 | 県内各地で栽培され、不眠症に効くとされる薬草の一種、アキノワスレグサ(ユリ科、方言名・クヮンソウ)を食べることで、熟睡時間が通常の1・5倍になることを上江洲栄子琉大教授(健康栄養学)がマウスを使った実験で確認した。経験的に伝えられた「眠れない時はクヮンソウ」という庶民の知恵を初めて科学的に証明した。
実験は、クヮンソウの花の乾燥粉末を混ぜたえさを2週間マウスに与え、3週目から睡眠中の脳波を検査。深い眠りで、夢を見ている状態に当たる「パラドキシカル睡眠」の割合を調べた。この結果「パラドキシカル睡眠」は食べていないマウスで睡眠時間全体の38%ほどにとどまったが、クヮンソウを食べたマウスは60%に達し、熟睡時間が1・5倍ほど延びた。
またマウスは夜行性で昼間に眠る時間も多いが、実験で昼間の睡眠時間にクヮンソウの影響はなかった。安眠効果を生む成分の特定には至っていないが、上江洲教授は「伝承、文献だけだった安眠効果を、生理学的に実証できた。麻酔、睡眠薬と違い、夜の睡眠だけに効果がある。今のところ副作用なども確認されていない」と話した。また肝機能の改善にも効果があるという。
クヮンソウの根はみそ汁など食用、葉はせんじて飲むのが一般的。九州でも栽培されているが、「よく眠れる」という口承は沖縄にしかないという。「シャドレイラ」の名称で商品化され、那覇市牧志の公設市場周辺でも手軽に入手できる。クヮンソウを扱う女性は「昔から『眠り草』といわれてよく効くみたい。入荷してもすぐ売れる」と話していた。(琉球新報) |