食べた。このうち同校陸上部員と指導者の十人、静岡県立吉原工業高(富士市)の陸上部員十四人など計四団体二十六人が十七日午前六時ごろから食中毒症状を訴えた。いずれも軽症で入院する患者はいなかった。 十六日昼食のメニューはコロッケやカレーライスなど。現在のところ原因食品や原因菌は判明していず、県は特定を急いでいる。 一方、同センターに静岡東高から「食中毒患者が出た」との連絡が入ったのは二十日夜。その後、同センターが衛生薬務課に連絡したのは二十二日朝で、県内部での連絡に約一日の空白が生じた。 赤池所長は「二十日夜に高校から連絡を受けた宿直から、二十一日夕方に連絡を受けた。静岡の保健所などに確認したが、休日のため確認作業に時間がかかってしまった」と釈明している。 また山梨県は二十六日まで同センター調理室の営業を認めていた。「患者が県外だったため断定までに時間を要した。連絡を受けた二十二日からは吉田保健所の職員が立ち入り、衛生指導しながら調理を認めていた」と説明している。
県生活衛生課によると、東海市富木島町東山の「焼肉純ちゃん上野台店」で今月4日に食事をした男女各1人に、病原性大腸菌O157を原因とする食中毒が確認された。同課は27日、同店を原因施設と判断して営業禁止処分にした。 同課によると、この男女は別々のグループで食事をした男性(74)と女性(21)で、下痢や腹痛を訴えて医療機関で受診したが入院はしておらず、既に回復している。県内でO157による食中毒が確認されたのは97年以来という。【永海俊】(毎日新聞)
県は27日、長門市内の農家が出荷したハウス栽培のナスから、食品衛生法の基準値を超える残留農薬を検出したと発表した。23、26日に出荷した260キロのうち84キロを既に回収した。近く、この農家を農薬取締法に基づき文書指導する。 農薬は有機リン系の殺虫剤「EPN」。ガス化しにくく、ハウス栽培のナスへの使用は禁止されている。この農家は高温で発生したハダニ除去のため21日に1回散布したという。 長門環境保健所のサンプル検査で基準値(0・1ppm)を超す0・25ppmを検出。ただ、成人1日の許容摂取量の10分の1程度であり、県は「直ちに健康への影響はない」としている。 長門市、菊川町、三隅町の八つのスーパーや個人商店で販売され、約180キロは販売済みだった。問題の農家は県に対し「『露地物のナスを除いて使用できない』と書かれた農薬のラベルを見落とした。この農薬は初めて使った」と説明しているという。【佐藤丈一】(毎日新聞)
甘露煮などの製造・販売会社「京まろん」(本社東京都台東区)の天草工場(熊本県本渡市)が食品加工過程で生じるクリの煮汁などを有明海に垂れ流していたとして、三角海上保安部(同県三角町)は27日、工場長の猪木義和容疑者(44)ら従業員3人と法人としての同社を、水質汚濁防止法違反容疑で書類送検した。いずれも容疑を認めている。(時事通信)
本来は酸っぱい味の飲食物を甘いと感じさせる不思議な植物たんぱく質「クルクリン」の構造を解明し、人工合成することに成功したと、名古屋市立大と味の素 などの共同研究グループが26日発表した。糖尿病患者やダイエット中の人向けの新甘味料の開発に役立つと期待される。(時事通信)
高野口町の新しい学校給食共同調理場(同町向島)が完成した。2学期から町内の2幼稚園と4小中学校に計約1500食の給食を開始する。 65年に高野口小学校に併設した施設が老朽化したため移転新築した。鉄骨造り一部2階建て延べ1234平方メートルで、調理能力は2000食対応。水浸しの床など従来型の調理場の問題点を解消するため、オール電化、フルドライシステムを採用し、調理室を気温25度以下、湿度80%以下に保つなど安全衛生面に配慮した。 調理器具も焼き物、煮物などほとんどの調理が1台でできる多機能調理器や強力な真空冷却器など最新式の器具を導入。これまでは冷凍食品をボイルしていたハンバーグなども実際に焼くなど美しく、おいしい給食を子供らに届けることができるという。【上鶴弘志】毎日新聞
◇まず、市立3中学校で 中学生の昼食に家庭の手作り弁当持参を指導してきた明石市教委は25日、手作り弁当の持参が困難な生徒もいることから、9月中旬から市立3中学校で試験的に昼食の弁当販売を行うことを明らかにした。【小川昌宏】 試行されるのは望海、野々池、大久保の3校。市教委によると、市内の公立中学では約5%の生徒が家庭の弁当を持参できず、通学途中にコンビニエンスストアなどで菓子パンなどを購入しているという。 弁当販売は、育ち盛りの年代に栄養のある食事をとらせるのが目的。弁当の調理、販売は業者に委託し、生徒は当日までに食券を購入する。1食400円程度。市教委は来年度の市内全13校での実施を目指している。毎日新聞
府は25日、府内の給食弁当会社が購入したエビフライ用の中国産冷凍エビから、大腸菌を検出したと発表した。食品衛生法違反にあたるため、府は給食弁当会社に在庫の使用停止と保管を指示するとともに、食品を輸入した会社がある京都府に対応を依頼した。エビは油で揚げて調理されており、健康への影響はないという。 府が食品衛生監視指導計画に基づき、輸入冷凍食品25種類を検査して判明。給食弁当会社は7月中旬に8ケース(約640尾)を購入して冷凍庫に保管し、既に約500尾を調理していた。府によると、保管状況に問題はなかったという。【堀雅充】(毎日新聞)
愛知県健康福祉部に25日入った連絡によると、同県三好町の名古屋刑務所(知識優憲所長)で、男性受刑者72人が下痢や腹痛などの症状を訴えた。 同部によると、24日午後6時以降に症状を訴え、医務室で受診した。重症者はおらず、快方に向かっているという。 加茂保健所は、食中毒の疑いが強いとみて調べている。同刑務所では、受刑者が自分たちの食事を交代で作っているが、発症後は外部の業者から調達している。(読売新聞)
長野県は25日、使用禁止の添加物が検出されたとして回収を求めた中国産の春雨とビーフンの検査に誤りがあったと発表した。 県によると、食品衛生法で春雨に使用が禁止されている過酸化ベンゾイルについて、16業者が輸入販売する春雨など17種類を県環境保全研究所で検査した。このうち11業者の12種類から検出されたとして、7月30日と8月5日に商品名や業者名を公表し、製品の回収や廃棄を求めていた。 ところが、複数の業者から「使っていない」と訴えがあり、再検査を行った。その結果、過酸化ベンゾイルが検出されたのは1種類だけで、11種類からは検出されなかった。(読売新聞)
県生活衛生課は24日、食中毒の症状を訴えた長崎刑務所(諌早市)の受刑者が320人に増えたと発表した。診療所で診察を受けたのも36人と増えたが、現在は全員快方に向かっている。有症者数はさらに増える可能性もある。県央保健所は原因食材などの特定を進めている。(毎日新聞)
県は食中毒が発生しやすい気象条件になっているとして二十五日午前十一時、今年二回目の食中毒注意報を県内全域に発令した。 期間は二十六日午後十一時までの三十六時間。県内十一の保健所や県食品衛生協会などを通じて食品取扱業者に通知した。 県食中毒注意報発令要領に基づき平均気温や湿度など五項目を点数化。二十四日に発令基準を超え、今後も数日間は高温多湿の状態が続くとみられるため発令した。 県食品衛生課は、家庭でも(1)調理前、食事前、トイレ後の手洗い(2)調理器具の洗浄、消毒(3)生肉を扱う箸と食べる箸の区別などの徹底を呼び掛けている。県内では今年に入り、一件十六人(昨年同期十一件二百六十一人)の食中毒が発生している。
滋賀県は24日、遺伝子組み換え作物を流通させないため、商業目的での栽培を自粛するよう農家に要請する指針を策定したと発表した。指針に拘束力や罰則はなく、試験栽培は認める。 遺伝子組み換え作物をめぐっては北海道が3月、試験栽培を含めた屋外栽培を全面禁止する指針を決めるなど独自の対応を取る自治体が出ているが、西日本の都道府県レベルでは初めてという。 指針は、遺伝子組み換え作物に対する消費者の不安が払しょくされていないと指摘。農家に栽培計画の提出を求め、「商業栽培」は自粛を要請する。流通の恐れのない「試験栽培」は農水省の指針に基づき、周辺作物との交雑や収穫物の混入防止措置を要請し認める。(共同通信)
内閣府の食品安全委員会は24日、牛海綿状脳症(BSE)対策の検証について消費者と意見交換する2回目の「リスクコミュニケーション」を大阪市内で開いた。全頭検査見直しについて「検査が消費者の安心につながっている」として慎重な対応を求める声が相次いだ。 パネルディスカッションで全頭検査について「安全を守るためにコストをかけるのは当たり前。検査に検出限界があるのなら精度を上げる研究をすべきで、検査を省略するべきでない」(消費者団体事務局長)、「国産牛が安全、安心といわれているのは全頭検査があるから」(酪農組合副組合長)などの意見が出た。(共同通信)
小倉北区の女児(2)が今月中旬、病原性大腸菌O111に感染、溶血性尿毒症症候群を起こして危険な状態になっていたことが23日分かった。 北九州市保健医療課によると、現在も入院中だが、症状は落ち着いてきた。家族に症状はなく、検査している。市内でO111の発症が確認されたのは02年10月以来。(毎日新聞)
県内の女児(5歳未満)が病原性大腸菌O111に感染し、脳症で死亡したのを受け、県は女児が通っていた桐生保健福祉事務所管内の保育所で検便を実施、23日までに7人の園児の感染が確認された。うち患者は1人で既に回復、他の6人は症状はないという。 県によると、22日現在、検便を実施したのは園児79人、職員35人。保育所内の保存食や施設内のふき取り検査も行ったが、いずれも陰性だった。しかし「保育所が感染拡大の場になったと考えられる」として、23日から3日間、自主的に休園し、消毒しているという。【大貫智子】(毎日新聞)
[東京 23日 ロイター] シャープは、約300度の過熱水蒸気を食品に噴射するウォーターオーブン「ヘルシオAX─HC1」を9月1日発売すると発表した。 過熱水蒸気を使うことで食品の脂を減らすローカロリー調理や塩分を減らす減塩調理などが可能になるという。過熱水蒸気システムを家庭用調理器に採用するのは初めて。 希望小売価格は12万6000円。月産1万台。2007年度で50万台の販売を計画している。シャープは、健康志向の高まりを背景に脂や塩分を減らすといった機能を持つ高付加価値商品を投入、新市場を開拓する。 シャープは、過熱水蒸気を調理へ応用する技術を大阪府立大学と共同で開発した。世界的に脂肪や塩分の取り過ぎが問題になっており、食事や調理法への関心が高まっているため、同社は、脂や塩分を減らしたり、ビタミンCの減少を抑える働きがある過熱水蒸気調理に着目したという。 同社によると、新製品では、過熱水蒸気を使って食品に一気に多量の熱を与えるため、食品の油脂が溶け出すうえに、食品が熱で収縮するので油が染み出て表面の水と一緒に流れ出すという。同社推計では、新製品で調理すると、ステーキの場合でフライパン調理の約8倍も油を落とし、カロリーも約13%カットするという。(ロイター)
◇発展の功労者は戦国の武将たち おいしいみそ汁の作り方を知りたいと割烹(かっぽう)「汁八(しるはち)」(東京・銀座)を訪ねた。ご主人の青木宏衛(あおきひろえ)さんは「みそ汁は添え物ではありません。一つの料理です」と心を込めてみそ汁を出している。 「だしがうまく取れれば半分以上出来たようなものです」と調理長の鹿野勝巳(しかのかつみ)さん。まず水とこんぶを入れた鍋を沸かす。鍋が沸いても強火のまま煮立たせる。「こんぶにつめを立てて、そのつめ跡が戻らなくなるぐらいまで煮続けます」とのこと。 「さあ火を止めます」。ここからが手際の勝負。かつおぶしをつかみ入れること3回。鍋の表面が埋まるぐらいだ。「ここできちんとあくを取ることがポイント。かき回さないで!」。濁るからだ。かつおぶしが鍋の半分ぐらいまで沈んだら、お玉で静かにすくって漉(こ)す。ではみそを……。「みそは召し上がる直前に入れます」 ●小坊主の知恵? みそは大豆を蒸すか煮た後、麹(こうじ)と食塩を加えて発酵させたものだ。みそ製造業者などでつくる「みそ健康づくり委員会」によると、その起源は紀元前700年ごろに中国で使われていた「醤(しょう)」と呼ばれる調味料とみられている。醤は当初は魚や肉を発酵させたが、やがて大豆や雑穀に変わり、これがみそのご先祖となる。 日本に入ってきたのは奈良時代と考えられている。貴族らの食卓にしか並ばない高級食料品で、現物支給の給与にもなった。食べ物につけたり、かけたりして食べたらしい。みそ汁として使われるようになったのは鎌倉時代。「寺の小坊主がみそを失敬し、擂(す)って水を入れてみたらおいしかったことに始まる、という伝えもあります」と同委員会広報担当の長谷川保江(はせがわやすえ)さん。みそ汁の誕生で「一汁一菜」という食事形態も出来た。 ●注文派と自前派 みそ発展の功労者は戦国の武将たちだろう。保存食であるみそを兵糧として作らせていたのだ。 例えば、武田信玄(たけだしんげん)は遠征の際には、あらかじめ道中筋の農家などに注文生産させていた。中央味噌(みそ)研究所理事の毛利光之(もうりみつゆき)さんは「重いので現地調達したのでしょう」と推測する。一方、伊達政宗(だてまさむね)は、江戸の下屋敷の一つにみそ工場を建てた“自前派”だ。東京・品川に明治時代に伊達藩からみそ蔵を受け継いだ「仙台味噌醸造所」があり、今も仙台みそを醸造している。八木忠一郎(やぎちゅういちろう)社長は「江戸では『江戸甘』という甘みそが主流。政宗は江戸に3000人ほどの家来を率いていたらしいのですが、甘いみそは彼らの口に合わなかったため、原料を仙台から運び込んで醸造したようです」と話す。「優しさもあるでしょうが、したたかですよ。事が起きた時、食糧を自給できるのは強みですから」。リーダーとしての危機管理対策だったわけだ。 ●肉汁 織田信長(おだのぶなが)、徳川家康(とくがわいえやす)が好んだのは豆みそ。豆みそといえば「八丁みそ」。その名の由来は、家康の生まれた岡崎城(愛知県岡崎市)から西へ8丁、ざっと1キロ足らずの八丁村で仕込まれたためのようだ。1645年創業の八丁みその老舗「カクキュー八丁味噌」(岡崎市八帖(はっちょう)町)の企画室、西尾孝志(にしおたかし)さんによると、江戸時代、全国に広がった三河武士たちが各地で豆みそを披露。また徳川幕府は豆みそを江戸に取り寄せた。地元経済の活性化もあったのか。 「みそは日本人の知恵の産物」だと話すのは東京農大の小泉武夫(こいずみたけお)教授。「昔の日本人は肉を食べず、貧しかったようにみられることがありますがとんでもない。みそは畑の肉といわれる大豆を原料にし、牛肉と同程度のたんぱく質を含みます。みそ汁は“肉汁”なのです」 みそには肉や魚の独特の臭みを消す効果があり、一緒に焼くと香りもよいため、みそ漬けに利用される。また風味のある塩味が菓子にも合うため、みそあんにも使われる。さらにシチューやカレーなど洋風料理の隠し味にとひっぱりだこだ。 昔は各家庭でみそを作り、それが一番おいしいと思っていたことから生まれた「手前みそ」の言葉。今でも全国に1000種以上あり、麹の種類によって三つに分けられる。米麹を使った米みそは北海道から西日本の広い範囲で作られ、みその8割を占める。麦麹を使った麦みそは九州から瀬戸内海沿岸などで生産され、豆麹を使った豆みそは東海地方だ。またそれぞれ熟成期間によって赤や白の色がある。 こんな郷土色を映し出すみそ汁も近年食卓を離れつつある。総務省の家計調査によると、1人当たりの年間のみその購入量は約2・4キロ(03年)で、70年に比べると4割減。にもかかわらず、輸出量は昨年1年間で6400トンで70年の2・7倍。輸出先は米国が断トツで「ミソスープ」と親しまれている。 ●不動の豆腐とわかめ とはいえ、日本人がみそ汁の味を忘れてしまったわけでもない。日刊経済通信社によると、即席みそ汁の売上高は90年代に大きく伸び、ピークの99年が450億円で、ここ数年横ばいが続く。しかし、もともとインスタントみそ汁は現代ニッポン人を思って考案されたのではなく、日露戦争の際、軍隊の携帯用に乾燥みそが考えられたことに始まる。同委員会の調査によると、みそ汁の具の人気ランキングは(1)豆腐(2)わかめ(3)油揚げ(4)なめこ(5)大根−−の順。上位2位は不動とか。 ではそろそろみそ汁を−−。具は豆腐となめこを入れた赤出し汁。「豆腐はあらかじめ火を通すと、おわんの中で浮きやすいです」と鹿野さん。「みそは異なるメーカーのみそをあわせる方が味に深みが出ます」。赤みそと白みそを6対4の割合で入れ、隠し味に仙台みそとしょうゆをほんの少し混ぜる。ひと煮立ちしたところで火を止めるのが最後のポイント。 戦国武将たちもおわんの中では相性よく溶け合い、深くてまろやかな味だった。【三角真理】
国立健康・栄養研究所などの研究グループが全国の女子大生を対象に実施した大規模調査で、早食いの人ほど太っている傾向があることが明らかになった。とても速く食べる人は、とても遅く食べる人より平均5キロ以上、体重が重かった。「早食いは肥満の元」という言い伝えが実証される結果となった。 調査は97年に全国22大学の18歳の女子大生を対象に実施した。食べる速さのほか、身長・体重、食事の内容、生活習慣について聞いた。回答した1744人のうち、摂取カロリーが過多や過少な人、生活習慣についての回答が不十分な人を除く1695人分のデータを数年がかりで解析した。 食べる速さは「とても遅い」「比較的遅い」「普通」「比較的速い」「とても速い」の5段階で、自己申告してもらった。申告の確からしさを調べるため、1大学(222人)で友人にも評価してもらったところ、9割以上が本人の申告とほぼ一致した。 解析の結果、身長と食べる速さとの相関関係がなかった一方、「とても速い」と答えた人の平均体重は55.4キロ、「とても遅い」は49.6キロで、5.8キロの差があった。体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った体格指数BMIは「とても速い」が22.0、「とても遅い」が19.6で、ゆっくり食べる人ほどやせている傾向があった。 1日当たりの摂取カロリーは早食いの人ほど多く、摂取カロリー当たりの食物繊維の量は遅食いの人ほど多かった。また、早食いの人ほどダイエットに取り組んだ経験のある割合が高かった。運動習慣やたばこなどの生活習慣と食べる速度との関連はなかった。 研究は「生活習慣や運動量などのばらつきが少ない」との理由から女子大生を対象にした。現在は他世代の男女でも同様の調査を進めている。 同研究所の佐々木敏・栄養所要量企画・運営リーダーは、遅食いの人ほど食物繊維の摂取量が多いことに注目し、「早食いの人たちは、食物繊維の少ない速く食べやすい食事をしているため、満腹感を感じる前に必要以上に食べてしまうのではないか。早食いの人は、自然にゆっくり食べられる食べ物を選ぶよう心がけてほしい」と話している。【永山悦子】(毎日新聞)
地産地消運動などで地元食材への関心を高め、県産米の消費拡大を狙った「食料を考えるフォーラムin大分2004」が21日、大分市内のホテルであった。JA大分中央会などの主催。応募で県内各地から選ばれた約500人が参加した。 「食はすべての源」の演題で別府溝部学園短大の山本玲子教授が講演。「米は粒食。パンは粉食。体内での吸収速度は粉より粒の方が遅いため、米の方が腹持ちがいい」などと話し、地産地消の、ご飯とみそ汁を基本にした日本型食生活の重要性を説いた。 参加者は県産米ヒノヒカリのおにぎりや地元野菜などを使った旬の料理を試食。無農薬野菜を育てている大分市富士見ケ丘、主婦、宮崎すず子さん(52)は「おにぎりがもちもちしておいしい。安全な食材を食べるには、地産地消が不可欠と再確認しました」と話していた。【平野美紀】毎日新聞
BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザ問題はひとまず沈静化したが、全国の主婦の7割が、食品の安全性が「気になる」と考えていることが農林漁業金融公庫の調査で分かった。値段より安全性を重視する主婦も増え、国民の「食の安全意識」の高まりを裏付けた。 調査は消費者の食生活の実態を知るため、6月下旬にインターネットを通じて実施。全国の主婦2047人が答えた。 「食品の安全性について気になることがあるか」との問いに対し、65・6%が「ある」と回答した。「特別気にしない」は31・7%、「ない」は2・8%だった。「気になること」の内容(複数回答)では、「BSEや鳥インフルエンザなどの事件が後を絶たない」が58・3%と最も多く、「輸入食品の安全性」(34・1%)、「添加物の安全性」(31%)と続いた。 また、最近1年間で食品の安全性に関する知識が「増えた」という人は49・8%、「変わらない」は40・8%だった。知識が増えた人の中で、食品を買う際に「値段より安全性を重視するようになった」が53・7%、「表示の有無を確認するようになった」が27%、「生産履歴を確認するようになった」が12・1%いた。【望月靖祥】毎日新聞
健康食品開発・販売のボージャ沖縄(那覇市、嘉数なおみ社長)は20日、那覇市の沖縄産業支援センターで記者会見し、菊之露酒造(平良市)、江崎グリコ中央研究所(大阪市)との共同研究で、新商品「菊之露酒造直仕込み黒麹(こうじ)もろみ酢」と、栄養補助食品「同もろみ酢15倍濃縮エキス+海のコラーゲン アミノワーク」を開発したと発表した。岡山理科大臨床生命科学科の浜田博喜教授の協力で、産学連携の商品開発となった。 もろみ酢に含まれるクエン酸の血流改善、疲労改善作用と、江崎グリコ中央研究所が研究する成分「αGヘスペリジン」「マリンコラーゲン」の血流改善、美容効果を生かして商品化。 「黒麹もろみ酢」は500ミリリットル入り、3200円を予定。10月からテスト販売を始め、来年3月に本格発売する。もろみ酢をソフトカプセルに注入した「アミノワーク」は180粒入り、7140円で7月末に発売した。両商品とも、全国の大手小売店などでの取り扱いを予定している。 製造元となる菊之露の下地勝取締役は「もろみ酢はさまざまな効果があり、泡盛はさらなる進化を遂げると思う。もろみ酢の工場を建設中だ」と説明。江崎グリコ中央研究所の米谷俊所長は「長期摂取後のデータを集め、特定保健用食品への申請も視野に入れている」と述べた。(琉球新報)
長崎市食品衛生課は20日、同市下町の「三八ラーメン大浦店」と同市古賀町の「松本正勝商店」(鮮魚部門)の2店を同日から2日間の営業停止処分にしたと発表した。店で調理した食品を食べた客が食中毒になり、同日までに原因物質が特定されたため。 三八ラーメン大浦店は17日昼に出前をしたチャーハンを食べた50代の男性2人が軽い食中毒の症状を訴えた。原因物質はセレウス菌。また、松本正勝商店は15日に調理した鉢盛りの刺し身を食べた3グループ14人が発症した。原因物質は腸炎ビブリオ菌。(毎日新聞)
松山市保健所は20日、道後温泉の「ホテルはなゆづき」(同市道後鷺谷町)で、今月13日夜に夕食を食べた宿泊客ら40人(7〜74歳)が下痢や腹痛などを訴え、うち4人から食中毒菌「腸炎ビブリオ」を検出したとして、食品衛生法に基づき、同ホテルの厨房を20日から5日間の営業停止処分とした。女性1人が市内の病院に2日間入院したが既に退院。他の発症者もほぼ回復した。 ホテルから15日夕に「宿泊客の中に食中毒症状を訴えている人がいる」との連絡を受け、同保健所が調査。13日の夕食を食べた15都府県の218人のうち12都府県40人が発症していた。【小林祥晃】(毎日新聞)
山口県下関市に輸入された韓国産の生食用タイラギガイから食品衛生法で定めた基準値を超える腸炎ビブリオ菌が検出され、厚生労働省は19日、輸入業者に対し、同法に基づき検査命令を出すとともに、輸入した439キロ・グラム全量の処分を指示した。(読売新聞)
石川県食品安全対策室は、同県能登島町の旅館「島の宿 えのめ荘」に14、15日に宿泊した32人のうち、20人が下痢や腹痛などの症状を訴えたと発表した。うち12人が医療機関を受診し、1人が一時入院したが、全員が回復に向かっているという。20人に共通するのがこの旅館で提供された食事だけで、同室は旅館の食事を原因とする食中毒と断定した。この旅館は11〜13日にも腸炎ビブリオによる食中毒で調理部門の営業停止処分を受けており、再開直後に食中毒患者を出した。県能登中部保健福祉センターは事態を重くみて、調理部門を23日までの7日間、営業停止処分とした。 同室によると、症状を訴えたのは金沢市、大阪市などから訪れた10代から70代の男性13人、女性7人。14日〜16日の食事で、刺し身や焼き魚などを食べていた。 同県では、17日に「食中毒警報」を発令している。【森園道子】(毎日新聞)
県疾病対策室は18日、腹痛などで診察を受けていた県中部の女児(12)が病原性大腸菌O157に感染していたと発表した。感染源は不明。女児は入院中だが、快方に向かっている。(毎日新聞)
県は18日、提供した料理によって食中毒が発生したとして、音戸町先奥2の仕出し店「どうかた」に営業禁止処分を行った。県食品衛生室によると、今月15日昼に同店の刺し身やすしなどを食べた2グループ計10人が、16日午前2時ごろから、腹痛や下痢などの症状を訴え始めた。県呉地域保健所の調べでは、原因は腸炎ビブリオ。【小山内恵美子】(毎日新聞)
阿久根市の県立阿久根農高(大渡尚一校長、生徒289人)は、生徒が製造、販売しているジャムなどの加工食品シリーズ「3年A組」の商標登録を特許庁に申請した。同校は来春、阿久根高、長島高との統合を控えており、新「鶴翔高」に伝統の味と誇りを引き継ぐのが登録の狙いの一つ。 阿久根農高は89年に、地元食材を使った加工食品の製造を開始。豚肉の味噌(みそ)漬けやイチゴジャムなどを91年から「3年A組の○○」という名称で売り出した。発売当時、加工班はA組と呼ばれ、阿久根のローマ字表記の頭文字でもあることから、この名称を付けた。 現在は食品流通科の生徒110人が実習で製造しており、商品はミカンのジュースなども加えて13種。県内の道の駅やデパート、空港のほか、東京のアンテナショップでも販売され、年間販売額は1500万円に上る。 商標登録は7月2日に申請。同校農場長の馬場昭浩教諭は「生徒が生産物に自信と誇りを持ち、品質管理の重要性を自覚できる。知的財産権に対する知識も養えた」と話す。早ければ今冬にも登録されるという。【藤野智成】(毎日新聞)
石川県内で食中毒が多発していることから、県薬事衛生課は17日、「食中毒警報」を発令した。食品を取り扱う業者などに注意を呼びかける。 同課のまとめで、県内では先月25日から17日までに10件の食中毒が発生した。特に腸炎ビブリオによる食中毒が目立つといい、手洗いの励行や、食材の十分な加熱などを呼びかけている。 同県では今シーズン2回にわたって「食中毒注意報」を発令したが、発生が続いたため、警報を初めて出した。(毎日新聞)
【シンガポール18日時事】シンガポール農業・食品・獣医庁(AVA)は18日、マレーシアからの家禽(かきん)類の全面禁輸措置を取った。マレーシア当局から、H5型ウイルスの鳥インフルエンザがタイとの国境に近いクランタン州の飼育場で確認されたと通報を受けたため同措置を講じた。(時事通信)
和泉市内の保育園で「食の安全・安心」のため、農薬使用を抑えた「大阪エコ農産物」が今月から給食の食材に使われている。16日にはエコ農産物の認証を受けた市内産のジャガイモを使ったカレーライスが登場。市立国府第一保育園(小池順子園長、137人)では、園児たちが大喜びでほおばっていた。 市農林課によると、大阪エコ農産物は農薬の使用回数や化学肥料の使用量を通常の半分以下に抑え、遺伝子組み換え作物でないなどの基準を満たした作物を府が認証する制度で、01年12月に発足。同市内では02年春にトマト、キュウリなどが最初に認証された。【浜本年弘】(毎日新聞)
魚介類内のメチル水銀が人体に与える影響などを検討する厚生労働省の薬事・食品衛生審議会が十七日、大型魚の摂食制限の見直し論議を本格的にスタートさせた。同省は昨夏、妊婦を対象に、メカジキなど一部魚種の摂食注意を打ち出したが、今回の焦点はそのとき対象外となったマグロの扱い。同日の会合で日本で消費量の多いマグロも規制対象となり得るデータが明らかになったことは、水産業界のみならず国民全体にとって大きな意味を持つ。 同省は今後、健康への影響の許容量であるメチル水銀の耐容摂取量の審議を依頼している内閣府食品安全委員会の結論を待ち、摂食注意の内容を審議する方針。メチル水銀の低濃度暴露問題への日本の対応は、水俣病を経験していながら欧米に比べ遅れが指摘されてきただけに、審議の行方が注目される。 今回の見直しは、日本政府が自主的にというより、海外の動きを受けた。国際専門家会議が昨年、メチル水銀の耐容摂取量の基準を従来の半分に引き下げたうえ、欧米では摂取注意の対象魚種にマグロを含める国も出てきた。胎児への影響が心配される妊婦だけでなく、健康被害を受けやすい乳幼児や小児まで広げて注意を喚起する国も相次いでいる。 同省は七月末、食品安全委に対し、(1)メチル水銀の耐容摂取量の設定(2)胎児や小児などのハイリスクグループに関する検討を依頼。同時に、含有水銀量が高いとされるマグロを含む摂取注意事項の見直しに着手した。 同日の審議会では、同省だけでなく、水産庁や自治体など各種団体が実施した魚介類の水銀濃度調査が報告された。それによると、既に妊婦の摂食注意対象となっているメカジキ、クジラ類、キンメダイ、サメの四魚種のほかにも、一部のマグロ類を含む十八魚種の水銀濃度が国内規制値(総水銀0・4ppm、メチル水銀0・3ppm)を上回っていることがあらためて確認された。一部のマグロ類を含め、何らかの摂食制限の必要性があることも分かった。 同省は試算データを「対象魚の選定など不確定要素が多く、即見直しにつながるものではない」と説明。審議会でも「マグロは食する人の幅が広い。平均論ではなく、実態を踏まえた視点が大切」との指摘があった。 実際、国民栄養調査からも、マグロを食べる人は他魚種より多く、ツナ缶から刺し身まで食べ方や摂取量も多様。それだけに、食生活に深くかかわる商用魚種を、食の安全面からどう扱うかという難題が突き付けられた。 同省は当面、この問題を広く理解してもらうため、九月十七日に消費者らを対象にしたリスク・コミュニケーション(意見交換会)を開催。今回の試算データや対応方針についても同省のホームページで公開する。 同問題に携わってきた国立水俣病総合研究センターの坂本峰至・疫学研究部調査室長は強調する。「最も大切なことは国民に正確な情報を提供し、マグロについてもきちんと議論することだ。魚介類は栄養の供給源であり、偏った摂取でなければ問題はない。いたずらに魚を不安視するのではなく、リスクを正確に理解して食生活に生かしてほしい」(東京支社・毛利聖一)
東京都は十六日、東京都江東区の高齢者福祉施設に入所していた男性(八〇)が、腸管出血性大腸菌O157で死亡したと発表した。入所者と職員の計八人からもO157が検出されており、都では集団感染とみて原因を調べている。 都によると、男性は七月二十九日に下痢などの症状を訴え、都内の病院に入院。八日に死亡した。同施設は入所者百二十三人、職員三十四人。 都が同施設で出された食品を調べたところO157は検出されず、都は「食中毒の可能性は低い」としている。(産経新聞)
県は15日、相双保健所管内の医療機関で受診した男子幼児から病原性大腸菌O26を検出したと発表した。医療看護グループによると、男児は11日に下痢や血便の症状が出て、14日に感染が判明した。現在治療中だが、回復に向かっているという。病原性大腸菌の感染患者は今年25人目。【生野由佳】(毎日新聞)
北海道釧路保健福祉事務所は14日、タラコ加工品の原材料に食品衛生法で使用が認められていない発色剤が使われていたとして、釧路市の水産加工業「マルショウ クラタ」と同市内の魚卵加工業者「ヤマウロコ山本水産」の2社を文書で厳重注意とした。食べても人体に影響はないが、業者は自主回収している。 商品はマルショウが製造したイトヒキダラの魚卵を使用し、ヤマウロコが加工販売した「焼たらこ」と「焼めんたいこ」の2種類。使用が認められていない亜硝酸ナトリウムを発色剤として使っていた。今年1月からヤマウロコは東京都中央区や大阪市、静岡県浜松市など全国6カ所の市場に計7・6トンを出荷していた。(共同通信)
室生村下田口の社会福祉法人「特別養護老人ホーム室生園」(中野常男理事長)の入所者ら28人が腹痛などを訴え、県は13日、園内の給食施設の食事を原因とする食中毒と断定した。女性1人が入院したが、全員快方に向かっているという。給食施設は12日の朝食から運営を自粛している。 県によると、11日未明から12日朝にかけ、入所者93人と調理従事者ら9人のうち、23〜101歳までの28人が症状を訴えた。患者の便から腸炎ビブリオ菌が検出された。 一方、河合町高塚台の近畿郵政研修所で、研修中の郵便局員24人が10日夕から下痢などの症状を訴え、葛城保健所は13日、食中毒の疑いがあるとみて施設内の食堂を自粛するよう指導した。症状は軽く、全員は医師の診察は受けずに回復したという。研修所には近畿2府4県から182人が参加し、今月2日から13日までの日程で研修が行われた。(毎日新聞)
県生活衛生課に十三日までに入った連絡によると、東かがわ市のホテルで食事をした岩手県内の高校生ら八人が食中毒症状を訴えた。 高校生らは七月三十日から今月三日まで、同市三本松の三本松ロイヤルホテルに宿泊。共通食はホテルの食事しかないため、東讃保健所が原因施設と断定、レストラン部門を十四日から五日間の営業停止処分とした。 患者からは食中毒菌カンピロバクター・ジェジュニが検出された。ホテルで飲食した十二人のうち、生徒六人と教員二人が下痢や腹痛を訴えたが、入院はしていないという。高校生らは徳島県内で開かれた全国高校総合文化祭に出場していた。
電子部品製造のアンデス電気(青森県八戸市)は、シソなどの野菜を無農薬栽培し、健康食品などに加工するアグリビジネス(農業関連産業)に参入する。青森県などが整備した六戸町の金矢工業団地の約4万8000平方メートルの土地を借り、ビニールハウスや加工食品の研究施設を順次建設。11月の栽培開始を目指す。 同社によると、年間最大で約70万枚のシソを生産。約7億円の売り上げを見込む。地元の高齢者を中心に約200人を新たに雇用する計画だ。 栽培には土を使わず、根に直接液体肥料を噴霧する方法を用い、苗の定植後約1カ月で出荷する。電子部品工場でクリーンルームをつくるノウハウを生かし、病害虫被害を抑えることもできる。 シソには防腐や抗菌、精神安定などに効く成分が含まれるとされる。操業後は医薬品への活用を視野に、シソの効用の研究や健康食品の開発も進める。 安田昭夫社長は「健康ブームに注目し、今年から試験的に本社敷地内でシソを栽培、販売したところ反響が良かった。将来はシソの市場規模約200億円の10%は狙いたい」と語った。(河北新報)
化学会社のダウ・ケミカル日本が茨城県つくば市内で試験栽培していたトウモロコシの中に、国内で栽培許可を受けていない遺伝子組み換え品種が混入していたことが分かり、同社は11日、栽培を中止したと発表した。 雄しべを取って花粉飛散防止の措置を取っており、他のトウモロコシと交雑する恐れはないとしている。 同社によると、試験栽培は害虫抵抗性と除草剤耐性を持つ遺伝子組み換えトウモロコシの環境への影響を調べるために実施していた。農業環境技術研究所にある周囲と隔てた畑で今年6月、栽培許可を得た組み換え品種と、非組み換え品種の種を隣接した区画にまいた。 7月になって非組み換え品種の区画で一部が除草剤耐性を示していることが分かり、組み換え品種の混入が判明。混入したのは、国内での栽培許可がないものだった。米国の関連会社が、間違って種子を発送したのが原因という。(共同通信)
県生活衛生課は10日、大潟町雁子浜の「鵜の浜ニューホテル」(渡辺幹雄社長)で食事をした17人が下痢や腹痛などの症状を訴え、うち1人が入院したと発表した。患者の便から食中毒菌の腸炎ビブリオが検出されたため、ホテルでの食事が原因の食中毒と断定。上越地域振興局健康福祉環境部は同ホテルを11日から3日間の営業停止処分とした。 同課によると、6〜8日に同ホテルで食事をした73グループ382人のうち、東京都と県内の15〜77歳の男女17人が症状を訴え、4人が治療を受けた。入院した患者は退院している。【奥山智己】(毎日新聞)
県健康福祉部は10日、今月7日に小松市東町3の焼き肉レストラン「味道園」で食事をした3家族7人のうち、9歳から50歳代の男女5人が下痢や腹痛などの食中毒症状にかかったと、発表した。いずれも回復に向かっているという。南加賀保健福祉センターは同店を10日から12日まで3日間、営業停止処分にし、原因食材などを調査している。【山中尚登】(毎日新聞)
県健康増進課は10日、7〜8月に杵島郡内の保育園児とその家族計7人が腸管出血性大腸菌(O26)に感染していたと発表した。園児2人が発症し、激しい腹痛を伴う下痢や血便の症状を訴えた。同課は今後、感染拡大の心配はないとしている。 O26は牛の体内にいる大腸菌が生肉などを介して人体に入って毒素を出し、下痢などを引き起こす。症状はO157より軽いが感染力が強く、人同士でも経口感染する。(毎日新聞)
福島市北矢野目の食品販売業「福印青果」(菅野公輝社長)が賞味期限を偽って卵を販売したことが分かり、県は10日、同社に2日間の卵販売の営業停止と商品の回収を命じた。 県食品安全グループによると、福印青果は売れ残った卵320パックに偽の賞味期限を記入したラベルを張り、販売した。本来の賞味期限は8月5日だったが、12〜15日に偽装した。福島市黒岩の平成やおや南福島店と同市吉倉の同方木田店で販売された。9日に消費者から「卵が腐っている」と苦情が寄せられ、発覚した。【岩佐淳士】(毎日新聞)
■製造・加工施設対象 安全向上図る 広島県は、衛生の管理基準を満たした食品製造・加工施設を、県独自に認証する制度を年度内にスタートさせる。「合格」した施設は、認証マークを商品に張ることができ、消費者に行き届いた衛生管理をアピールできる。衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の広島版。中国地方五県では初めての試みとなる。 計画では、業者は自社の衛生管理マニュアルを、県指定の認証機関(公益法人)に申請する。認証機関は、食材、設備、使用水の衛生管理、従事者の教育など九項目の全業種共通の基準▽業種ごとに設けた特定基準―の両面で審査。実地調査も踏まえた上で、約一カ月後に認証書の交付の可否を決定する。 当面の対象は、パン製造とかき加工の施設で、認証の有効期間は三年間とする。県は毎年二、三業種ずつ対象を拡大し、衛生面から「食の安心・安全」の向上を図る。認証機関は、県食品衛生協会などを軸に選定を進めている。 国際基準のハサップは、業種が限定されるうえ、認定を受ける業者は多額の設備投資を迫られる。そのため、県は一定水準以上の衛生管理を実践する中小業者も、認証が受けられる独自の制度の導入を検討していた。 県は、今秋までに県内三カ所で業者対象の説明会を開く予定。業者のマニュアルの申請は来年初めに受け付け、三月には最初の認証施設を決定する。県は認証施設をホームページなどで公表し、業者も認証マークを製品などに付けて使うことができる。 県食品衛生室は「業者の自主的な取り組みを推進し、消費者にも分かりやすい衛生管理を促したい」と話している。
京都府生活衛生室は10日、中国産の春雨から食品衛生法で使用が認められていない漂白剤「過酸化ベンゾイル」が検出されたと発表した。府は同日までに輸入業者を管轄する東京都と長野県に通報し、府内の販売業者に自主回収を指示した。 府によると、回収対象は東京都のユウキ食品が昨年10月に輸入した「龍口粉絲(中国緑豆はるさめ)」と、長野県の小松食品が輸入した「コマツはるさめ(サラダカット)」。府が7月に市場調査した結果、向日市と加茂町で店頭販売された二つの商品から漂白剤を検出した。小麦粉には使用が認められており、健康への影響はないという。 中国産の春雨は漂白剤の検出が相次ぐため今年6月から各検疫所での検査が強化されている。(京都新聞)
県薬務衛生課は9日、大三島町の町営宿泊施設「大三島ふるさと憩の家」で夕食をとった男女11人が下痢などの食中毒症状を訴え、9人が治療を受けたと発表した。すでに全員回復している。 同課によると、7日夕、大阪府から訪れたボーイスカウトの一行ら68人が刺し身、酢の物などを食べた。まもなく8〜71歳の男性6人、女性5人が発症した。今治中央保健所は9日から3日間、施設を営業停止処分とした。【井上綾子】
宮城県に10日入った連絡によると、利府町菅谷の県総合運動公園「グランディ21」内の合宿所に宿泊していた県内9高校の陸上部員73人が同日朝までに、下痢や腹痛などの症状を訴え、うち30人が塩釜市や同町の病院に搬送された。10人は症状が重く、うち4人は入院の必要性があるという。県は、合宿所の食事が原因の集団食中毒の可能性があるとみて調べている。 合宿所を運営する県スポーツ振興財団や県、県教委によると、合宿所には8日から仙台、宮城工、涌谷、古川学園、岩出山、泉松陵、多賀城、富谷、仙台女商の各陸上部の1、2年生計131人が宿泊。全員が8日夜から、合宿所の食堂で同じ食事をとっていたという。食堂は仙台市青葉区の業者が運営し合宿所の調理場で調理していた。 9日昼すぎから、腹痛などの症状を訴える生徒が出始め、10日早朝には合宿に参加した生徒の半数以上が発症、財団職員が消防などに通報した。合宿は中止となり、食堂は営業を自粛している。 県塩釜保健所は食事や食堂に衛生上の問題点がなかったかなどについて調べ、原因の特定を急ぐ。 (河北新報)
9日午後4時15分ごろ、長崎県佐世保市大塔町のハイパーセンターオサダ大塔店から「客が店から購入して食べた菓子パンの中から、針1本が出てきた」と通報があった。同店にあった菓子パン2個からもそれぞれ針1本が見つかったことから、県警早岐署は業務妨害容疑で調べている。 調べによると、店に連絡した客は7日に菓子パンを買ったという。(毎日新聞)
県が「ひとめぼれ」として農家に供給した水稲種子の中に、酒米と思われる異品種の種子が混じっていた問題で、県は8日、混入種子が供給された天王町の農家を集め、JA秋田みなみ天王町基幹支所で説明会を開催した。混入種子のみを作付けした農家のほか、混入種子を純粋なひとめぼれの種子と混ぜて作付けした農家も補償の対象とすることを明らかにした。 説明会には21戸が参加。県水田総合利用課の佐藤喜盛課長は「異品種が混じった可能性があれば、銘柄米としては出せないと考えている。農家の方々にはご迷惑を掛けることになるが、不利益が生じないようにしたい」と陳謝した。 県はさらに▽異品種混入の原因は原原種(げんげんしゅ)、または原種の生産段階にあると推測している▽異品種と思われる稲が確認された採種圃からの採種を断念し、来年分の種子は他県の協力を得て必要量を確保する▽秋田米の評価を落とさぬよう、異品種混入のコメと純粋なコメとを徹底して分けていることを卸業者や消費者にPRしていく―などと理解を求めた。 混入種子は本荘市、大内町、天王町に約8800キロを供給。作付面積は約220ヘクタールと見込まれるが、混入種子と純粋種子を混ぜた作付面積を加えると、3―4倍程度に拡大する見込み。 県のこれまでの調査では、本荘市と大内町には計175ヘクタール分の混入種子が供給され、純粋種子と混ぜて栽培している面積は600―700ヘクタール程度と見込まれるという。天王町の面積は調査中。
県食品安全グループは6日、浪江町の創健商事(高木文平代表取締役)と鹿島町の菅野漬物食品(菅野行雄代表取締役)が製造したアイスクリームから大腸菌群が検出されたとして、食品衛生法違反で相双保健所が自主回収を指示したと発表した。 創健商事の対象商品は紙カップ入りのアイスクリームで7月20日以前に製造された「バニラ」▽7月14日以前に製造された「ふきのとう」▽7月21日以前に製造された「マサイの風」。白河市、鮫川村、都路村のほか、石川県に約50リットルが出荷された。一方、菅野漬物食品の対象商品は7月5日以前に製造された140ミリリットル入り「抹茶アイス」で、回収が完了している。毎日新聞
三重県の四日市港周辺で、遺伝子組み換えセイヨウナタネが自生していることが市民団体の調査で6日、分かった。近くに食用油製造工場があり、輸入されたナタネが搬送される間に種子がこぼれ落ちて繁殖したとみられる。遺伝子組み換えセイヨウナタネは茨城県の鹿島港周辺でも自生が見つかっており、国内の輸入港周辺で広く自生している可能性が出てきた。 調査したのは、名古屋市の「遺伝子組み換え食品を考える中部の会」。鹿島港で自生が見つかったという報道をきっかけに7月中旬、セイヨウナタネが陸揚げされている四日市港周辺で14株を採取。市販の簡易検出キットで除草剤耐性遺伝子の有無を調べたところ、3株が陽性だった。 さらに、3株のうち1株を民間の調査会社に持ち込んで分析を依頼したところ、「遺伝子組み換え体を検出」との結果が得られたという。 同会の村上喜久子さんは「遺伝子組み換え作物が広がっていることに改めてショックを受けた。いったん自然界に出てしまうと、繁殖が拡大するのは止められないのではないか。国は今のうちに厳重に管理してほしい」と話している。 一方、農林水産省技術安全課は「十分管理したとしても、何らかの形で外部に出ることはあり得る。在来種と交雑する可能性もゼロではないが、一般的に雑種は繁殖力が弱く、はびこることはないと判断している」と説明している。【西川拓】 生井兵治・元筑波大教授(受粉生物学)の話 日本で栽培のセイヨウナタネや近縁種と容易に交雑してしまうことがまず問題だ。異種間の雑種の場合、1代目の種子は芽を出さないものが多いが、代を重ねると繁殖する可能性はある。長期的な影響など、遺伝子組み換え作物には分からないことは多く、通常の外来種以上のリスクがあると考えて管理すべきだ。(毎日新聞)
農林水産省は6日、03年度の食糧自給率(カロリー換算)が6年連続で40%だったと発表した。海外の自給率は米国122%▽フランス121%▽ドイツ99%▽イタリア69%▽英国61%(いずれも01年)――などで、日本は先進国中で最低。 日本の自給率は1960年度には79%だったが、食料輸入の増加に伴って年々低下。40%になった98年度以降は下げ止まった格好だが、上昇のきっかけはつかめていない。政府は10年度までに45%に上げることを目標にし、国内農業の国際競争力を強化するため、来春改定する農業基本計画に大規模農家の育成政策などを盛り込む。 品目別自給率(重量換算)はコメ95%(前年度96%)▽小麦14%(13%)▽豆類6%(7%)▽野菜82%(83%)▽牛肉39%(39%)▽豚肉53%(53%)▽魚介類50%(47%)――などだった。【望月靖祥】(毎日新聞)
滋賀県内で7月末から、八日市市内ばかりで病原性大腸菌O157の感染が相次いで発生している。接点の見つからない4グループの計7人がほぼ同時期に発症しており、県健康対策課が手洗いの励行などの注意を呼びかけている。 同課によると、7月30日に同市内の男性(64)の感染が分かったのをはじめ、下痢などを訴えていた女性(65)、男児(2つ)、男児(12)が相次いで感染した。それぞれの家族らを検査した結果、女性の親せき3人の感染が5日までに判明した。 女性や親せきと、それ以外の3人について、同課は「接点は現時点で分からない。住所もばらばら」としている。O157は食べ物などを経由して感染するが、感染源についても「潜伏期間が3−5日と長く、特定は困難」としている。 同課は県内の保健所へ通知を出し、手洗いの励行のほか、食品の十分な加熱を県民に呼びかけるよう求めている。(京都新聞)
京都市保健福祉局は6日、京都市南区上鳥羽角田町の飲食店「あたか飯店京都店」で食中毒が発生し、同日から3日間の営業停止処分にしたと発表した。 同局によると、7月27日に同店で昼食をとった南区の会社従業員8人が、28日から29日にかけて腹痛や下痢、発熱などの食中毒症状を訴え、このうち1人と同店従業員1人からサルモネラ菌が検出された。同店以外に共通する食事はないことから、同店の食事が食中毒の原因と断定した。(京都新聞)
ウイルスに感染した植物の細胞が“自殺”し、個体全体への感染拡大を防ぐ仕組みに関与する酵素を西村(にしむら)いくこ京都大教授(植物分子細胞生物学)らのグループが突き止め、6日付米科学誌サイエンスに発表した。 動物の細胞死にかかわる酵素は特定されていたが、植物では世界初。病気に強い植物をつくることが可能で、発生過程や老化など、植物のさまざまな細胞死の研究の手掛かりにもなりそうだ。 この酵素は、液胞プロセシング酵素(VPE)というタンパク質分解酵素の一種で、植物細胞中の液胞の機能を制御している。液胞は、老廃物を分解するほか、細胞死に関与していることが分かってきたため、西村教授らはVPEと細胞死の関係を調べた。 タバコの葉に白っぽい斑点ができるタバコモザイクウイルスで実験。VPEが通常量のタバコの葉にウイルスを塗ると、塗った部分の細胞だけが死に、ほかの部分は丈夫なままだった。 だがVPEの量を少なくした場合は、細胞死が起きないため外見上は丈夫だが、葉脈などを通じて他の葉にもウイルスが感染。個体全体に広がっていることを確認した。 西村教授は「VPEをつくる遺伝子が常に発現するよう遺伝子組み換えをすると、抵抗力を強めることができる。細胞死の仕組み解明を進めたい」と話している。(共同通信)
◇創意工夫の取り組み端緒に 「野菜を食べれば肌ツルツル、元気モリモリになるんだよ」 夏休みを目前に控えた7月中旬。札幌市立豊平小学校(佐々木隆校長)の特殊学級の教室で、栄養職員の大高沙織さんが、児童13人を前に野菜をかたどった手作りの教材を掲げた。子供たちは興味深そうな表情でうなずき、楽しそうに目を輝かせた。 子供たちが取り組んでいるのは、パセリ、セロリ、ブロッコリー、タマネギの4種類の野菜にちなんで名付けられた「パセロリサラダ」というダンスだ。各野菜の名前にあわせてヒザを上げ、手をたたき、体を動かす。軽快なリズムが子供たちに人気だ。 6月中旬に行われた宿泊学習。児童の出し物として、教職員に披露されたのがパセロリサラダだった。一生懸命ダンスに取り組む子供たちの姿は、豊平小に赴任したばかりの大高さんにとって印象的だった。 大高さんは養護教諭の佐藤倫子さんと意見交換するため、日課のように保健室を訪れる。佐藤さんは「子供の健康のためには、給食を管理する栄養職員との連携が欠かせない」と考えており、大高さんにも「気軽に足を運んでほしい」と話していたからだ。 「子供たちって、本当にパセロリサラダが好きなんだよね」「そんなに踊りが好きなら、野菜を使った食の指導に生かせるかも」……。 いつものように雑談していたところ、どちらからともなく思いついた。早速、学級担任に話したところ、栄養職員の視点から、野菜の重要性を教えることになった。イラストが得意な大高さんが教材を手作りし、栄養職員による“授業”が実現した。 ◇ 子供の食生活の乱れが深刻化する中、学校での食に関する指導は、給食や教科、学級活動、総合学習の時間を利用し、主に学級担任が行っている。学校によっては、養護教諭や栄養職員が担うケースもあるが、学校によっては対応がまちまち。まして、養護教諭と栄養職員による連携は、まだ緒についたばかりだ。 こうした中、文科省の中央教育審議会は今年1月、栄養職員を教員とする「栄養教諭」制度の創設を答申した。来春からは教員免許を持つ栄養教諭が誕生し、教諭として教壇に立ったり、保護者と話し合うようになる見通しだ。 健康から食を見つめる養護教諭と、食から健康を見つめる栄養職員。「連携は試行錯誤の連続。人が代わっても継続きるようなノウハウを確立したい」と佐藤さん。 学校が本格的に「食育」に取り組む時代を前に、現場では創意工夫を凝らした取り組みが続いている。【筑井直樹】毎日新聞
◇親子とも薄い関心、知識もその場限り 学校の栄養職員の大半が「学校だけでの食教育には限界がある」と感じていることが農林中金総合研究所の「学校給食調査」で分かった。 全国の5〜6年生を中心にした小学生(有効回答1685人)と保護者(同1591人)、それに学校栄養職員(同402人)と生産者(同446人)を対象に昨年秋にアンケートし、このほどまとめた。 学校給食に対する関心度は「かなり関心がある」と答えた保護者が29%だったが、「健康作りに役立っている」と評価する回答は86%と高く、「学校給食に不満はない」という意見が過半数を占めた。 また、期待度をみるために設定した「学校給食が廃止され、弁当持参になったら」との質問に、保護者の回答は「すごく困る」が73%と最も高く、次いで「少し困る」が20%だった。 「学校給食は『なくなっては困る。あって当たり前』になり、期待というより依存度が高いことを反映した回答」と、調査結果をまとめた同研究所の前副主任研究員、根岸久子さんは分析する。 保護者が学校給食に期待するのは「健康によい食べ物をきちんと選べる力」(69%、複数回答、以下同)、「栄養に関する知識」(63%)、「(いろいろなメニューの提供による)幅広い食体験」(61%)の順で、食育への期待が高い結果となった。 これに対し、栄養職員の9割は「学校給食を通した食教育の難しさを感じている」と回答し、保護者との認識の違いが浮き彫りになった。 栄養職員は食教育の難しさとして「子どもと保護者の食への関心が薄く、学校と家庭が連動性を持った食教育が出来ない」「子どもに正しい知識を伝えても、その場限りで終わってしまう。食事作りの中心は親なのに、自覚がなさ過ぎる」と家庭と連携できない点を問題視する回答が多かった。 また、小学生に学校給食で好きな献立を聞いたところ、カレー、サラダ類、うどん・めん類の順。栄養職員がみた小学生の食生活では「野菜を残す子どもが多い」(92%)が最も多く、次いで骨のある魚や、皮のある果物など「手のかかるもの、面倒なものは苦手」(88%)が上位を占めている。 根岸さんは「食教育を家庭や学校に委ねるのではなく、地域ぐるみの取り組みにしていくことが必要」と指摘している。
◇ダイオキシン・水銀・農薬・食品添加物…環境破壊と汚染がもたらした現代病 「生活環境病」という言葉がある。主に不摂生から発症したり進行する「生活習慣病」とは違い、どんなに生活を改め、健康に気遣っても防げない病や症状を指すらしい。その実態を、長年研究している医師、周東寛(しゅうとう・ひろし)さん(52)に、対策も含めて聞いてみた。【根本太一】 ●回り回ってじわじわと 「ひとことで言えば、長い間の環境破壊や汚染がもたらす現代の病です」。周東さんはそう説明する。「かつては水俣(みなまた)病やイタイイタイ病、大気汚染が原因とされる気管支ぜんそくなどがそれでしたが、患者さんと向き合ううちに、公害病のような症状はなくても、生活環境に起因する体調不良や病気があるのでは、と気付いたんです」 周東さんが埼玉県内で開業する四つのクリニックには「子供のころから健康なのに、なぜ赤ちゃんができないの」「酒もたばこもやらない私がどうして、がんになるのか」といった訴えが寄せられる。これを「さまざまな化学物質が回り回って人体に蓄積し、じわじわとむしばんでいる表れ」と考える周東さんが言った。 「多摩川のコイに異状があるのを知っていますか?」 多摩川や神田川の雄のコイの約1割に、精巣障害があるというのだ。東京都環境科学研究所の99〜00年の調査で分かったもので、本来は雌だけが持つビテロジェニンというたんぱく質が精子の形成を阻害する。下水処理場の放流口に近い場所ほど多く、精巣にがん組織のあるコイもいたという。 「ダイオキシンなど有害物質のせいです」と周東さん。名古屋市の96年の調査では、同市内で下水を浄化したはずの放流水から、プラスチック酸化防止剤なども検出。精巣との結びつきは不明だが「下痢はしないけれど、飲む気になれない水が川に流されているわけです」 周東さんが懸念するのは、これらの有害物質が近海魚に残留し、それを食べた人間が摂取してしまうことだ。「ダイオキシンも、ごみ焼却場の排煙からではなく、約95%は食べ物から摂取されることが分かっている。その約8割は魚介類ですよ」。農薬などが土壌に染み込み、海に達した結果だが、実際、人間の精子は10〜20年前に比べて減ったという報告もある。 ●魚や肉の脂肪に蓄積 水銀も見逃せない。インドマグロやキンメダイなどに含まれていることは国も確認しているが、周東さんは若い母親や子供の摂取量が増えていると警告する。「体内に蓄積された水銀は、代謝によって髪の毛に現れます。安全基準は平均1・555ppmなのに、母体から取り込んだのか3ppmが検出される子もいる。一度、毛髪検査を受けることをお勧めしますよ」 海外では、水銀の胎児の脳への影響が報告されている。症状がすぐに出なくても、長い年月でみると恐ろしい。周東さんは「魚も動物の肉でも脂肪に蓄積されるものが多い」と説明した。農薬を使った草を牛が食べれば、牛の脂肪にたまり、肉や乳、バターなどを通じて人間が摂取することになる。なるほど内臓脂肪は大敵ということか。 「有害物質は細胞を攻撃するのでDNAに異常をきたし、がんになる可能性が大きい」。食品添加物はもちろん、魚の干物にも気を付けた方がいいという。「一夜干しなら問題ないが、普通の干物はたんぱく質が劣化していることもある。焼いても毒素は残り、これがアレルギーを起こしてアトピー性皮膚炎の原因にもなりかねない」 杉林の近くで暮らす人より都市生活者に花粉症が多いのも、排ガスや二酸化炭素をより多く摂取した末のアレルギー疾患。「汚染された大気のイオンはプラスイオンになって心身に悪影響を及ぼす。さらにシックハウス症候群など、生活環境は常に病気と紙一重と言っていい」 だが、いまさら魚も肉も食べないというわけにもいかない。「まずは飽食、大食をやめること。でないと細胞が、まるでさびたようになりますよ。体さび病です」。そう話す周東さんが勧めるのが、なんとキムチだ。「ただ辛いだけじゃだめです。確かにトウガラシは内臓脂肪を燃やして有害物質が蓄積しにくくなりますが、アクが多く細胞を刺激します。それよりよく漬け込み、野菜が発酵したものがいい」。みそや漬物などの発酵食品はダイオキシンを分解し、酵素も取り入れて老化を防ぐ。しかも、食物繊維にはダイオキシンの排出作用があることも分かっている。 「低脂肪で作ったヨーグルトの乳酸菌もアレルギー疾患を改善します。そして米ぬか。抗がん作用があるフィチン酸という物質に、体内の水銀をはき出す効果があるし、ニンニクやネギが含むセニンも有害物質の力を弱めてくれます」 さらに、お薦めの健康法が酢足浴(すあしよく)だ。竹酢液(ちくさくえき)と玄米酢、自然塩を混ぜた湯で足を30分ほど温めた後、マッサージしてあかを取る。足に蓄積した毒素が排せつされるという。最後に周東さんが言った。「現在の生活環境を変えられない以上、食材に気遣い、手作りの和食、粗食といった日本人本来の食事に戻すこと。『知的予防』『知的健康改革』が求められています」 ●気づかぬままに 生活環境病が怖いのは、初めは症状と原因の直接関係に気付かないことだ。普通に暮らしていたのに、汚染された魚を食べ続けて起きた水俣病、米軍がベトナム戦争でまいた枯れ葉剤、イラクに落とした劣化ウラン弾による放射能の影響も、後になって初めて悲惨な結果が表れた。 ダイオキシンも排出規制の法律が成立する99年までは、ほとんど垂れ流し状態だった。国が先月、発がん性を認めて使用を禁じた「アカネ色素」は、ハムや菓子、めん類、清涼飲料水などの着色料に広く使われており、私たちの体に長年蓄積されていたことになる。 「豊かさのツケ」なのか。生活環境病を「人為的なもの」ととらえるなら、HIV(エイズウイルス)のまん延もしかり。東京大学医科学研究所・先端医療研究センターの岩本愛吉(いわもとあいきち)教授(54)は最近の講演で、「アフリカの片隅でサルから感染したHIVは、アフリカ横断道路の完成と同時に地球規模で広がり始めた」と話した。グローバル化の「副産物」ということなのだろう。15〜16世紀の大航海時代には、天然痘が欧州から新大陸に運ばれ、逆に梅毒が持ち帰られている。 ……………………………………………………………………………………………………… ■人物略歴 ◇周東寛(しゅうとう・ひろし) 氏医療法人「健身会」理事長。昭和大学藤が丘病院兼任講師。西洋医学に東洋医学を取り入れた予防医学を重視する。「生活環境病」(史輝出版)、「アトピー最新治療Q&A」(同)など著書多数。 毎日新聞
米菓メーカー「亀田製菓」(新潟県亀田町)は5日、同社の主力商品「柿の種」などの一部から塩素臭が認められたことから、商品を自主回収すると発表した。 残留塩素は検出されておらず、食べても健康には問題がないという。(読売新聞)
都は4日、新宿区歌舞伎町1のお好み焼き店「まつ里亭」と同区四谷1の韓国料理店「妃苑」の料理を食べた計74人が下痢や腹痛などの症状を訴えたと発表した。うち5人が入院したが、いずれも快方に向かっているという。新宿区はともに食中毒と断定し、それぞれ7日間と5日間の営業停止処分とした。(毎日新聞)
◇まんじゅうに焼酎、期待膨らむ 静かに進んでいたゴドイモブームに、行政、農業者、市民組織の会社も動き出した。島では急速な人口減少と高齢化で畑仕事する人がめっきり減り、耕地面積は95年の約10ヘクタールから00年には約3・6ヘクタールに減った。1戸平均の耕作面積は250平方メートル弱。 増え続ける耕作放棄地・遊休地を飛島の特産品作りにつなげたいと、酒田市は03年度に「飛島特産品づくり支援事業」に取り組み52万円を予算化、04年度は65万7000円に増額した。庄内みどり農協青年部北平田支部の青年、市職員ら約20人が集まって結成した「ゴドイモ食べさせ隊」がこれに応え、遊休農地を借りて栽培を始めた。 7月23日、渋谷広隊長(42)ら6人がゴドイモ掘りに出掛けた。オレンジ色のそろいの法被や胸元にゴドイモのキャラクターをあしらった黒のTシャツを着込む力の入れよう。飛島の“農業史上”初めてトラクターを持ち込んだが、最終段階はイモに傷が付かないよう手作業。大きさごとに仕分けしながらの作業は大変だ。 食べさせ隊の収穫は昨年15アールで約700キロ。今年は25アールに増やして1・5トンから2トンの収穫を目指す。庄内みどり農協のインターネットで販売するほか、今秋は市立北平田小と保育園でゴドイモ給食をする予定だ。地区の主婦グループもユニークな調理方法がないか研究しているという。 渋谷隊長は「おいしい島の伝統食材を受け継いでいきたい」と話し、市農政課も「耕作放棄地を活用して特産品を守り、青年たちと島民の交流につながってくれれば申し分ない」と、“一石三鳥”に期待を寄せる。 既にゴドイモを素材にした「いもまんじゅう」が島や市内の観光売店で売られているが、新たに「ゴドイモ焼酎」を売り出す動きもある。解散した第三セクターの観光開発会社を引き継いで設立した市民参加型企業「酒田まちづくり開発会社」(西村修社長)が、今年300キロを使って造る計画だ。焼酎造りには飛島沖200メートルの海底から取水した、海洋深層水を使ってよりおいしい焼酎を造る。 酒造メーカーに委託するが、西村社長は「税務署の認可を得ることや収穫したイモから芽が出ないよう低温貯蔵することなどの課題をクリアしてぜひ完成させたい。市内の酒小売店青年部『酒彩クラブ』のメンバーも乗り気だ。ゆくゆくは構造改革特区の申請も考えたい」と意気込みを示す。 食べさせ隊の収穫後の畑では、山形市のそば店主らのグループが天保年間のそばを植えて種を取る。いずれは「そば焼酎も」と、ゴドイモを取り巻く話題は広がる。(この企画は粕谷昭二が担当しました)毎日新聞
大阪市第三セクターのブロッコリー偽装事件で、「大阪港埠頭(ふとう)ターミナル」が、約26トンの産地偽装をさせた下請け会社「オー・エス・サービス」(大阪市)とは別の包装会社を使い、中国産ブロッコリーを米国産に混入、計約10トンを出荷させていたことが4日、関係者の話で分かった。 10トンの偽装は26トンの偽装の直前。包装会社側が「これ以上違法行為はできない」とターミナル社に訴え、2日間ほどで終わったという。 ターミナル社などによると、2002年2月ごろ、同社の営業主任が包装会社に指示。米国産ブロッコリーの段ボール箱から8個ずつ抜き、中国産を混入させた。抜き取った米国産は別の箱に詰めて出荷したという。(共同通信)
国民生活センターは4日、遺伝子組み換え大豆不使用の表示がある豆腐29銘柄を調べたところ、18銘柄から組み換え大豆が検出されたと発表した。厚生労働省などによる調査の結果、いずれも法律で定められた分別生産流通管理を行っていたため、同センターは輸送中などに偶然混入したと見ている。 (時事通信)
「おいしい」「楽しい」はずの食の姿が乱れている。アレルギー、偏食、孤食が子供たちにのしかかる。学校などで食を考え直す取り組みが広がっている。「食育の現場」を探る。 ◇全児童の1割にも及ぶ 「今日、給食に出たアサリは血を増やす鉄分が多く含まれます。全国どこでもとれる貝です」 札幌市中央区の同市立幌西小学校(守谷真一校長)。1年3組の担任、今田由紀子教諭が説明すると、「いただきます」の声とともに給食が始まった。この日のメニューは「アサリのカリッとサラダ」「ベーコンシチュー」「メロン」。4人1組が向かい合う形に机を並べ替えた教室で、1年生がおいしそうにほおばった。 楽しい給食の一コマだが、全員が同じメニューではない。食物アレルギーで、一部が別メニュー。全校児童865人のうち、1人がシチュー、2人がアサリ、3人がメロンを食べられず、除去食や代替食が出された。 給食調理室入り口には、食物アレルギーのリストがクラス別に書き出されている。卵や牛乳、ピーナツ、チョコレート、バター。さらに、メロン、スイカ、モモなど果物の多さが目立つ。 「食物アレルギーが最近、増えています。小麦アレルギーの子はパン給食のとき、ご飯を持ってきてもらうこともあります」と、栄養職員の山際睦子さんは話す。 食物アレルギーの急増は幌西小に限らない。全国で起きている深刻な問題だ。給食が一切食べられず、弁当持参で通学する子もいる。 幌西小では新学期、全校児童にアンケートを行う。今春の調査では、全校児童の1割近い約70人が「食物アレルギーがある」と答えた。山際さんは「大切なことは、無理せず、気長に取り組むこと。高学年になると体の抵抗力が高まり、自然と収まるケースもあります」と指導に当たる。 食物アレルギーは昭和30年代から目立ち始めた。卵、牛乳、大豆が中心だったが、今では米や小麦を含めた五大アレルギー源とも言われる。また、魚介類、ナッツ類のほか、「ラテックスフルーツ症候群」と呼ばれる果物アレルギーもある。天然ゴムのたんぱく質に反応するものだが、バナナやアボカド、キウイなどでも起きるという。 アレルギーの診察に当たる長谷川クリニック(札幌市北区)の長谷川浩院長は「原因は一つではありません。食べ物、生活リズム、周囲の環境など、複雑に絡み合って発症します。昔なかった化学物質などが引き金となるのでは」と話す。 今や国民病の一つとも言われるアレルギー。どう対処したらいいのか。 長谷川院長はこんな提案をする。 旬のものや伝統食を食べる。日本人は元々、穀菜食中心で、緑黄色野菜や豆、ゴマ、イモ、海藻などの伝統料理が多かったが、肉中心に変わった。また、糖分や油脂、動物性たんぱく質の多いし好品はたまの楽しみにする。さらに、体を動かし、家族で楽しく食事してほしいと指摘している。【千々部一好】毎日新聞
◇「リモートセンシング」県が今月予定 ◇来年、県南で実用化目指す 人工衛星から水田を撮影し、コメの味を測定する「衛星リモートセンシング」実用化を目指した実験がすすめられている。県は8月中に伊奈町などの水田を衛星から撮影することにしており、正確な食味診断ができれば、県南地方の農協で来年から実用化する方針。 リモートセンシングは、飛行機などを使って上空からセンサーで地表を観測する技術。物体の表面から太陽光の反射を読み取り、土や水、植物の様子を調べる。99年に米国が高性能商用衛星「イコノス」の運用を始め、ここ10年の間に人工衛星の利用が各分野に広がった。研究機関や民間企業が治水や防災、生態系の分布や植物の生育状況などの調査に使っている。 航空撮影に比べて低コストで多彩なデータが得られる。稲作については、北海道や新潟県の一部の農協で、数年前から実用化されている。 地球観測衛星を使って上空から水田を撮影。画像から葉の色の濃淡を解析し、米粒に含まれるタンパク質の量を推定する仕組み。タンパク質が多い場合、コメの味が落ちることを利用したものだ。この技術を利用して、県は味のレベルごとに集荷し、価格を差別化したり、県産米を消費者にアピールしたい考え。 実験対象の地域はJA茨城みなみ(伊奈町谷井田)が管轄する同町内と一部谷和原村を含む水田約2000ヘクタール。フランスの衛星「スポット5号」から撮影を行い、タンパク質のむらを速報化したマップを作る。その後、実際にタンパク質を含有量をはかり、年内には正確な「タンパクマップ」を作製。「衛星リモートセンシング」で得た刈り取り前の速報値と、照合する。 県農産課は「速報マップが正確ならば、刈り取り前に品質の区別ができるため、付加価値の高い上質米の集荷も可能。茨城の農家の稲作へのこだわりをアピールしたい」としている。また、食味の落ちる水田には肥料の量を調整するための土壌診断を行い、栽培技術の向上を図る。【土屋渓】毎日新聞
松山市保健所は2日、先月25日に同市千舟町8の「鈴木弁当店」の弁当を食べた新居浜市と西条市の中学の男女生徒13人が食中毒症状を訴え、うち10人と同店の従業員1人からサルモネラ菌を検出したと発表した。同店を3日間の営業停止処分とした。中学生は松山市内での県中学校総合体育大会に参加。全員回復に向かっている。【小林祥晃】 ◇今治でも男女8人が また県は2日、今治市内の飲食店で食事をした男女8人(24〜78歳)が下痢や腹痛などの食中毒症状を訴えたと発表した。県によると、先月31日午後3時半ごろ、親族などのグループ21人で来店し、刺身、酢の物などを食べたが、1日午前2時ごろから相次いで発症した。【井上綾子】(毎日新聞)
「これで本当にニンジンなんだろうか」。秋田県八竜町の農業、清水キヨ子さん(62)は、大型のプラスチックのバケツをのぞきながら、そう思った。中には茶色く変色したニンジンがあった。液をなめると「塩漬け」というのに、まったく塩の味がしなかった。薬品臭にまみれた輸入野菜。「こんなもん、子や孫には絶対食べさせられない」。学校給食に関心を抱いたきっかけだった。 八郎潟干拓地に隣接する八竜町(約7400人)。農業人口が半分以上を占め、水田とメロン、アスパラガス栽培の畑が広がっている。そんな町でも学校給食のコメは他県産、野菜も調理のしやすい冷凍、加工ものが使われていた。 「せめて野菜だけでも生産者の顔が分かり、安全で安心できる地場産を学校給食に出せないだろうか」。清水さんの声に町や教育委員会、農協も動き、一昨年夏に給食向け野菜を供給する農家12人の「いきいき野菜納入組合」が発足。メニューに朝採り野菜を取り入れた全国でも珍しい「地産地消の学校給食」がスタートした。 取材で訪ねた日のメニューは、ご飯に牛乳、野菜コロッケ、青ジソサラダ、ミートボール、ブロッコリーとシメジのソテー、フルーツは冷凍パイン。湖北小5年の三浦健太朗くん(11)は「校内放送で『三浦くんのおじいちゃんが作ったスイカです』と放送されるとうれしくなる。大きくなったら、おじいちゃんと一緒に農業をやりたい」と夢を話す。 清水さんは「孫が帰ると『今日のメロンはうちのより、おいしかった』とか『おばあちゃんの作ったホウレン草が甘くておいしい』と批評してくれ、励みにもなる」と目を細める。 町内の小、中学3校、680食分のメニューを受け持つ栄養士の細田智子さん(22)は「地場産の野菜はとにかく新鮮。元気な野菜を手に、私まで元気になります」。お年寄りのアドバイスで取り入れた切り干し大根の煮付け、きりたんぽに似た「だまこもち汁」などの伝統食シリーズも人気メニューだという。 学校給食を中心とする「食と農を結ぶスローフード運動」を提案、支援するJA秋田やまもと(同県琴丘町)の泉牧子さん(44)は「昔から4里(16キロ)四方で作ったものを食べるのが健康に一番よいと言われていますが、まさに身土不二(しんどふじ)。人の生命と健康は、その土が育てる食べ物によって支えられているんですね。スローフード運動には、そんな土への思いもあります」と話す。 食を育(はぐく)む土。甘いメロンが植わる砂地の畑はサラサラと心地よく、野菜が植わる畑はフワフワと軟らかい。その畑で清水さんはこう言った。「土は私の宝物。汗の量に応じて毎年、見事な野菜を届けてくれるのですから」【津武欣也】 × × × わずか一握りのなかに、何十億という微生物の生命を宿す土。その大地の恵みを得て、私たち人間も生きている。−−夏、大地の呼吸を足裏に感じながら、土が見せるさまざまな顔を追ってみる。 毎日新聞
◇幼児から自衛隊員まで、先月までに420人発症−−北陸3県 ◇ウイルス、つけない/増やさない/消滅させる−−予防3原則、年間通じご注意を 連日、30度を超える猛暑が続き、夏ばて気味の人も多いと思う。この時期、日射病や熱中症などと並んで怖いのが食中毒だ。石川県では今年に入って病原性大腸菌O157に感染した幼児が一時、重体に陥ったり、鍛え抜いた屈強な自衛隊員でさえも食中毒にかかった。7月初めには、韓国の修学旅行から帰った金沢市内の県立高校の生徒と引率した教諭ら100人が病原性大腸菌O111に感染したことが分かった。この季節、体力の弱い幼児や高齢者は注意が必要だ。【山中尚登】 ■注意報発令 石川県健康福祉部によると、1月から7月30日までに県内では9件の食中毒が発生し、149人が発症している。同県は7月30日、「最高気温が30度を超え、食中毒が発生しやすい気象状況が続くと予想される」として、「食中毒注意報」(8月4日まで6日間)を発令した。 また、富山県では1月から7月29日までに7件発生し、186人が発症。富山県も7月26日に「食中毒注意報」(28日まで3日間)を発令している。 福井県では29日までに4件発生し、85人が発症した。厚生労働省によると、1月から4月までに全国では150件発生し、約2700人が発症、2人が死亡している。 ■100人超の集団発生も ゴールデンウイーク中の5月2、3日には、石川県鶴来町の焼き肉店で食事をした2グループ6人が病原性大腸菌O157=写真下=に感染。3歳の男児が溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発して、一時は重体に陥った。現在は回復しているという。 6月2日には同県小松市内の飲食店で食事をした航空自衛隊三沢基地(青森県)の隊員15人のうち、11人(20〜40歳代)が腹痛や発熱などの症状を訴え、訓練で訪れていた小松基地内の医務室で治療を受けている。 寒い時期でも集団発生はあり、油断できない。富山県西部で今年2月、持ち帰り用のすしで116人が食中毒になった。原因は「ノロウイルス」だった。 確定していないため、集計の数字には含まれていないが、6月末から7月初めに修学旅行で韓国を3泊4日の日程で訪れた金沢市内の県立高校2年生と引率した教諭など約380人のうち103人から病原性大腸菌O111が検出された。現在は全員回復している。 ■病原性大腸菌 病原性大腸菌は、96年7月に大阪府堺市で発生した集団食中毒でその恐ろしさが広く知られた。 同市のケースでは3次感染を含め、幼児や小、中学生、教諭など約9500人がO157に感染し、3人の女児が死亡する最悪の事態になった。 O157は米国で82年、ハンバーガーによる集団食中毒の原因菌として発見された。毒性の強いベロ毒素を放出し、出血性大腸炎を引き起こす。貧血や急性腎不全などを伴うHUSを併発し、死に至る場合もある。熱には弱く、75度で1分間加熱すれば死滅する。 ■予防3原則 石川県健康福祉部などは食中毒防止のため定期的に飲食店などを対象に食品衛生一斉取り締まりを実施。一般家庭向けのマニュアル冊子も発行している。 予防の3原則は、食中毒の原因菌・ウイルスを(1)つけない(2)増やさない(3)消滅させること。 「つけない」ためには、食品や手、調理器具をしっかり洗う。食品は包んで保存する。「増やさない」ためには、作った料理は早めに食べ、保存する際は冷蔵庫で。「消滅させる」には、食品内部まで十分に加熱する。調理器具は定期的に消毒する。 もし食中毒になってしまったら、感染を広げないためにどうすればいいか。食中毒が疑われる人は最後に風呂に入り、シャワーのみを使用する▽汚れた衣類は煮沸か薬品で消毒してから、他の洗濯物と分けて洗い、日光で十分に干す▽吐いた物や便を処理する時は、ゴム手袋を使う▽触れた場合は、逆性せっけんや70%アルコールで消毒し、よく手を洗う。 また、海外旅行で気をつけることは、生水を飲まない▽ジュースや水割りの氷は注意する▽魚介類や肉を生で食べない▽果実や生野菜にも注意する――など。 同部は「基本は飲食店も家庭も同じ。また夏場だけでなく、1年を通して注意してもらいたい」と呼び掛けている。(毎日新聞)
県健康対策課は1日、八日市市内の女性(65)から病原性大腸菌(O157)を検出したと発表した。女性は下痢や腹痛を訴え7月28日から同市内の病院に入院していた。現在では快方に向かっている。県では最近、O157患者や保菌者の報告が続いていることから、手洗いや食品の十分な加熱などを呼びかけている。【阿部雄介】
奈良市保健所は三十一日、同市般若寺町の奈良少年刑務所と奈良少年鑑別所で、収容者ら約四百人が腹痛や下痢などの食中毒症状を訴えたと発表した。いずれも軽度で、病院に運ばれた人はいないという。 奈良少年刑務所などによると、収容者計約八百九十人のうち、約四百人が次々と下痢などの症状を訴え、所内に常駐する医師から診察を受けた。 三十日の夕食では、収容者約二十人が調理を担当し、所内の施設でけんちん汁やイカと野菜のいため物などをつくったという。 同少年刑務所では、三十一日夕から調理施設の使用を中止し、収容者には非常食を出すなどしている。 同保健所は、三十日の夕食に食中毒症状を起こした原因食品が含まれている可能があるとみて調べている。(産経新聞)
横浜市衛生局に三十一日までに入った連絡によると、同市戸塚区下倉田町の飲食店で食事をした同区在住の女児(2つ)と、同店従業員から腸管出血性大腸菌O157が検出された。 同局によると、七月九日午後八時半ごろ、同店で焼き肉やビビンバ、キムチなどを食べた家族四人のうち、男子児童(6つ)と女児(2つ)が、十三日午後二時ごろから腹痛や下痢、血便などの食中毒症状を訴え、入院した。 二人はすでに退院しているが、女児からO157が検出されたため、戸塚福祉保健センターで同店を調査。従業員(症状なし)一人からも同様の菌が検出されたため、三十一日から営業停止とした。同店では二十六日から営業を自粛している。神奈川新聞